´21年4月17日~18日 谷川岳リベンジ!(前編)

f:id:arakabu625:20210425105909j:image(登山口の天神平にて)

⛰️皆さん、ご無沙汰です。お元気でしたか?コロナに負けず、社会の荒波にも負けずに生きてましたか?私はまぁまぁ元気です。

 

早速ですが、今月17日から18日の土日にかけて、あの谷川岳に行ってきました。山行メンバーは縦走部の4人が久しぶりに勢揃い。本ブログにはアップしていませんが、昨年の12月に陣馬山~高尾山を4人で縦走して以来ですから、約4ヶ月ぶりのフルメンバーです。

 

それでは、以下にレポートさせていただきますので、よろしければご一読のほどお願いします。

 

■リベンジ?

全国的に春の嵐が吹き荒れた週末、私たち縦走部は群馬と新潟の県境にある日本百名山谷川岳へ行ってきました。みなかみ町で一泊、宴会付きという大好きなパターンです。一週間前には天気悪そうだということが見えていたので、ちかちゃんから「どうする?宿キャンセルする?」という相談LINEが入りましたが、「山に登れなければ他の遊びを考えればいいし、行っちゃおう!」と返しました。

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ところで、なぜ今回のお題は《谷川岳リベンジ!》となっているのでしょう。昨年夏に私は単独で登り、無事にトマノ耳とオキノ耳の両ピークを踏破したはずです(→コチラ)。実は、今年の1月に私を除く縦走部の3人が冬の谷川岳に挑み、悪天候のため途中撤退していたのでした。私も直前までメンバーに入っていたのですが、緊急事態宣言下での山行に妻の猛反対を受けまして…😅

 

ということで、私にとっては初めての雪の谷川岳ですが、縦走部にとっては《リベンジ谷川岳》なのでした。

 

■さあ出発

6時半に浦和駅まで来てもらい、私の車フリードプラスに乗り込んで出発。目指すは谷川岳ロープウェイ駅、ここから170kmの道のりです。所沢から関越自動車道に乗りました🚙💨

 

登山口となるロープウェイの終点・天神平の今朝の天気は曇り、気温5℃、積雪120cmとのこと。早朝から曇りだった天気は群馬県に入る頃には雨となりましたが、まずはロープウェイの駅まで行ってみることにします。しかし、関越を水上インターで降りる頃には雨が本降りになってしまいました。

 

土合駅にて

土合駅に行ってみようか」

今日の山登りをあきらめて、日本一のモグラ駅にして谷川岳登山の鉄道拠点である土合駅に寄ることにしました。アイミ君とまりちゃんはまだあのトンネル階段を知りません。

f:id:arakabu625:20210425150622j:image(雨の土合駅

f:id:arakabu625:20210425150723j:image(階段を見下ろす3人)

白い手が下から出てくるらしいという噂の、去年の夏に一人で来たときは怖くて見れなかった休憩用のベンチに、その噂の言い出しっぺのアイミ君が座りました。

f:id:arakabu625:20210425151547j:image(ドヨ~ン💧)

 

460段以上ある階段を下りていたら、一番下にチラッと小さく人影が見えました。(下に行っても、ちゃんと人が居ますように…)と祈る私。

f:id:arakabu625:20210425152429j:image(下りホーム。人が居ました)

 

半分ほど階段を上った頃に、遠く下の方から電車の音がしてきました。どうやら下りホームに電車が入ってきたようです。(時刻表にこの時間の電車がありますように…)とまた祈る私でした。

f:id:arakabu625:20210425153008j:image(階段を上る3人。電車ありました)

 

■たくみの里へ

長さ338mの階段を地上まで上がってきても雨は降り続いています。今日の登山はとっくに諦めていましたが、まだお昼にもなっていません。それで、今夜の宿がある《たくみの里》という体験型テーマパークでお昼を食べて時間を潰そうということになり、途中で今夜いただく《大吟醸 谷川岳》などを仕入れたりしながら峠道を走りました。

 

後でグーグルで『みなかみ 観光 雨』と検索したら、1位たくみの里、2位土合駅と出てきたので、私たちの判断は間違ってなかったようです。ははは。

 

夜は美味しいビールと大吟醸をいただきながら、トランプとオセロで大盛り上がりのひとときとなりました。明日は今日とうって変わって好天予報でしたが、酔うほどに私とまりちゃん(多分)はもう谷川岳を登る気持ちはすっかり消え失せていました。さてさて、どうなることやらです。おやすみなさい~😪💤💤。

f:id:arakabu625:20210425160455j:image(たくみの里の宿にて)

 

 

《前編はここまで。後編に続きます》

 

2020年の独り言(まとめ)

☁️2020.12.28 🏢

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二ヶ月半のプータロー生活を経て、今月中旬からまた働き始めた。これまで35年働いた業界とは全く異なるフィールドで、一から勉強の毎日を過ごしている。

 

スーツを着るような仕事ではないので最初は少し戸惑ったが、もう慣れた。洗いざらしのオックスフォードシャツとチノパン。セーターの上からマウンテンパーカーを羽織って、リュックを背負う。これが普段の出勤スタイルだ。

 

給料は子供たちの初任給を大きく下回る半ばボランティアのような仕事だが、なんせ毎日が充実している。通勤途中には裾野を広げた富士山も見えるんだぜ。

 

これから始まる俺の人生第二幕、こんな感じで丁度いいかなーと思っている。

 

☀️2020.12.27 🏠️

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しばらく振りの更新となる。書き続けることって難しいなと感じた1ヶ月半だった。こんなゴミのようなブログでなにを偉そうにと思われるかもしれないが。

 

今朝ラジコで安住さんの『日曜天国』を聴いていたら、視聴者のリクエストで竹内まりやの『人生の扉』という曲がかかった。結構知られた曲だと後で知ったが、お恥ずかしながら俺は今朝初めて耳にした。それで「へぇ、いい歌だな」と思って、すぐにYouTubeでフルコーラスを聴いてみた。

 

『20歳になるのは楽しい(fun)、30歳になるのも素晴らしい(great)、40歳は素敵だ(lovely)、だけど私は50歳になるのもいい(nice)って感じている』(英語の歌詞を和訳してます)と、スローテンポなメロディに乗って五十路を越えた竹内まりやが歌う。

 

(惜しいなー、俺はもう還暦目前。60歳はどうだかも歌って欲しかったなー)なんて思いながら二番の歌詞に耳を傾けていたら、

 

『60歳になるのもいい(fine)ものだ、70歳だって悪くない(alright)、80歳でもまだ大丈夫(still good)、だけど私は90歳以上も生きるかもしれない(maybe live)』(実際の歌詞は英語です)

と続いてきて、涙が溢れてきた。

 

『デニムの青が色褪せるほど味わいを増すように、人生の旅路の果てに、輝くなにかが誰にでもあるさ』と、歌ってくれる竹内まりやに、今朝は元気をもらった次第である。

 

☀️2020.11.9 🏠️

自分の勉強不足を棚に上げて、言いたいことがある。最近巷で話題のプラスチックごみを減らそう問題だ。(間違ったことや認識不足のことを言ってたらゴメンナサイ)

 

身近で一番多く直面することとしては、スーパーやコンビニのレジ袋有料化があげられるだろう。母親が買い物かごを提げていた姿をまだ見覚えている我々の世代にとっては、(マイバッグ?そりゃいいことだ。昔はみんなそうだった)と受け入れやすかった。誕生日に生命保険のおばちゃんからもらったスヌーピーマイバッグは俺の愛用品だ。

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しかし、この前はたと気がついた。スーパーやコンビニで買う商品はほぼ100%プラスチック容器に包まれているじゃないかと。コンビニで弁当とお茶を買う。全部プラスチック容器入りだ。ただ、レジ袋だけがなくなった。ペラペラのレジ袋よりも弁当の容器やペットボトルのほうがあきらかに多くのプラスチックを使ってそうなのに、レジ袋だけがプラゴミ問題の主犯のように扱われている。テレビで何度か見た深海に漂うレジ袋の中には、さぞや多くのプラスチックゴミが入っていただろうに。

 

同じように主犯格扱いなのが、ストローだ。これも一時期テレビでよく取り上げられていた。環境問題にいの一番に取り組んでますよとでも言いたげに、スタバのストローが紙製になったが、プラスチックの容器に入ったアイスコーヒーをふやけ始めた紙のストローでズズズっと飲んでいると、(容器も紙にしろよ。世の中にすでにあるだろ)と思ってしまう。中身を取り違えたりのミスを起こさないために透明のプラスチック容器は便利なのだろうが、結局スタバの取り組みもその程度なんだと思ってしまう。

 

レジ袋とストローの構図は似ている。どちらも文句を言わない、物わかりのいい末端消費者にしわ寄せがいっていることだ。基本的に《良いこと》なので、しわ寄せとは言い過ぎかもしれないが、消費者よりも生産者や販売者側の都合が優先されているのは間違いないのではないか。

 

つまり、弁当やお茶やアイスコーヒーの容器は彼等の都合を優先して相変わらずプラスチックが使われ、消費者が対処すればいいレジ袋やストローでお茶を濁す(これも言い過ぎか!)。レジ袋やストローを作っている零細企業は環境問題の名のもとに倒産してもやむなしで、大企業は守る。結局のところ、経済優先ということだ。

 

レジ袋やプラスチックストローを減らすことにはやぶさかではないが、本当に環境のことを考えるなら切り込むべきプラスチック製品は他にごまんとあるだろう、などと今日はちょっとひねくれた考え方をしてみた次第である。自分の勉強不足を棚に上げて😅

 

☀️2020.10.30 🏠️

実はこの前、登山靴を買った。プータローのくせに生意気だと言われそうだが、言われなくても自分でそう思ってるから許してほしい。

 

買ったのはこれ。この格好いいやつ。

f:id:arakabu625:20201030101718j:image(webより)

スカルパの《リベレHD》というモデルだ。税込4万円以上したので、政府には是非とも二度目の特別給付金を支給してもらいたいものである。詳細はまた履き慣らし登山をした後で報告させていただきたいと思っているので、ここでは簡単に。

 

この靴の名前の『リベレ』とは、イタリア語で『反逆者』を意味する言葉だ。(登山靴に『反逆者』はないやろ!なんか別の意味があるに違いない。ヨーロッパアルプスのどこぞの山の名前かな?)と、わざわざ販売代理店のロストアロー社に問い合わせのメールを入れてみたが、『反逆者』で間違いないとのことだった。

 

おいみんな、『反逆者』という名の登山靴だぜ!カッコいいだろ!!

ああ、今から山に行く日が待ちきれない(予定ないけど)。

 

🌙2020.10.28 🏠️

今日ふと思い出したことがあった。

広島で大学生だった頃、俺の数少ない友人の一人N君とアパートの部屋で酒を酌み交わしていたら、そのN君が突然詩を朗読し始めた。ほろ酔い加減の彼が口ずさんだのは、萩原朔太郎の『旅上』という詩だった。

 

ふらんすへ行きたしと思へども、ふらんすはあまりに遠し…」と、そらんじ始めたN君に「なんだ、それ?」と俺は尋ねた。「萩原朔太郎だよ。知らんのかお前は」とN君が言った。

 

かろうじて萩原朔太郎という名前だけは知っていたが、どんな詩を書いているのかなど知るはずもない。俺は自分の無知を恥じながらも、俺の目の前で萩原朔太郎の詩をまるで松田聖子の歌でも歌うようにそらんじるN君にとても新鮮な驚きを覚えた。(大学には高校の時とはまたひと味違う面白い奴らがいるんだなあ)と楽しくなってきたのだった。

 

今から40年近く前のそんなことを突然思い出したのには訳がある。今日の朝日新聞天声人語に、その萩原朔太郎の『旅上』の冒頭の一節が引用されていたからだ。この詩から100年ほど経ったいま、身近になっていたはずの海外旅行がコロナ禍によってまた遠くなってしまったとその記事は言っていた。

それにしてもあいつ、今どこで何やってるんだろうなぁ…

 

『旅上』
ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背広をきて
きままなる旅にいでてみん。
汽車が山道をゆくとき
みづいろの窓によりかかりて
われひとりうれしきことをおもはむ
五月の朝のしののめ
うら若草のもえいづる心まかせに

萩原朔太郎《純情小曲集》より

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🌙2020.10.21 🏠️

高村薫が好きで、もうずいぶん昔に『マークスの山』という本を読んだ。最初ハードカバー版を読み、その後全面改稿したという文庫版が出たのでまた読んだ。調べたら、ハードカバーの初版が1993年で(この作品で同年の直木賞を受賞)、俺の手元にあるのは1999年版だった。ちなみに文庫本は2003年となっている。

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何が言いたいかというと、読んだのは山を始めるずいぶん前だったということだ。二度も読んだのに、この『マークスの山』の『山』が日本第二位の高峰である北岳のことだという認識が全然なかった。忘れていたのではない。多分最初からどこのどんな山なのか気にも留めてなかったような気がする。

 

物語はその北岳で起きたある事件が発端となって、16年後に東京で連続殺人事件が発生するのだが、内容は割愛する。推理小説という枠を遥かに越えた重厚な小説なので、機会があればぜひご一読を。

 

今日、WOWOWの連続ドラマ『マークスの山』(全5話)を見始めたらいきなり雪を被った北岳の映像が出てきたので驚いた。後で本棚の本を引っ張り出して開いてみたら、ハードカバーにも文庫本にも北岳と周辺の地図が付いているではないか。これは山岳小説だったのか?ドラマではしきりに北岳山頂から見る富士山が象徴的に語られるのだが、果たして原作にもそんな場面があったんだろうか?

 

北岳は俺が今までに登った山のなかで一番印象に残っている山だ。初心者に毛の生えた程度の経験しかなかった俺がテント泊の荷物を背負い、少し大袈裟だがその年の夏の冒険と称して一人で北岳に挑んだ。標高3,000mの稜線に張ったテントから見た七色に輝く夜明けの富士山を俺は死ぬまで忘れないだろう。北岳の山頂で長女の就活とアイミ君の手術の無事を祈ったっけなあ。⇒コチラ

f:id:arakabu625:20201021224919j:image(2018年8月、北岳山荘テント場から見た七色の夜明けと富士山)

 

今夜からまた『マークスの山』を読み始めた。本当に冒頭から克明に北岳のことが書かれている。

 

🌙2020.10.12 🏠️

先週末、生まれて初めてハローワークに行ってきた。ハローワーク浦和、正式名称は《浦和公共職業安定所》という。

 

失業手当の申請を済ませたあと、試しにパソコンで求人情報を眺めてみた。5件目くらいの求人でビビッとくるものを見つけたのでプリントアウトし、窓口に持っていって紹介状を作ってもらう。これから先、何度も同じことを繰り返すのだろうか、なんて思いながら。

 

次の日、たまたま帰省していた息子に書き上がった履歴書を見せた。すると、履歴書を一瞥した息子が「今どき手書きの履歴書?」と怪訝そうな顔をするので、「手書きでないと誠意が伝わらんやろ」と言い返すと、「ITリテラシーの低い人だと思われるよ」とさらに言い返された。

 

なるほどなぁと思ったが、なんだか釈然としない父であった。

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☀️2020.10.6 🚃💨

相変わらずロードバイクに乗っている。

 

少しトレーニングモードのときは荒川沿いにある彩湖という人造湖まで足を延ばす(といっても我が家から6kmほど)。この彩湖にはいくつかの周回コースがあるのだが、最近はもっぱら本気コース(俺が勝手に名付けた)の端っこをチョロチョロ走ることが多い。一周5km弱の本気コースを時速30キロ(目標)くらいで5周もするともうヘトヘトだ。

 

本気コースではたとえ時速30キロで走っても誰かを抜くことはほとんどなくて(散歩やランニング、ローラースケートの人は抜けるけど)、大概は「シャーーーッ」というロードノイズとともに後ろからやって来るトレインを組んだ集団に抜かれる。おそらく彼らは時速35キロ巡航ペースくらいで走っているので、俺から見ると隊列がまるでスローモーションのように右横を進んでいく。これが案外面白いのだが、わかってもらえるかなあ。

f:id:arakabu625:20201006181528j:image(本気コースの一部)

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(今度機会があれば、彩湖のことを紹介したいと思います)

 

☀️2020.9.28 🏠️

9月末で会社を辞めることにした。今は有休消化中でもう勤務はない。

 

コロナ禍真っ最中の4月に転職し、入社してすぐに在宅勤務となった。新しい会社、初めての仕事、顔も見たことのない社内外の人たち。パソコンの画面越しでは上手くコミュニケーションが取れず、リモート飲み会では居酒屋ほどに発散もできない。ストレスと運動不足が積み重なったのか、3ヶ月ほどで体調を崩した。

 

コロナ鬱、転職鬱、在宅勤務鬱。正しくはなんだかわからないが、精神的に不安定になり、いつしかパソコンの電源を入れるのも嫌になった。食欲がなくなり、仕事のことを考えると動悸が止まない。(これをきっと鬱状態というのだろう)と自己診断して、自転車を買ったりとかいろいろ気分転換を試みてみたが駄目だった。

 

一度リセットしたい。その思いばかりが募ってきて、8月末に決断した。休職にしてはどうかと会社の役員は言ってくれたが、それではリセットにならないと思い、丁重にお断りした。そして9月になり、退職届けが受理されてからは嘘みたいに体調が回復してきた。本当に現金なものだ。

 

この半年、俺はなんでこんなに弱くなったんだろうと妻にも弱音を吐いた。昔はどんなに仕事が辛くても辞めるという発想はまったくなかったと思う。やはりこの春に子供たちが就職して巣立っていったのが大きかったのかもしれない。扶養家族無し、なんて何十年ぶりのことか。肩の荷が降りたとはまさしくこの事だ。

 

弱くなった自分を敢えて奮い立たすこともしなかったし、自分で自分を責めることもしなかった。このあたりは会社時代に何度もメンタルヘルスの講習を受けた成果だ。まさか、部下ではなく自分自身のために役立つとは思わなかったが。

 

◆◇◆◇◆◇

 

今朝は5時に目が覚めて、布団の上でストレッチをしながら外が明るくなるのを待った。今日が朝からいい天気だということは昨日の天気予報で知っている。カーテンを開けるまでもないだろう。絶好の自転車日和のはずだ。

 

水を一杯飲んで、6時前に自転車を抱えて家を飛び出した。

(うっ、寒い!)

ロードバイクを買ってから初めての秋。漕げば漕ぐほど冷たい風がまだ温まる前の俺の体に吹き付けてくる。

 

それにしても今朝はなんて気持ちのいい秋晴れだろう。見沼田んぼのいつもの場所で休憩していたら、トラクターの遥か向こうに頭を出している富士山を見つけてびっくり。

f:id:arakabu625:20200928110746j:image(富士山見えるかな?)

 

用水路沿いには紅白の彼岸花が咲き乱れていた。俺の新たな門出を祝ってくれていると勝手に思うことにしよう。

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こうしてロードバイクに跨がって早朝の見沼田んぼを巡っていると、体の中から活力が湧き出してくるのを感じる。まだ59歳、老け込む歳じゃない。(この選択は間違っていなかったと思えるようにしよう)と、抜けるような秋の空を見上げながら俺は軽く息を吸い込んだ。

 

☁️2020.9.25 🏠️

いつのまにか隣のアパートの解体工事が始まっていたようで、今朝外に出てみると例の乙女椿の木は見るも無惨な姿になっていた。根こそぎ撤去されると思っていたが、このまま残すのだろうか。それはないかな、更地にするんだから。

f:id:arakabu625:20200925065436j:image(おお、なんという姿に…)

 

実は、一昨日こんなことになってしまう前に、新たな挿し木用として数本の小枝を頂いていた。季節的にこれからやっても発根率は低いと思うが、追加で挿し木にトライする。

f:id:arakabu625:20200925071649j:image(水揚げ中)

 

☂️2020.9.24 🏢

7月にロードバイクを購入してから2か月ちょいが過ぎ、この間の走行距離は1,200キロに達した。

f:id:arakabu625:20200924135257j:image(GIANT TCR ADVANCED 2 KOM)

 

最初は心もとなかったロードバイクの操作もずいぶん慣れてきたと思う。こんなに体を倒して腕を伸ばすの?と少し怖くもあった乗車姿勢にもすっかり慣れて、この前久しぶりにクロスバイクに乗ったらあまりにアップライトだったのでびっくりしたほどだ。ビンディングペダルクロスバイクの時から使っていたので、これまでのところ立ちごけもない。

 

サドルは純正でついていたGIANTのものからセラSMPというイタリア製に付け替えた。ロードバイクのサドルはクッションに乏しい(クッションゼロのものもある!)ため、お尻の痛みに悩む人が多い。それで、いろんなサドルをとっかえひっかえするようになり、散財する。これを業界的に《サドル沼》というのだが、その沼にも落ちずに済んでいる。

f:id:arakabu625:20200924134215j:image(セラSMPのHELL。クッション多め)

 

特徴的なあの体にぴっちりしたウェアも着ることが多くなった(デザインは地味にしている)。パンツはレーパンと呼ばれるお尻部分にパッドがついたものでないとロードバイクにまたがる気が起きないくらいだ。クロスバイクに乗っていた頃は、(あんなにお尻がもっこりして、体にぴっちりして、レーパンなんか恥ずかしくてはけるか!)と思っていたのに変われば変わるものである。

f:id:arakabu625:20200924135040j:image(ぴっちぴち♪)

 

山登りもそうだが、スポーツにはそれぞれに適したウェアや道具が用意されており、そのすべてにそれなりの理由がある。それを知り、取捨選択しながら取り入れていく過程はとても面白いものだ。ただし、お金がかかるので、少しでも安くあげるためにネットで購入することが多くなった。昨日届いた秋冬用のサイクルジャージは襟周りや袖周りが薄汚れていたので返品することにしたが、こういった面倒なこともとーきどき起きるのが通販のネックだろう。

 

☀️2020.9.22 🏠️

我が家の前で、タンポポの綿毛がフワフワ飛んでいるのを見かけた。昨日と今日、二日続けて。

 

綿毛は目の高さあたりで空中を漂いながら、地面に落ちそうでなかなか落ちずに隣家のほうへ飛んでいった。来年の春にはどこかの路地で黄色い花を咲かせるのかな、しかしよくできた繁殖の仕組みだなあ、なんて思ったのが昨日のこと。

 

今日の午後も家の前で漂う綿毛を見かけて、そういえば今の季節にタンポポの綿毛?とやっと気がついた。タンポポって春に見かけるよなあ、と。

 

(どこから飛んできたの?)と周囲を見回したら、向かいの電柱の下に繁っている雑草のなかにいくつもの綿毛を見つけた。(あ、これだ)近づいてよく見たら、タンポポらしき花が萎れている横で綿毛が今にも飛んでいきそうに揺れている。ただ、明らかにタンポポと違うのは、その背の高さだ。地面から50センチくらい茎が伸びている。

f:id:arakabu625:20200922173522j:image

f:id:arakabu625:20200922173542j:image(飛んでいきそうな綿毛)

 

タンポポみたいな背の高い花》でググったらその正体はすぐに判明。名前はブタナ(豚菜)というらしい。少々かわいそうな名前だった。別名は『タンポポモドキ』といい、外来種のようだ。『菜』と付けられているように、ヨーロッパのほうでは食用にもされるという。

 

よく目にする、名前を知らない雑草がいっぱいある。くそ暑い真夏のギラギラする太陽の下では、そんな雑草に興味を持つことは絶対ないが、今日は足元の雑草ですら気にかかるほどにさわやかで気持ちのいい秋晴れの午後だった。ちなみに、『爽やか(さわやか)』とは秋の季語だそうだ。

 

☁️2020.9.14 🏠️

コロナによって登山の自粛を余儀なくされていた我々縦走部も、先月くらいから少しずつ活動を再開し始めた。8月は俺が谷川岳を登り、ちかとまりは北八ヶ岳に山小屋泊まりで出かけている。9月に入り、アイミ君(俺は最近『あいみょん』と呼んでいる)は、リハビリと称して高尾山や丹沢の山々を巡っているようだ。

f:id:arakabu625:20200914215927j:image北八ヶ岳のちかとまり。いい写真だ)

 

そして、いよいよ来週末には全員揃って栃木から福島にまたがる那須連山(主峰:茶臼岳)へ向かうことが決まった。しかも、温泉旅館での一泊宴会付きときた。ここはひとつ、ウィズコロナの時代における新しい登山様式というものを縦走部として試みるつもりである(嘘です)。

 

☁️2020.9.13 🏠️

今朝の起き抜けのスマホにビッグニュースが飛び込んできた。大坂なおみがテニスの全米オープンで2度目の優勝を飾ったというニュースだ。

 

彼女が黒人への人種差別問題に対して積極的に発言を行っていることは、先日の本欄でも取り上げた通りだが、今回の全米オープンでも過去に痛ましい死を遂げた黒人の名前をプリントした黒いマスクを毎試合着けて話題になっていた。結局、彼女は決勝までの全7試合に7枚の抗議の意を込めた黒いマスクを着けたことになる。

f:id:arakabu625:20200913165847j:image

 

優勝後にインタビュアーが、「7つのマスクで伝えたかったメッセージはなんですか?」とたずねた。優勝セレモニーでのインタビューだから、世界中にテレビ中継されているその場でだ。俺は(酷なことを聞くなあ、どうしても喋らせたいんだなあ)なんて思いながら、彼女がなんと答えるのかを少しハラハラしながら待った。すると、彼女は一瞬の間を置いたあとに、「あなたはどんなメッセージを受け取ったのですか?」と逆質問してみせたのだ

 

質問に対して逆質問で返すのは一般的にはあまり誉められたことではないと思うが、このときばかりは胸がすくような気持ちがした。大坂なおみはその時とても落ち着いていて、わずかに微笑みさえ浮かべながらインタビュアーにそう返したのだ。俺はその瞬間ドキリとしてしまった。

 

☂️2020.9.12 🏠️

ロードバイクのお話。🚴💨

 

今週は出社した月曜を除いて、今日まで5日間連続で走った。夕食後に1時間ほどなので、距離は毎回20kmちょいといったところ。以前、同じような頻度でランニングをしていた頃は膝や腰を痛めることが多かったが、自転車だと体の故障も少なくて嬉しい。年齢に見合った運動負荷なんだろう。半年に及ぶ在宅勤務で悪化していた持病の腰痛が少し改善してきたのは、予想外のご褒美だった。

 

見沼田んぼの農道や外周の道路をぐるぐる走り、たまに大宮駅前や新都心のスーパーアリーナを巡って自宅に戻る。平坦な道でもグッと踏み込めば時速は30キロを超え、もがけばほんの一瞬40キロに到達するようになったが、初心者の最初の壁といわれる《巡航速度30キロ》の脚力にはまだまだほど遠い。

 

今日は一日中雨だろうと思っていたが、目が覚めたら夜中にうるさかった雨音がしない。あれっ?と窓を開けてみると、路面も乾いている。スマホで雨雲レーダーをチェックしたら、まだこの先1時間くらいは雨雲もかからないみたいだったので、水道水をコップ一杯飲み干してから自転車を抱えて外に飛び出した。

 

早朝の見沼田んぼを駆け抜け、スーパーアリーナの横をすり抜けて自宅に戻ってきたら、ようやくポツリポツリと雨が落ちてきた。

f:id:arakabu625:20200912104615j:image(下が今朝6時過ぎの見沼田んぼと曇り空。上は同じ場所からの夜景)

 

🌙2020.9.6 🏠️

時々思い出しては、(良かったな~)と心の底から思うことがある。それは、煙草を止めたことだ。

 

高校を卒業し予備校に通い出すとすぐに煙草を吸い始めた。半世紀前は学校で煙草の害悪を教えられることもなかったし、酒と煙草は大人の男の当たり前の嗜み(たしなみ)だと信じて疑わなかった。会社に入ったら、初日に配属先の事務員の女性から自分の名前のゴム印と真新しい朱肉台と灰皿を渡されたことを今も覚えている。

 

その後、煙草の害毒の事を知識として知るようになり、何度も禁煙にチャレンジしたが駄目だった。結婚して子供ができてからは禁煙に失敗すると(親としての自覚が足らん)と必要以上に落ち込んだりして。

 

やっと止めることができたのは39歳の時だった。それ以来19年間一本も吸ってない。禁煙に成功した理由は『禁煙日記』なるものを綴ったからじゃなかろうかと思っている。『禁煙を始めてから今日で3日め…、今日で1週間…』と、難破船の乗組員が救助を待ちながら書いたような日記だが、これを書き続けたことで、なんだか知らないが頑張れたような気がするのだ。

f:id:arakabu625:20200906204840j:image禁煙日記1日めの冒頭部)

 

この『禁煙日記』は当時はまっていた釣りのホームページの特設コーナーとして公開し、それなりに禁煙中の人達の力になっていたらしい。その日記をこの前10年振りくらいで読んでみたら、驚いたことに少し煙草が吸いたくなってきた。大麻よりも習慣性が強いと言われるニコチンの記憶はまだ俺の萎縮した脳の片隅に残っていたということだ。恐ろしいことだとあらためて感じた。

 

☀️2020.9.3 🏠️

f:id:arakabu625:20200903140314j:image

安倍首相の後任として最有力候補の菅官房長官は71歳だという。また、自民党内でその流れを作ったと言われる影の実力者・二階幹事長は81歳の高齢だ。

 

50歳を過ぎた頃に市内のメディカルセンターで脳ドックを受けたことがある。「最近物を取り落としたりすることが多いんだよねー」と妻に言ったら、えらい心配されて急きょ受けることになった。心配したのは《かくれ脳梗塞》的なやつだ。

 

検査の結果、問題はなかったが、担当医から「このあたりに脳の萎縮が認められますねー」なんて感じの説明があって驚いた。「えっ、それって…大丈夫なんですか?」と聞くと、「年齢的には皆さんこんなもんです。加齢と共に脳は縮んでいくんです」ということだった。

 

脳の萎縮がその人の行動力や判断力、新しいことへの適応力や柔軟な思考力・発想力などにどれだけ影響があるのかないのか全然わからないが、次の日本のリーダー候補たちの年齢を知れば知るほど、心配と諦めの感情が入り交じるのだった。(だって、お爺ちゃんじゃん!)

 

☁️2020.9.2 🚃💨

夏休みに行った谷川岳登山の起点の一つ、JR上越線土合駅について補足情報を二つほど書かせていただく。

 

一つ目はこれ。

地上へと続く462段の階段脇にあった岩だらけのスペースだ。
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染み出てくる地下水を逃がす水路かなと思っていたが、大外れだった。なんとこのスペースはエスカレーターを設置するためのものだそうだ。もちろん、今はそのような計画は跡形もなく消え去っている。

 

二つ目は写真はない。

あまりに長いこの階段の途中には休憩のためのベンチがあると聞いていたので、どんなもんかと思っていた。しかし、直前にアイミ君から「ベンチに座ってると下から白い手が出てくるらしいよ」という全く不要な情報が寄せられたため、ベンチを視野に入れることすら恐くて通り過ぎた。

 

以上の二つである😁

 

🌙2020.9.1 🏠️

9月になった。

ずいぶん昔(高校くらいだと思う)に『九月の空』という小説を読んだことを思い出した。高橋三千綱芥川賞受賞作品ではなかったかな?当時剣道をやっていたので、その小説の主人公も剣道をやっていて興味深かったことを覚えている。内容はまったく覚えてない。

 

今夜のように、夏の間のイラつくような暑さが過ぎると、少しばかり物思いに更ける時間ができたりする。9月は物思いの月だ。そんなときにも、俺は相変わらずウィスキーを飲んでいる。今夜また一本空いてしまった。

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写真は左がデュワーズ12年(モルト&グレーン)で、右がバルヴェニー12年(シングルモルト)だ。どちらもスコッチで、どちらも旨かった。ちなみに、今夜空いたのは左のデュワーズ

 

物思いの9月の夜に合うのは、なんといってもウィスキーだろ、と思ったわけである。

 

☀️2020.8.30 🏠️

f:id:arakabu625:20200830171832j:imageNHKニュースより)

Black Lives Matter 通称「BLM」というスローガンと様々な活動はご存知だと思う。日本語に訳すと微妙なニュアンスの違いから誤解が生じかねないが、あえて日本語にすると『黒人の命も大切だ』となる。

 

今年の5~6月頃にアメリカで大きなデモや暴動にまで広がったことはまだ記憶に新しいが、つい最近また警官による黒人への発砲事件かあり(7発も撃ち込む必要があったのか?)、衝撃的な映像を目にした人も多いだろう。

 

この事件を受けて、「私はテニスプレイヤーである前に黒人だ」と大坂なおみが声を上げ、テニスのトーナメント出場をボイコットした(注:その後出場)。このニュースを取り上げて、テレビのコメンテーターが「これは勇気ある行動だ」と称賛していた。

 

テニスプレイヤーはテニスで我々を楽しませてくれればそれでいいんだという風潮のなかで、これは勇気ある発言だ、とそのコメンテーターは言うのである。俺は、(それほどのもんか?最近こんな感じで声を上げる有名人は多いじゃん)と思いながらそのテレビを観ていたが、はたと思い当たることがあった。

 

それは自分のことだ。俺も言うなればプロのサラリーマン。もう35年のキャリアを積んできた。そして、俺がいたビジネスの世界でも『政治と宗教の話はタブー』という事が昔から言われてきた。それは今も変わらないだろう。日本のサラリーマンである俺には、そのタブーを破る勇気はない。(それに比べて彼ら彼女らは…)ということに思い至ったのだ。

 

一介のサラリーマンとプロスポーツ選手を同列に扱うことはかなり無理があるが、それでも今回の大坂なおみの発言はやっぱり勇気ある発言だったのだ。寝転がってテレビを観ながら、(それほどのもんか?)なんて思った自分を恥じたこの週末だった。

 

☀️2020.8.26 🏠️

在宅勤務を終えると、ビールはグッと我慢して晩ごはんをいただく。在宅勤務部屋に戻ってレーパンに履き替え、そっとロードバイクを外に持ち出す。そして、ビンディングペダルをガチッとはめ込んで、夜の街へと漕ぎ出していく。

 

これが、ここ最近の俺の夜のルーチンだ。県道65号線、通称《浦高通り》を岩槻方面へ2kmほども走れば、そこには見沼田んぼが広がっている。この見沼田んぼの真っ暗な農道が俺のサイクリングロードだ。

 

田んぼの中に延びる直線をなん往復もして、疲れたらライトを消してお気に入りの夜景を眺める。真っ暗でだだっ広い田んぼの向こうにさいたま新都心と大宮の明かりが見える。今夜は上弦の月もいいアクセントになっていた。

f:id:arakabu625:20200826214445j:image(真ん中あたりでスーパーアリーナが青く光っている)

 

☀️2020.8.21 🚃💨

(まだロードバイク購入の話が続いてます)

 

7月のとある日曜日の午後。さいたま新都心の雑踏のなかで、俺は自転車屋から引き取ったばかりのロードバイクに跨がった。車が通り過ぎたのを見計らってエイヤッとペダルを踏むと、驚くほどの軽さでスーッと前に進む。「!」次の瞬間ブラケットを握っていたハンドルがグラグラと左右に振れた。

 

「おっとっと」

これまでに経験したことのない感覚に一瞬バランスを崩しかけたが、すぐに持ち直す。(これがロードバイクか!)と胸が高鳴る。少し緊張しながらも、家に帰りつく頃にはずいぶん運転にも慣れてきた。

 

家の前で自転車をヒョイと持ち上げる。重量はカタログ値7.9kg(ペダル含まず)と驚くほど軽い。そのまま俺の在宅勤務部屋に持ち込み、後輪をメンテナンススタンドで浮かして設置した。前後のタイヤを濡れぞうきんできれいに拭いて、あらためてその姿を眺めてみる。

(う、美しい…)ついに我が家にロードバイクがやってきたのだ!

f:id:arakabu625:20200821185608j:image

 

その日の夜、ワインレッドのTCR(この自転車のモデル名。GIANTのラインナップの中ではレース向けのモデルとなる)を眺めながらウィスキーをチビチビ舐めていたら、妻が2階から降りてきた。意を決した俺はドアを開けて「ちょっとこっちきて」と妻を呼び、「ほら!」と部屋の隅に置いてある自転車を見せた。妻は「なにこれ~~」と驚きあきれたような声を出したが、すぐに(文句言ってもしょうがないや)というような顔をしたので、俺的には受け入れてもらえたと判断。無事に一件落着の夜となった。

f:id:arakabu625:20200821190145j:image(こんな感じでドアの横にひっそりと)

 

こうして俺も遅まきながらローディー(ロードバイク乗りの輩のことを業界的にはローディーと呼ぶ)の一員になった。この日からすでに1ヶ月が過ぎ、今の累積走行距離は650kmほどだ。7月の間は雨ばかりで走れなかったことを考えると、まずまずのペースだろう。その間には榛名山ヒルクライムレースの開催コース試走なんて無茶なこともやったが、そんなことなどもまた機会があれば紹介させていただきたい。

ロードバイク、なかなか面白いですぞ😁

 

☀️2020.8.20 🏠️

ロードバイク購入の話の続きの続き)

 

これまでの人生で、自転車を室内に保管しなきゃなんてことは一度たりとも考えたことがなかった。普通の人はそうだろうと思う。つまり、俺もいよいよ普通の人ではなくなってきたということだが、今回のロードバイクばかりは外に置きっぱなしというわけにはいかないと思った。高いし。

 

我が家の外の駐車スペースは一応雨は防げるようになっているが、強い雨が降れば自転車はずぶ濡れだし砂ぼこりもひどい。オイルをさしている部分に汚れが溜まり、すぐに劣化するだろう。シャッター付きのガレージがある家がホントに羨ましい。

 

幸い我が家は、玄関を入ってすぐの部屋が今は物置き兼、山・キャンプ道具置き場兼、俺の在宅勤務部屋になっている。この部屋に自転車を違和感なく置けるスペースを作ってやろうと決めた。

 

思いきった断捨離を行い、山・キャンプ道具が天井までぎっしり積まれている棚を移動して、自転車の前輪の半分くらいがスッポリ入ってしまう隙間を作った。この隙間に頭を突っ込めば、部屋に自転車が置かれている違和感を少しは軽減できるのではなかろうか。

 

そんなこんなで、妻に気付かれることなく無事に部屋のレイアウト変更も完了し、納車の日を迎えたのであった。

(まだ続く)

 

☀️2020.8.19 🏠️

ロードバイク購入の話の続き)

 

「納車まで10日ほどかかります」と自転車屋の店長に言われ、「へぇ、時間かかるんですね」と目を丸くしたら、「これ全部納車調整待ちの自転車なんですよ」と店長が申し訳なさそうな顔をして店内の一角を指し示した。

 

そこには『売約済』の札が付けられた新しい自転車が10数台並んでいる。後で知ったが、自転車は一人で出来る手軽なスポーツということで、コロナ禍のなか業界的に売上が倍増しているらしい。みんな考えることは同じなんだな。俺が購入したロードバイクも売約済の札がつけられて、その最後尾に並んだ。

f:id:arakabu625:20200819175210j:image(一番手前の赤いやつ)

 

その日の夜、妻には「ギター止めて、新しい自転車を買うことにした。ドロップハンドルのやつ」とだけ伝えた。実は以前から「特別給付金が入ったら40年振りにギター買うぞ!」と宣言していて、コロナ休業明けの楽器店で品定めなんぞをやっていたのだった。妻はたいして興味なさそうに「ふーん」と返事をして、またすぐテレビに目を戻した。「いくらするの?」と聞かれなかったので、ホッとした。

 

残る懸案はあとひとつ。俺的には最大のハードルだと感じている。それは、自転車の室内保管をどうやって認めてもらうか、であった。

(続く)

 

☀️2020.8.18 🏠️

コロナ禍で今も在宅勤務が続いている。出勤は月に4日ほどで、取引先への外出は一度もない。転職先の新しい仕事はリモートだとなかなか覚えられず、会社に馴染むこともできないまま4ヶ月が過ぎた。

 

ストレスはじわじわと俺の心と体を蝕む。これからも仕事続けられるかなー、なんて弱気になってきた6月頃からふと思いついて朝晩自転車に乗り始めた。

 

片面がビンディング対応になっているペダルにシューズをガチッとはめ込んで、グッと踏み込む。28Cという規格の細いタイヤに通常の自転車の倍以上の空気圧で空気を入れると、カチンカチンになったタイヤは驚くほど軽い力で転がるように前へ進む。少し踏み込めばすぐに時速20kmを超え、次第に風の音しか聞こえなくなる。

f:id:arakabu625:20200818132823j:image見沼田んぼ越しにさいたま新都心を臨む)

 

そんな風に過ごしていた6月に誕生日を迎え、59歳になった。(ああ、還暦まであと一年だよ)なんて多少感慨深げになっていた時に、フラリと入ったさいたま新都心自転車屋で出会ってしまったのが、こいつだった。

f:id:arakabu625:20200818115325j:image(GIANT TCR ADVANCED 2 KOM 2020年モデル)

 

憧れのフルカーボン・ロードバイク。キラキラ輝くワインレッドのフレームのなんとシンプルで美しいことか。ただ速く走るためだけに生まれてきた自転車、それがロードバイクだ。

 

59歳の誕生日だし、特別給付金も入ったし、山も行けないし、かなり鬱だし、子供たちもみんな独立したし、人間死んだら終わりだし、一度はロードバイク乗ってみたいし!と、あらん限りの都合のいい理由を総動員して、次の日に自転車屋を再訪。出会ってから一日も経たずに購入してしまったのでした。まさに一目惚れ!

 

☀️2020.8.15 🚃💨

夏休みもあとわずかになり、なんかもう一つくらい思い出を作ろうと、一人日帰りで谷川岳に行ってきた。言わすと知れた百名山である。今はその帰りの電車のなかでこれを書いている。

 

谷川岳の顛末については近く別項を立てて報告させていただくとして、ここでは前回に続いて自転車の話をしたい。

 

15年ほど前に当時の上司に感化されて、ドイツのフェルトというメーカーの自転車を買った。クロスバイクというタイプのスポーツ自転車だ。確か10万円くらいだったが、妻にそのまま言ったら卒倒されそうだったので、「3万円ちょい」と嘘をついた。支払いもヘソクリから7万円を出して、我が家の公式支出口座から残りを支払った。

 

それでも「うちの人が3万円もする自転車を買った!」と妻の親戚中に知れ渡ることになり、その年の帰省の時に妻のお姉さんから「タカヒロさん、なんか高い自転車買ったんですってね」と嫌みを言われ、(本当の値段は死んでも言えんな、これは)と肝を冷やした。まあ、安月給のうえに二人の子育て真っ最中の当時としては致し方ないことだわねー。

f:id:arakabu625:20200818132706j:image

 

自転車の話、もうちょい続きます😅

 

☀️2020.8.14 🏠️

久しぶりの更新。

 

誰も俺のブログなんかに興味ないだろうから更新サボってもどうということないや、と思っていたが、もしかしたら「まだ更新ないのかしら?」なんて感じで時々ここを訪れてくれていた人がいたかもしれない。そんな人たちには一言お詫びしたい。

「あなたの貴重なワンクリックを何度か無駄にさせてしまって、ごめんなさい」

 

コロナ禍のなかでの転職、何ヵ月も続く在宅勤務、山をはじめとした外出・遠出の自粛、等々で体の調子を崩した。仕事関連のストレスでずっと胃が痛い。外に出歩かなくなって、持病の腰痛が悪化。日常生活にも支障が出るようになって、一時期手術も考えたほどだった。

 

とにかく体を動かそうとランニングを再開したが、もうすぐ59歳という体には負荷が大きすぎたようで、すぐに膝と腰を痛めた。

 

次に、15年以上前に買ったクロスバイクを整備して乗り始めたら、これがすこぶる調子がいい。平均時速20kmほどで20~30km走っても、5kmのランニングより体が受けるダメージは少ない気がした。ちょうどいい運動負荷でいい汗がかける。さらに、風を切って走る爽快感で精神的なストレスも吹き飛ぶようだった。

f:id:arakabu625:20200815080025j:image(愛車FELT SR91)

 

(自転車、エエんでねえかい?)

ということで、転職鬱、在宅鬱、コロナ鬱、運動不足鬱、山ロス鬱などで4ヶ月近くブログ更新をサボっていたが、自転車のお陰で少し元気になってきた。ブログも再開するので、またお付き合いのほどよろしくお願いいたします!

 

🌙2020.4.25 🏠

半年ほど前からウィスキーを嗜むようになった。最近はほぼ毎晩、寝る前にストレートでちびちびやっている。このブログは通勤電車の中か自宅で書くことが多いが、自宅の時は大概ウィスキーを舐めながらである。

 

これまで水割りやハイボールにして飲むことはあったが、特に好きだったわけじゃない。女性の居る店にいくと自動的に水割りが出てくるから飲んでただけだし、ハイボールは居酒屋で生ビールに飽きたときの代替品だった。それが最近突然目覚めたのだ。

 

今はとにかくいろんな銘柄を試して楽しんでいる。「俺はこれだ!」というやつをゆっくり見つけたいと思っているところだ。最初はスコッチウィスキーを渡り歩き、最近は二本続けてアイリッシュウィスキーをいただいた。

 

写真はそのアイリッシュウィスキー、ジェイムソン《JAMESON》(空てす)とブッシュミルズ《BUSHMILLS》(今飲んでます)。どちらも2,000円しない、そのメーカーの品揃えの中でも一番安いブレンドものだが、それでもそれぞれに驚くほどの個性があって美味しい。

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これまでで一番印象に残っているのは、ザ・マッカラン《The MACALLAN》のシングルモルト12年。スコッチだ。最初に口に含んだときの衝撃は言葉では言い表せないものだった。

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ウィスキーの放浪の旅はまだ始まったばかり。いろんな所に寄り道して、いろんな出会いを楽しもうと思っている。

 

☀️2020.4.19 🏠

あれから3日。外に出てみると、ど根性ノースポールはまだ元気に咲いていた。昨日は凄い大雨降ったけど、大丈夫だったんだね。

f:id:arakabu625:20200419110808j:image

 

よく見たらつぼみが二つもついている。お前はいったい誰のために咲いてるの?こんな道路の端っこで。

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☀️2020.4.16 🏠

テレワークの合間にちょっと外出し、帰って来て家に入ろうとしたら、道路脇に何かがあることに気がついた。今日のことだ。

f:id:arakabu625:20200416130346j:image(ん?)

 

あれっ?これはもしかして、と思ってしゃがんでよくよく見たら、小さなノースポールがアスファルトの継ぎ目から顔を出して花を咲かせていた。

f:id:arakabu625:20200416130506j:image(んー?)

f:id:arakabu625:20200416172544j:image(あれ~😃)

 

もう何年も前にノースポールの種を蒔いて育てたことがある。すると、翌年以降も毎年プランターや花壇のそこかしこに勝手に芽を出すようになっていた。特徴的な葉っぱの形をしているので、雑草取りの時もこれだけは残すようにしていると、春になって可愛い花を咲かせてくれるのだ。

 

しかし、まさかこんなところからとは驚いた。小さな幸せはこんな感じで不意にやって来る😊

 

☁️2020.4.14 🏠

テレワークをなめていた。

 

携帯電話とメールの時代はとっくに終わり、今やweb会議にチャットと息つく暇もない。オフラインの時は新分野の勉強で一人だけ休むこともままならず、朝から晩まできっちり働かされました。いや、働きました!

 

☂️2020.4.13 🏠

今日無事に初出勤したが、明日から当面在宅勤務になった。

 

🌙2020.4.12 🏠

突然だが、今日でプータロー生活に別れを告げ、明日から社会復帰することになった。

 

12日間伸ばし放題だった髭を剃り、靴箱から革靴を取り出して軽く磨きをかける。復帰する日に身に付けようと思っていたスーツ、ネクタイ、ワイシャツ、靴下を準備した。

 

勤務場所は天王洲アイル。明日は一旦出社をするが、すぐに在宅勤務になるかもしれない。日本中が新型コロナウィルスで騒然としている真っ最中に、俺のサラリーマン生活第二章が幕を開けるわけだ。何がやれて、何がやれないのか、もう一度自分を試してみようと思う。

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(無職最終日)

 

☁️2020.4.11 🏠

会社を辞めて2回目の週末を迎えた。無職になると土日が落ち着く。家でボーッとしてるのは俺だけじゃないと安心できるから。

 

これまでのところ、平日に家に居て一番印象深いのはテレビのワイドショーのつまらなさだ。チャンネルを変えても変えても同じようなワイドショー。ワイドショーが終わったら、司会者か変わってまたワイドショー。朝から夕方までワイドショー。

 

時節柄しょうがないのかもしれないが、どのワイドショーもコロナについて手を変え品を変え喋り続けている。2日目で吐きそうになって、テレビを消した。それ以来、平日の昼間はテレビをつけなかった。

 

次に印象深かったのは、割りと一日の時間の経つのが早かったことだ。これは意外だった。朝と昼の自分用の食事を作り食べ、夕食用に1~2品の料理を作り、流しの洗い物を片付けたりしていたら、あっという間に妻を迎えに行く時間になってたりする。これにもしも掃除や洗濯が加わっていたらと思うと、専業主婦も結構大変だなあ。

 

時間の経つのが早かった理由はもうひとつある。コロナ騒ぎのせいでどこにも行けなくなったので、楽天とアマゾンでマーケティングに関する本やビジネス書の類いを沢山買い込み、ラインマーカー片手に朝から晩まで受験生のように読みまくった。

 

(まだまだ俺は終わりじゃない。もう一度ビジネスの現場に戻るぞ)と、そればかりを考えている。

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(無職11日目)

 

☀️2020.4.10 🏠

我が家の花壇に植えていたチューリップ🌷が盛りを迎えている。去年の11月頃に、来春を楽しみにしながら30個ほどの球根を植えていた。その春になったのだ。

f:id:arakabu625:20200410114140j:image(今朝の様子)

 

今年の春ではないが、同じようにチューリップが満開だったこの花壇を背景に、知らない女子高生が自撮りしていたという話を妻から聞いてものすごく嬉しかったことがあった。

 

花は見る人だけでなく、育て咲かせる人をも幸せにするんだな。特に春は。

(無職10日目)

 

☀️2020.4.8 🏠

無職になってからのルーティンワークとなった朝夕の妻の送り迎え。今朝も車で職場まで送り届け(なんだかヒモみたい😅)、時計を見たら8時過ぎだった。

 

ふと、(開店直後のスーパーにはもうマスクが並んでいるのだろうか?)と思いたち、毎週末に行く大型スーパーへハンドルを切る。店舗への出入口近くに車を停めたのが8時20分。そのまま入り口に並んだが(開店時間は8時半)、俺の前には7人いた。平日のスーパーの開店に並ぶなんて、無職してるなあ。

 

結局、マスクどころかトイレットペーパーもハンドウォッシュもない、いつもの状態でガックリ。折角なので30%引きのサーロインステーキ用の肉を買って帰った。朝からステーキを焼き、食後は台所をきれいにして証拠隠滅を図る。

 

朝っぱらから何をやってるんだろう、俺。

(無職8日目)

 

☁️2020.4.5 🏠

退職して5日が経ち、運動不足が気になり始めた。それで、昨日寝る前にランニングウェアを枕元に用意してみた。ゆるい決意なので、朝起きて「やっぱりヤーメタ」となっても、それはそれでいいやと思いながら眠った。

 

で、今朝である。走ろう!という気持ちはまだかろうじて持続していた。枕元のウェアを抱え、横で眠っている妻を起こさないようにそっと寝室を出た。

 

山登りに出会うまでの直近、俺はゴルフとマラソンに夢中になっていた。マラソンは10kmからハーフを中心に年間5レース以上に出場。体脂肪率は7%ほどだった(我が家のヘルスメーター調べ)。たいして速くはないのだが、大会に向けてコツコツ練習を重ねることが好きだったし、マラソン大会という非日常の緊張感を味わうことも好きだった。

 

愛用していたランニングシューズを何年かぶりに履いて、以前毎日のように走っていたコースをたどってみる。食品スーパーがパーキングになっていて驚いた。古い家が取り壊されて更地になっているところが何ヵ所かあった。遊歩道沿いの桜は散りかけていて、ハナミズキのつぼみが大きく膨らんでいた。

 

5kmのコースを走り終え、家の前で深呼吸をしながら(ああ、今日もまたひとつ健康になったぞ)と以前いつも思っていたことを思った。

 

会社を辞めて、健康維持のために家の近所を走り始めるオッサン。典型的なパターンにはまりつつある俺である。

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(無職5日目)

 

🌙2020.4.4 🏠

昨日の午後、一人で最寄りのイオンに行った。目的は散髪だったが、その前にカメラのキタムラに寄って写真立てを買った。

 

先日、春らしい写真を玄関に飾りたいと思い、パソコンの中の画像データを探っていたらいいのを見つけた。それは、高校の入学式の日の朝に近所で撮った、満開の桜の前に立つセーラー服姿の長女の写真だ。8年前の彼女が写真の中で笑っている。

 

ピンクのフォトフレームに入れたらきっともっと映えるぞと思っていて、ちょうどいい感じのやつを見つけたのだ。

 

新型ウィルスのせいで人もまばらな平日のイオンを一人でぶらついていたら、(あ、俺会社辞めたんだ)と急に無職を実感した。これまで、俺にとってイオンのようなショッピングモールは、休日に妻と二人で来るところだったからだろう。なるほどね、これが無職というやつか。。。

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(無職4日目)

 

☀️2020.4.3 🏠

息子がとうとう家を出た。

新社会人として、初日はライブ配信された社長の訓示をリビングで寝っ転がって聞いていた。昨日は朝から夕方までオンラインの研修を自室で受けていたようだ。そして3日目の今日、配属された茨城の事業所の寮に集合となった。

 

北浦和駅まで送るために息子のスーツケースを持ったらとんでもない重さだったので、茨城行きの高速バスが出る東京駅まで送ってやることにした。

 

社会へ巣立つ息子に伝えたいことはいっぱいあったが、二人きりだと照れくさくて、車中ではなかなか話せない。東京駅に着いてロータリーに車を寄せながら、それでもこれだけは話しておこうと思っていたいくつかのことをやっと言うことができた。

 

「有難う、行ってきます」

車を降りた息子が言った。

「おう!」

もっと声をかけてやりたかったが、涙で鼻がつまって声にならなかった。

 

車を発進させる。あいつは俺の車を見送っているだろうか、それともすぐに踵を返して歩き出しただろうか。息子よ、知らないだろうが、お前の名前は鳥が翼を大きく広げて空に羽ばたく様を表しているんだよ。

 

車が大手町の交差点に差し掛かった頃、今日が旅立ちの朝にふさわしい青空だったことを俺はとても幸せに感じていた。

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(今日の我が家の空。無職3日目)

 

☂️2020.4.1 🏠

いつものように5時過ぎに目が覚めた。あぁそうだったともう一度目を閉じたが、なんだか色んなことが頭に浮かんできて眠れなくなった。

 

今日から配置転換で新しい職場に変わった妻を車で送り届けて、帰りにコンビニで大好きなフルーツサンドイッチを買って帰った。

 

家では、これまた今日から新社会人の息子が眠そうな目をこすりながら起きてきたので、泣く泣くフルーツサンドを半分やった。新コロナ騒ぎのために初日から自宅待機となり、入社式は自宅でライブ配信されるらしい。後で俺も一緒に視聴してみるか。

 

妻は新しい職場、息子は新社会人とそれぞれに新しいスタートをきった。娘も社会人2年目となる。これまで俺が抱えていた3人の扶養家族は、これで全員が俺の扶養を外れることになったのだ。逆に今日から俺は無職。面白い、面白いなあ。なんて面白いんだ、人生ってやつは。

 

息子がシャワーでも浴びようかなと言うので、「じゃあ、お父さんはワイシャツにアイロンでもかけるか」と腰を上げかけたが、あぁそうだったと、またソファーに深く座り直した。

(無職1日目)

 

🌙2020.3.31 🚃💨(帰り)

会社での最後のお勤めを無事に終えて、帰途についた。温かい言葉を沢山かけてもらって嬉しかった。

 

就職で初めて東京に出てきたあの日から、丸34年が経ったことになる。俺が二十歳の時に亡くなった親父がよく言っていた言葉を思い出した。

「人生なんて、あっという間ぞ」

 

お父さん、本当にお父さんの言う通りやったよ。あっという間の34年間やった。そして、俺はあっという間に58歳になったばい。もうお父さんより5歳も歳上やが。

(退職日)

 

☁️2020.3.31 🚃💨(行き)

いよいよ退職日当日の朝を迎えた。片道2時間の通勤電車も乗り納めだ。

 

もう何年も前に今の会社への遠距離通勤が決まった時、昔の部下の連中から「通勤電車のなかでたっぷり勉強できるでしょ」とTOEICの参考書をプレゼントされたが、結局一度も開かなかった。

 

今改めて通勤電車の車内を見回すと、相変わらずサラリーマンの群れが押しあいへしあいだ。手元には器用に折り畳まれた日経新聞の代わりにスマホがあり、抱えている鞄はリュックになったが、あとはなんにも変わらない。いつもの朝の風景がある。マスクをしている人は異常に増えたが😅

f:id:arakabu625:20200331071204j:image(今朝の電車内)

 

この通勤電車の風景も見納めかなと思うと、なんだかちょっと寂しい…わけない。

(退職日)

 

🌙2020.3.30 🚃💨(帰り)

まだ明日一日を残しているが、今日は社外の思いついたところ3ヶ所に退職の挨拶メールを入れてみた。60人くらいはいただろうか。

 

多くの人たちからお疲れさまという言葉を頂き、とても有り難かった。しかし、挨拶メールにはちゃんと「4月から無職です」と書いといたのに、「じゃあうちの会社においで」という返信は1通もなかった。って、当たり前か!

(退職日まであと1日)

 

☁️2020.3.30 🚃💨

退職日が近づくにつれて、多少ワクワクしている自分がいる。単純に朝早く起きなくていいとか、のんびりできるとかそんな気分からだけではない。

 

仕事をしていると、いわゆる《懸案事項》というやつがどんどん増えていく。それを一つずつ解決していくのが普段の仕事といえるのだが、懸案事項というやつは次から次へと発生し、処理が追い付かないとたまる一方になってしまう。だから、会社を辞めたらそれが一旦オールクリアできる、というのは退職者の密かな楽しみだ。

 

希望退職制度というのは、そういった心理をうまく突いた罪な制度だと思う。つもり積もった懸案事項やしがらみをオールクリアできるという誘惑が疲れたサラリーマンの背中を押すからだ。

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再就職したら、また日々新たな懸案事項が発生してくるのではあるが。

(退職日まであと1日)

 

☃️2020.3.29 🏠

日曜日の早朝。

朝風呂から出てきたら外は雪が降っていた。最近の天気予報の精度には本当におそれいる。

 

家族はまだ誰も起きてこない。誰もいないリビングを見回して、ストーブに火をつけた。

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(退職日まであと2日)

 

☁️2020.3.28 🏠🚗

今日は、息子が入居することになった茨城にある会社の寮まで車で行く。引っ越し業者の搬出に間に合わなかった細々とした荷物を車に積めて。

 

コロナで土日の外出自粛要請が出ているが(茨城は出てない?)、埼玉~茨城の車移動だし、自宅待機と同レベルの安全度だろう。

 

4月から息子もめでたく社会人となり、我が家で無職は俺一人となる😭

(退職日まであと3日)

 

☁️2020.3.27 🏠

新型ウィルス騒ぎで出勤停止になってしまった。今日は引き継ぎをする予定だったのに。

 

もうあと来週月火の2日間を残すのみとなったが、会社行けるのかな?

(退職日まであと4日)

 

☀️2020.3.26 🚃💨

会社近くの喫茶店でY君の会社の説明を聞いた。概略は理解できた。これまでの経験と知識をある程度は活かせそうだ。

 

50代後半という年齢での転職の選択肢は、大きく次の3つに分けられる(俺の独断カテゴリー)。

①仕事はそれなり、賃金もそれなり(すごく低賃金)

②仕事は厳しく、賃金も厳しい(低賃金)

③仕事は厳しく、賃金は相応(割りとまあまあ)

 

大体は②だ。前にも書いたが、巷には俺のようなおっさん求職者が溢れていて、会社側は選び放題なのである。Y君の会社も似たようなものだろう。

 

本音を言えば、俺は①でいいと思っていた。この歳になると、もう胃がキリキリするようなストレスやプレッシャーを受けながらの仕事は勘弁、のんびり仕事がしたいなと思っているからだ。しかし、そんなことではいつまでもプータローのままだろうし、ここは覚悟しなくてはいけないところである。

 

そうだ、あともう一つ大事なことがあった。

「ところで、ブラックじゃないだろうな?」

この点は、内部にいる人でなければわからない貴重な証言を聞けるわけだ。すると、Y君はニヤリと笑ったあと真顔に戻ってこう言った。

 

「何言ってるんすか。我々はオールブラックスと呼ばれています!!」

 

「えっ?」

こりゃダメだ…

f:id:arakabu625:20200326072058j:image(webより)

(退職日まであと5日)

 

☀️2020.3.25 🚃💨

再就職の相談をしていたY君から電話がかかってきた。「社内調査しました。可能性ありです。役員が会ってみたいと言ってますが、どうしますか?」

 

Y君は前の会社の後輩で、もう10年以上も前に会社を飛び出した男だ。この10年で多分2~3回しか会っていないが、去年のリストラ騒ぎの時に俺が首を切られたと勘違いして電話をくれた優しいやつである。

 

まったく何もないまま退職日を迎えるより何倍もいいと、俺はY君の話に乗ってみることにした。

 

「わかった。ところでお前のところ、何やってる会社だっけ?」

「ガハハッ。わかりました、今度会えませんか?説明します」ということで、会社の近くで会うことになったのだった。

(退職日まであと6日)

 

🌙2020.3.24 🚃💨

同じチームの隣のグループに同期のA君が背中をこっちに向けて座っている。A君とは彼が設計、俺が営業という立場でコンビを組んで、15年ほど前に大きなビジネスをやっていた。年間100億円を超える売上げがあったから、今思うと大したものである。

 

そのA君の背中を見ながらメールを入れた。かつての仕事の盟友に、今度の退職を報告しようと思ったのだ。そうしたら、すぐに返信が来た。そこには「僕も辞めます」と書かれていた。案の定だ。最近やけに背中が小さくなって寂しそうだったので、もしやと思っていたのだ。

 

次の日、A君に誘われて会社の最上階のカフェテリアに上がり、熱いコーヒーを飲みながら今回のことについて語り合った。こうなるまで無策だった会社をなじる俺に対して、A君はしょうがないよと会社の辛い状況をあらためて俺に説明していた。(なんだ、俺が小さい人間みたいじゃんか…)

 

空になったコーヒーカップを握り潰しながら、俺はA君に言った。

「会社生活にも、春夏秋冬ってあるね」

 

するとA君は一瞬の間をおいて笑顔になり、噛み締めるように「うん」と頷いた。

f:id:arakabu625:20200325191455j:image(webより)

(退職日まであと7日)

 

☀️2020.3.24 🚃💨

会社を辞めることが決まり、上司の上司となる人と会議室で引き継ぎに関することを打ち合わせていた時のこと。

 

「じゃ、そういうことでよろしく」「はい、わかりました」と言いながら二人とも席を立った時にその上司が小声で呟いた。

「実は私も辞めることにした。6月に」

「えっ!?」と、その人の顔を見たら、「極秘ね」といたずらっぽく笑っているではないか。

え、えーっ?嘘でしょ!

f:id:arakabu625:20200324091405j:image

 

こんなことって、あるんだ。

 

☀️2020.3.19 🚃💨

「今度こそ辞めるわ。なんか仕事ない?」と切り出した俺。就活の練習のつもりである。

 

「えっ、マジ?またやってんの?ガハハッ(笑)」と当社の二年連続の早期退職募集にあきれた様子で、「わかりました。ちょっと時間ください。社内調査してみます」と電話の向こうの彼が言った。

 

まずは妻に今の状況を伝えよう。今夜にしようか週末にしようか…、などと考えながら、俺は駅の改札に向かって歩き出した。(このあと風邪をこじらせ、しばらく寝込むことになる)

 

☀️2020.3.18 🚃💨

今からちょうど一年前、会社帰りの俺のスマホに一件の着信があった。昔の知り合いからだ。

「はい、もしもし」

「お久しぶりです。会社、リストラやったんですって?行くとこないなら、うちに来ませんか。総務課長とかできるでしょ?」

「バカ、辞めてないよ。なんだ、心配して電話くれたのか。それは有難う。けど、総務楽しそうだな、やったことないけどできるできる!」

 

実は今の会社、一年前にも希望退職を募っていた。今どきよくある話かもしれないが、今回で二年連続の募集だったのだ。俺がうんざりして今回応募した背景には、そんなこともあった。

 

一年前、どこかでその事を聞きつけたその知り合いは、俺がプータローになっていると思って電話をくれたらしい。しかし、俺は辞めてなかった。一年前はまだ会社に抵抗する元気があったのだろう。今回を乗りきれば会社は復活する、そう信じていた。

 

その一件を思い出した俺は、確か二回目の役員面談があった日の夜、会社から駅に向かう道すがらで一年振りとなる電話をそいつにかけた。

「今度こそ辞めるわ。まだ総務の席空いてる?」

 

☀️2020.3.17 🚃💨

前の会社でお世話になった元上司に連絡を取った。すでに何度か転職を経験し、今も現役で働いているこの先輩に50代後半の転職の厳しさと心構えを聞かせてもらおうと思ったのだ。どれほどの覚悟が必要かを知りたかったし、少し泣き言も聞いて欲しかった。

 

この先輩とは1~2年に1度くらいの頻度で会っていたが、会うたびに「安易に辞めるな。つらくてもしがみつけ」というアドバイスをもらっていた。今回俺はついにその禁を破ったことになる。

 

求人そのものの絶対数の少なさ、書類選考に残れる確率の低さ、そして給与水準の低さなど、俺の予想を超える厳しい現実の話を聞くことができた。とにかく今、巷には俺のような50代の求職者が溢れている。企業側は選び放題ということなのだ。

 

最後にその先輩はこう言った。
「その会社がブラックかどうか、こればっかりは入ってみないとわからない」

 

これから俺が漕ぎ出す海は予想通り荒れているようだ。しかし、不思議と勇気が湧いてきた。それはおそらく、具体的な荒波の高さや激しさが見えてきたことで、俺の中の漠然とした不安が消えてきたからだと思う。そして、その時化た海に立ち向かって精いっぱい舟を漕いでいる一人の男の姿を目の当たりにできたからだろう。

 

まだ教えられている。さすが、元上司だ。

f:id:arakabu625:20200317070759j:image(webより)

 

☀️2020.3.16 🚃💨

その翌日、俺が希望退職に応募したことを知った上司の上司が、本当に驚いたと何度か呟いたあとで退職日を1ヶ月ずらしてくれないかと言ってきた。すぐには替えのきかない仕事をしてくれていたので、引き継ぎに時間が必要だというのがその理由だった。

 

《49歳以上の管理職》という広い対象のなかで面談を受けてはいたが、こういう時は名指しで『お前はいらない』と言われているような気分になるものだ。それで、さすがに俺も多少落ち込んでいたのだが、この一言でずいぶん救われたような気がした。有難いという気持ちから、ついつい「ちょっと検討させてください」と返事をしてしまったが、心の中では3月末の気持ちがほぼ固まっていた。

 

だけど、俺はこの歳で改めて勉強させてもらった気がする。人は人に(それが会社という組織の中であっても)、『自分は必要とされない人間なんだ』なんて思わせちゃいけないんだ、と。そんな権利は誰にもないんだ、と。

 

☀️2020.3.15 🏠

退職の話に戻る。

 

2月の天皇誕生日を挟む三連休のあと続けて風邪で3日休んだ。6日振りに出勤してメールを立ち上げたら、役員からの三回目の面談要請メールが入っていていきなり気が滅入る。なんで返信ないんだ、なんてメールも入っていた。しかも、メールをよく読むと、今度の面談相手は社長だと書いてある。

 

ああ、もううんざりだ。俺は一呼吸おいてから社長と役員にメールを入れた。

「面談には及びません。希望退職に応募します」

 

6日振りの会社だというのに、

なんて日だ!

f:id:arakabu625:20200315172554j:image(webより)

 

🌙2020.3.14 ⛰️

今日は縦走部で北八ヶ岳蓼科山に来た。先ほど無事に下山し、白樺湖畔に建つペンションで今夜は宴会である。

f:id:arakabu625:20200314191540j:image蓼科山山頂にて)

 

☀️2020.3.13 🚃💨

2回目の役員面談で自分の気持ちに変化が出てきた。なんというか、一人でも多くの希望退職者を出そうとして躍起になっている役員を見ていたら、急に嫌気がさしてきたのだ。少子高齢化が進む世の中で、どうしてこの会社は俺のような50代の社員をうまく使いこなすことを考えないのだろう。コストとしか見ないのだろう、と。

 

(もう辞めよう。俺の方から会社に見切りをつけてやろうじゃないか)

 

今から5年前に前の会社を辞めるときは「転職先を確保してからにして欲しい」と言っていた妻も、今回は何も言わなかった。来月には子供が就職し、子育てに目処がついたことも大きかったかもしれない。

 

腹の中はほぼ決まっていたが、そんな最中に風邪をこじらせた俺は、その後会社を3日も休むはめになってしまった。

f:id:arakabu625:20200313193016j:image北八ヶ岳にて)

 

☀️2020.3.12 🚃💨

会社から今回の希望退職の募集案内があったのは、2月に入ってまもなくの頃だった。49歳以上の管理職が対象だという。唐突で驚いたが、当初は応募するつもりはさらさらなかった。

 

すぐに役員から面談の申し入れがあり、1回目の面談を行ったのが12日のこと。そこで会社の厳しい経営状況(これまでにも何度も聞いていた耳タコ情報だったが)と、退職優遇制度の説明を受けた。応募するつもりがまったくなかったので、(早く終わらないかなー)と思いながら役員の話を聞いていた。

 

それが、今からちょうど一ヶ月前のことだった。

 

🌙2020.3.11 🏠

今日、会社に退職届を提出した。

すっきりした。

 

☀️2020.2.28 🚃💨

やっと会社の許可が出て、今日から出勤となった。結局、3日間も休んでしまった。今は満員電車の中だが、幸い咳も出ていない。

 

休んでいる間に世の中の新型ウィルス騒ぎはさらに拡大し、全国の公立小中高校は来週から一斉に休校だという。政府も個人の家庭もみんな大変だ。誰かが何かの判断を下さないといけないことがあり、それをやれ性急だやれ遅いだといちいち文句を言う輩が必ずいる。あんたたちはなにをやってもそうやって文句言ってろ、と思う。

 

実は、今夜から縦走部はスノーモンスターで有名な西吾妻山へ向かう。俺はさすがに今回はキャンセルさせてもらったが、凄い景色が見られることを願うばかりだ。そして、どうぞ無事に帰ってきておくれ。

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☁️2020.2.26 🏠

風邪を引いた。熱はそれほどないが、とにかく咳が出る。もう2週間になる。長引いているのだ。

 

思い起こせば、この2週間の間に八ヶ岳雪山登山とゴルフに行った。これでもしも俺が新型ウィルスの保菌者だったとしたら、大馬鹿者のそしりは免れないだろう😅

 

ということで、昨日今日と出勤せずに自宅療養している。三連休が終わっても咳が止まず、日を追うごとに大きくなっていく新型ウィルス騒ぎのなかで、これはさすがにまずいかなと思い、会社にも相談して休みを取った次第である。

 

胸部レントゲンを撮り、血液検査もして一安心しているところだが、この咳が止んでくれないことには会社にも行けない。

 

新型ウィルスのキーワードの一つである『体のだるさ』を会社から聞かれ、「だるさはないが、人生に少し疲れてます」と返事を打ったら、「大丈夫そうですね、花粉症じゃないですか?」と返事が来た。

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🌙2020.2.23 🏠

昨日、前の会社の仲間が集まる小さなゴルフコンペに参加した。何人かの先輩はそれぞれに苦労しながら再就職を果たしていた。来月会社を辞する決心をした同期もいた。

 

ゴルフが終わってそのまま近くの居酒屋になだれ込み、久しぶりの酒を酌み交わしながら俺も自分の胸のうちを明かした。皆、こんな俺を励ましてくれた。なんだかずいぶん勇気を貰えた。

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☀️2020.2.20 🚃💨

前の会社の後輩で大阪に住んでいるU君が、転職が決まったことを報告に来てくれた。この半年ほど、彼が東京に出張してきたときに色々相談を受けていたのだ。

 

そりゃ祝杯だ!とその夜飲んだのだが、実はその日俺は希望退職の募集を始めた会社の役員との面接日だった。同じ日に同じ進路について真逆の話が進んでいるなあと、一人可笑しくなった。

 

それが、先週のことだ。その後、再びその役員と面接があり、最初は辞める気など毛頭なかったが、なんだかもう嫌気がさしてきた。50代の求職者は世の中にごまんといて、再就職は相当難しいことはよくわかっているつもりだが。さて、どうするか。

f:id:arakabu625:20200220114050j:image(webより)

 

☀️2020.2.10 🏠

最近目にするようになってきたマクドナルドのごはんバーガーのCMに、軽くグッと来た。

 

場面は夜のマクドナルド。疲れたサラリーマン風の男(ナイツ・塙)がごはんバーガーを食べている。ふと顔を上げると、一人の女性が目に入る。別れた奥さんだ。彼女もビジネススーツを着て、一人でごはんバーガーを食べていた。

 

二人の間に何があったんだろう。CMでは何も説明がない。男は元気そうにしている彼女を見て安心したように微笑み、ごはんバーガーにかぶりつく。女がその後ろを通る。そして、別れた旦那に気づく。CMはここで終わる。

f:id:arakabu625:20200210115230j:image(TVCMより)

 

店長役に高橋克実。おじさんばかりだ。夜のマクドナルドの回転率を上げるため、いよいよサラリーマン層にターゲットを広げ始めたのだろう。そのうちお酒の提供を開始しても不思議じゃないな、これは。

 

そして、CMの全編に流れるBGMは、松田聖子の名曲『SWEET MEMORIES』。これは、おじさんにはたまらんやろ。俺も仕事帰りにマックに寄ってみたくなった。

 

☀️2020.2.6 🏢

昨日の夕方、外出先(府中)で仕事を終えて駅ビルの本屋に入った。

 

まっすぐにアウトドア・山岳雑誌コーナーに向かう。ほんの3年前までは毎週『週刊ゴルフダイジェスト』を買い、毎月『月刊ランナーズ』を買っていたのに、もう見向きもしなくなった。変われば変わるものだ。まあ、全部の趣味に平等にお金と時間をかけるのは土台無理な話なのだが。

 

2月号の『山と渓谷』の特集は【単独行】だった。興味のあるテーマだが、確かうちの本棚にある昨年と一昨年のバックナンバーにも同じような特集があったなーと、買うのに二の足を踏む。さらに、カバンの中に『岳人』の2月号が入ってたよなー、まだあんまり読んでないよなー、と思い出して買うのをあきらめた。そして、他になにか面白そうな山の本はないかいな、と棚を眺めていたらこんなガイドブックを見つけた。

f:id:arakabu625:20200206121634j:image

 

東アルプス?

(鎌倉アルプスや飯能アルプスの類ではなさそうだな)と思って、手に取ってパラパラとページをめくってみる。すると、どうやら奥秩父山塊を中心とした2,000m〜2,600mの山々が連なるエリアを東アルプスと称しているようだ。

 

「北と南と中央アルプスがあるんだから、東アルプスがあってもいいんでねーか。高度はちょっと足りねえけど、水と森の東アルプスじゃ!」というのが持論の、もう故人となっているかつての金峰山小屋のご主人の遺志を継いで、東アルプスの呼称を広めようとしている団体もあるらしい。

 

秩父エリアはこれまで両神山乾徳山金峰山笠取山雲取山に登ってきた。関東からも近いし、個人的に好きなエリアだ。昨年アイミ君に先を越されたが、テントを担いで奥秩父主脈縦走路を何日もかけて泊まり歩くことをいつかはやってみたいと思っている。

 

当初『奥秩父周辺の山』というタイトルだったという本書を『東アルプス』と変えた出版社の幾分かの遊び心も気に入ったので、買おうかなと思った。しかし、今日はパソコンやら電源コードやらパンフレットやら保温ボトルやら折り畳み傘やら岳人2月号やらが詰まってやたらと重いカバンだったことに気付き、棚に戻した。

 

🌙2020.1.30 🚃💨

今朝届いた、見ず知らずの人のツイートに笑ってしまったのでご紹介😂

 

「あー彼氏ムカつく12本アイゼンつけた足で踏んづけたい」

 

彼氏、早く謝れ。

f:id:arakabu625:20200207114739j:image

(まりちゃんの新品の冬靴と12本爪アイゼン)

 

🌙2020.1.29 🏠

f:id:arakabu625:20200129232406j:image

新型コロナウイルスが世界で猛威を振るい始めた。今日の会社帰りの電車の中でも、マスクをしている人がいつもの二割増しくらいいた気がする。

 

ところで、毎年のインフルエンザもそうだが、新型ウイルスのほとんどは、なんでいつもいつも中国が発生源なのだ。この発生源を絶つことこそが全世界の喫緊の課題じゃないのか。そこのところ、もっとしっかりして欲しいと思うのだが。

 

🌙2020.1.22 🚃💨

昨日、会社(新横浜)の10階にある食堂で昼食をとっていた時のこと。

 

天気が良かったので、遠くの景色をぼ~っと眺めていた。日産スタジアムの屋根越しに、多分左に丹沢、右に奥多摩と思われる山塊が遠く低く横たわっている。すると、その山々が折り重なるその先に、白く雪を頂いた峰がいくつか小さく見えているのに気が付いた。

f:id:arakabu625:20200206200147j:image(10階の食堂から)

 

方向的に、あれは南アルプスではないか。そう思ったら急にドキドキしてきた。まさか自分の会社から南アルプスが見えるなんて考えてもいなかったからだ。

f:id:arakabu625:20200206200227j:image(ズーム!)

 

席に戻ってグーグルマップを確認したら、方向的には合っている。丹沢と奥多摩の山の連なりをうまくすり抜けながら、南アルプスまで一直線で約130kmだ。3,000m峰ならば見えても不思議じゃない。また少しドキドキした。

 

一緒に昼ご飯を食べている人に話しても「はあ、そうですか」と言われるだけなので誰にも話さない。しかし、会社から南アルプスだぜ。昼休みの楽しみが一つ増えたというもんだ。

 

🌙2020.1.20 🚃💨

この場で○○Pay(ペイ)の話をするのはこれで三度目になるが、ちょっと聞いて欲しい。

 

今日か昨日のYahoo!ニュースで、スマホアプリ決済を最も利用しているのは50代男性だという記事が出ていて驚いた。なぜだ?

 

実は、あれからの俺はと言えば、楽天ペイだけでは物足りなくてPayPay(ペイペイ)もインストールして使っている。よく行くスーパーが楽天ペイを使えなかったので、ペイペイも併用するようになっただけなのだが。

 

楽天ペイにしろペイペイにしろ、とにかく手間がかからなくて便利だ。そしてポイントが二重三重に付くのでお得である。《キャッシュレス支払いで○%還元!》なんて謳っている店のレジでクレジットカードくらいしか使えないと、(なんだ、めんどくさいな、しっかりしろよ)と思ってしまうほどだ。

 

先日、息子に「なんとかペイって使ってるか?」と尋ねてみた。お父さんガンガン使ってるぞと。そうしたら「俺はスイカで十分。スイカのほうが手間がかからないし便利だし」みたいなことを言う。まるで半年前の俺を見るようだった。

 

半年前の俺は「○○ペイはようわからん。俺にはスイカで十分。電子マネーの進歩はスイカで終わってくれていい!スイカオートチャージとっても便利!」などと周りの人に言いまくっていた。新しもの好き、というか、これまで世の中の新しいものを抵抗なく取り入れていたように俺の目に映っていた息子が、まるで半年前の俺のような、おっさんみたいなことを言っていたのでとても驚いたのだ。

 

で、Yahoo!ニュースである。我が家と同じことが日本の社会全体で起きているというのだろうか。驚きである。一体なぜなんだ?50代男性の使用率が一番高いのは、ナゼナノダ?!

(当のYahoo!ニュースが見つかりませんでした😅)

 

☀️2020.1.9 🏢

f:id:arakabu625:20200110131833j:image(焼山の山頂)

先日のお正月、登り初めのときの話。

下山の途中、焼山の狭い山頂で休憩していたら、隣からなにやらいい香りがしてきた。見ると俺より先に山頂にいた男性が、手挽きのミルでコーヒー豆をゴリゴリ挽いている。

 

山で手挽きのコーヒーミルといえば、縦走部アイミ君の得意技である。人相風体も少しアイミ君に似ていたので、(お前はアイミか!)と心の中で突っ込んだ。

 

しばらくするとコーヒーが出来上がり、淹れたてのいい香りと「ズズッ」とコーヒーをすする音が俺の鼻腔と耳をくすぐってきた。


『いい香りですね』と俺。
『一杯いかがですか?』と偽アイミ君。

なんて会話を頭の中で夢想したが、行動に移すことはできずにその場を後にした。

 

すると、「ああ!ちょっと!」とその男性が俺を呼び止めた。驚いて立ち止まった俺にその男性が、
「そっち、道違うよ!こっち!」

 

どうやら俺はルートを間違えて変なところに下りようとしたらしい。その男性にお礼を言って別れたあと、今度は小さく声に出して「お前はアイミか!」と突っ込んでみた。なんだかとても可笑しかった。

 

🌙2020.1.3 🏠

『褒めて伸ばす』的な教育法がもてはやされて久しいが、自分の経験的にも大変うなづける方法だと思っている。

 

ところで、昨年末から妻が職場に提出する小論文で苦労していて、出来上がったそれの添削をお願いされた。ざっと目を通したが、意外にもなかなかうまく書けている(と思った)ので、「文章、内容、構成ともに申し分ない。満点!」と感想を述べた。

 

それから数日が経ったある日、リビングで息子と妻がなにやら話していた。二人のやり取りを聞いていると、どうやら妻は俺のあと、息子にも添削を頼んでいたらしい。

 

理系の大学院生である彼にとって論文作成はお手のもののようで、妻はビシビシと厳しいご指導を頂いている様子。そこに俺の姿を見止めた息子が、「まったく、これのどこが満点なの?」と絡んできた。多分妻が「お父さんは満点くれたよ」とでも言ったのだろう。

 

「お父さんは、褒めて伸ばす指導法なのだ」

と俺は言った。すると、すかさず息子が「もうお母さんこれから伸びんやろ!」と失礼なことを言ったが、笑ってしまった。

 

☀️2020.1.1 🏠🎍

f:id:arakabu625:20200110181018j:image金峰山山頂で富士とご来光を拝む)


めでたさも ちうぐらいなり おらが春

小林一茶

 

斜に構えるつもりはさらさらないのだが、いつの頃からか正月はそれほど浮かれた気分にならなくなった。歳のせいだろうか。

 

恥ずかしい話、若い頃よりも仕事が嫌いになった、というか会社勤めが嫌になってきた。家族を養うとか、子供を育てるとかのゴールが見えてきたからかもしれない。東京オリンピックが決まった6~7年前には(2020年で仕事を辞めよう!)と真剣に考えていたほどだ。

 

年が明け、その2020年になった。今のところ仕事を辞める予定はない。子育てが終わったら老後の準備が待っていたし、もう少しなら頑張れる気がしている。有り難いことに、いろんなものに支えられているから。山も、こんな疲れたサラリーマンをまあまあ支えてくれている。

 

ということで、今年も山旅を続けます。そして、この場で皆さんに沢山のしょうもない出来事を報告させて頂きたいと思いますので、また一年よろしくお願いいたします!

 

´20年11月5日 武甲山~小持・大持山周回ルートで秋を満喫!

f:id:arakabu625:20201106065336j:image(秋色に染まる武甲山

⛰️秋晴れのもと、新しく購入した登山靴の慣らしを兼ねて秩父武甲山へ行ってきました。秩父のシンボルと言われている武甲山は、石灰の採掘によって削り取られた山肌が私の故郷にある山・香春岳のかつての姿に似ているため、私のお気に入りの山です。これまでに単独では二度、縦走部でも一度訪れています。今回は深まる秋の山の中に分け入り、一人静かな山歩きを楽しむことができました。単独ですし、何か面白い出来事があったわけでもありませんが、よろしければ以下ご一読のほどお願いいたします。

 

■やっぱり武甲山

登山靴を新調した。スカルパのリベレHDというモデルだ。3シーズン用の靴はこれまでにキャラバン→モンベルモンベルと履いてきて、これが4足目になる。3足目のアルパインクルーザー2000はまだ充分に現役で、これからは登る山によって使い分けることになるだろう。今回の靴選びについては、また別項を立てて報告させていただきたいと思っている。

f:id:arakabu625:20201106105939j:image(リベレHD、かっけー)

 

11月に入り、関東近郊の低山でも紅葉の便りが届けられるようになってきた。先週末には縦走部のアイミ君が大菩薩嶺でテント泊を行い、秋空に映える富士山の写真を送ってきてくれた。これはもう俺も新しい靴を履いて行くっきゃない!ということで、ここ数日はどの山に行こうかと、そればっかりを考えていた。

 

(やっぱり武甲山だな)と決めた理由は、我が家から比較的近い(下道で70kmくらい)ことや登山口に車で乗り入れられることの他に、新しい靴を試すのに丁度いい適度なアップダウンがあり、まあまあのロングルートが取れるということもあった。コースは、起点となる一の鳥居登山口から武甲山~小持山~大持山を巡って再び一の鳥居に戻ってくる周回コース。過去三度の武甲山登山もすべて同じコースを歩いている。

 

■出発~武甲山

9時に一の鳥居に到着。鳥居周辺の駐車場(キャパは30台ほどか)は平日だというのにもうすでに9割ほどが埋まっていた。

f:id:arakabu625:20201106111304j:image(狼の狛犬

f:id:arakabu625:20201106111443j:image(真新しい靴の紐をキュッと絞めて)

f:id:arakabu625:20201106111714j:image(9:16 いざ入山)

 

リベレは靴底に固めのシャンクプレートが入っているため、平地では少し歩きづらい(すぐに慣れるが)。しかし、登山口からのアプローチで少し道に傾斜が出てきただけで違和感はゼロになった。さあ、これから山の中をぐるりと一周して帰ってきたときにどうなるか。とりあえず滑り出しは順調だ。

 

登山口からしばらくは沢沿いの道を歩くが、昨年の台風19号の被害を受けて何ヵ所かに迂回路が作られていた。誰が整備してくれるのか知らないが、有り難いことである。

f:id:arakabu625:20201106113701j:image

 

気温は登山口辺りで7℃くらい。少し手がかじかむので薄手のグローブをつけた。山登りの朝はこれくらいの気温で丁度いい。

f:id:arakabu625:20201106181629j:image(沢沿いを行く)

 

十八丁目と彫られた丁目石の立つ不動滝を経て、これより先は神域であることを示す石碑を横目に杉の林立する薄暗い山道へ入って行く。

f:id:arakabu625:20201106182637j:image(9:46 不動滝)

f:id:arakabu625:20201106182729j:image(これより神域)

 

今回改めて気付いたが、一の鳥居の登山口からのルートでは、山頂までずっと薄暗い杉の森が続くことになる。つまり、この道の往復だけでは山の楽しさはあまり味わえないということだ。山を始めた頃はどんな低山のどんな森でも、そこが山の中ということだけで楽しかったのにな。贅沢になったもんだ。

f:id:arakabu625:20201106183709j:image

周りは全部杉の木立。

f:id:arakabu625:20201106183729j:image

 

登山口から1時間ほとで、その杉の大ボスが立つ小さな広場に着いた。

f:id:arakabu625:20201106184008j:image(10:16 標高はジャスト1,000m)

f:id:arakabu625:20201106184026j:image(大ボス)

ここまでのところリベレHDは完璧だった。スカルパがソックスフィットと謳う、ソックスを履くように足全体を柔らかく包み込むフィット感で、足のどこにも不快な当たりがない。堅牢な靴底は木の根やガレ場の凸凹道を歩いたときの疲れを最小限にしてくれる(気がする)。そして、このクラスの靴にしてはメチャクチャ軽い。

 

行く手が明るくなってきた。もうすぐ山頂のようだ。

f:id:arakabu625:20201106201022j:image

 

ほどなくして足下の丁目石も五十一丁目となり、秋色に包まれた武甲神社(武甲山 御嶽神社)が見えてきた。ここまでのんびり歩いてきて1時間と45分といったところだ。

f:id:arakabu625:20201106202546j:image(10:58 武甲神社)

神社の前の5~6段ほどの階段脇に、最後の丁目石となる《五十二丁目》の刻印を見つけた。

f:id:arakabu625:20201106202110j:image

 

神社の裏手に回り、少し上ってフェンスに囲まれた山頂に到着。

f:id:arakabu625:20201106202950j:image(11:02 標高1,304m)

過去三度の山頂はいずれもガスっていて眺望ゼロだったが、今日は絶景が広がっていた。右手から順に筑波山赤城山谷川連峰妙義山浅間山。馴染みの山々が一望だ。そして眼下には秩父の街全体が見渡せる。ということは、秩父の人たちは折に触れこの武甲山を仰ぎ見ているに違いない。武甲山秩父のシンボルというのも納得である。

f:id:arakabu625:20201106203630j:image(彼方に赤城山

f:id:arakabu625:20201106204829j:image(眼下の秩父市街)

 

■小持山へ

時計を見るとまだ11時。お昼には早いので、紅葉真っ盛りの山頂をあとに小持山へ向かうことにする。

f:id:arakabu625:20201106205359j:image(山頂の紅葉)

 

武甲山には悪いが、今日の周回コースのメインはここからだ。杉が林立する味気ない森が終わり、この先は広葉樹の森が小持山から大持山を経て妻坂峠までたっぷりと続く。アップダウンはあるが、俺の大好きなルートだ。

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まずは長い下りの前に靴の紐を絞め直す。靴の評価もこれからが本番である。

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アルパインクルーザー2000よりもたわみの少ない靴底のため、下りの足の着地に少し戸惑いを感じたがそれもすぐに慣れた。下りの時、これまでは靴の中で足が前にずれるのを親指で踏ん張ってこらえることが多かったが、靴のフィット感と靴底の堅牢さを信じて親指に力を入れずに下ってみた。親指の代わりに足の甲と足首周りを締め付けている紐が俺の体重を受け止めている。これで最後までもつだろうか。

 

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絨毯のように敷き詰められた枯れ葉を踏みしめながらひたすら下る。登山道の左側は杉の薄暗い森が、右側にはブナやミズナラの黄色と茶色に時折モミジの赤が混ざった明るい森が広がっている。と思ったら、いつの間にかカラマツ林になっていたりした。ああ、秋の山歩きは楽しいなー、なんて思いながら歩いている。

f:id:arakabu625:20201106213604j:image(カラマツは針葉樹なのに紅葉して落葉する)

 

小持山への登り返しの途中でふと後ろを振り返ったら、今下ってきたばかりの武甲山の姿が目に飛び込んできた。緑色の針葉樹の森と黄色い広葉樹の森がハッキリと分かれている。俺はあの境界線の稜線を下ってきたのだ。

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ちょっと疲れてきた頃に小持山(1,269m)の山頂に到着してホッとする。もう腹ペコだ。

f:id:arakabu625:20201106215559j:image(12:28)

f:id:arakabu625:20201106220114j:image(昼ごはんはアルファ米レトルトカレー

小持山の山頂からも武甲山がよく見えた。

f:id:arakabu625:20201106220326j:image

 

■大持山から妻坂峠へ

小持山から大持山へ続く道は岩場や痩せた尾根の箇所があるので注意が必要だ。何年か前にこのルートで開かれたトレラン大会では確か死者も出ている。

 

大持山の手前にはこの周回コース随一の展望が開ける小ピークがあり、ここは俺の大のお気に入りの場所だ。狭くて少し足がすくむほどの高度感があるが、一気に視界が広がって気持ちいい。是非一度訪れてもらいたいポイント。

f:id:arakabu625:20201106221746j:image(遠くに両神山が見える。右奥には浅間山もうっすらと)

f:id:arakabu625:20201106221617j:image(足元が切れ落ちて、吸い込まれそう)

小持山から40分足らずで大持山(1,294m)に到着。スポーツドリンクを一口飲んで次へ向かうことにする。

f:id:arakabu625:20201106222311j:image(13:49)

 

大持山から下ってすぐのところ、大持山の肩とでもいうような場所でこれまで気が付かなかった小さな立て札を見つけた。朽ちた丸太に打ち付けられたその板を回り込んで覗いてみると、《←富士見の丸太》と書いてある。

f:id:arakabu625:20201106223611j:image(ん?)

ということは、富士山が見えるのかな。まさかこんなところからねー、なんて思いながら木立の向こうに目を凝らしてみたら、

「あっ、富士山だ!」

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f:id:arakabu625:20201106225502j:image(ズーム!)

木立の向こうの山際に富士山がかろうじてその頭を覗かせていた。なんだか得した気分だ。

 

大持山を下り始めてから妻坂峠に着くまでの1時間ほどは、随所に紅葉を満喫できる道が続いた。紅葉した山を外から眺めるのもいいが、外光に透かされた紅葉の美しさを下から愛でることができるのは、山の懐に入った登山者だけの特権だと思う。

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紅葉に囲まれて幸せそうな俺。
f:id:arakabu625:20201107010244j:image

 

直滑降のような急坂をなんとかしのいで、本日最後の中継地である妻坂峠に到着。時刻はもう15時になろうとしていた。

f:id:arakabu625:20201107002612j:image14:58

 

妻坂峠には俺が心惹かれるお地蔵さまがある。ここに来ると必ず手を合わせて写真を撮るのだが、今日はお地蔵さまの前に膝まづき、じっくり顔を見て、その顔に触れてみた。心の中でいろいろ話しかけていたら、なんだか鼻の奥がツンとしてきた。

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別れ際にプラティパスに残っていた水を掛けたら、少し微笑んでくれたような気がした。

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■下山

妻坂峠から出発地点の一の鳥居までは40分足らずで帰りついた。6時間半の山旅が無事に終了である。よかったよかった。
f:id:arakabu625:20201107005224j:image(15:42 一の鳥居前)

 

ところで、新しい登山靴・リベラHDの履き心地はどうだったか。結論としては、下りでもどこも痛くならず非常に満足いくものだった。次はもっとガレ場の多い道や、重いテント泊装備を担いでの歩き心地を確かめてみたい。

f:id:arakabu625:20201107011445j:image(お疲れ~)

 

《終わり》

過去の武甲山山行レポート

18年9月9日

19年3月30日

 

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予想外のこと②

🚃ずいぶん前に、我が家のサボテンに起こった予想外のことをお伝えしたことがありました。第2弾の今回は、とある電車内で起きた予想外のことです。

 

予想外のことは時々起こります。世の中には予想外のことが溢れている。世界は予想外のことでできている!?

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

プータローの期間を利用して福岡に帰省したとき(10月14日)のことです。私は小倉で新幹線を降り、兄の家に寄るため鹿児島本線に乗り換えました。確か久留米行きの快速だったと思います。

 

電車は博多方面からやって来て、終点の小倉駅で折り返します。ドアが開き、電車待ちの列の先頭だった私は二人掛けのシートの窓側に座りました。私の後に続いて他の乗客もパラパラと乗り込んできたようです。するとすぐに電車内のそこかしこでバタン!バタン!という音がし始めました。見ると、みんな電車の背もたれを反対側に倒しているのです。

 

その快速電車はシートの背もたれを前後にスライドというか倒すことで、座る向きを180度変えたり、四人向い合わせのボックス席を作ったりすることができました。新幹線でシートの向きを変えるためにはレバーを踏んで、二人もしくは三人掛けのシートをぐるっと回転させなければいけませんよね。それがこの在来線では背もたれが表裏どちらも使えるようになっていて、バタンと前後に倒すことで簡単に座る向きを反対にできるのです。(ここまで伝わってますか?)

f:id:arakabu625:20201015125755j:image(背もたれが矢印の方向に動く)

 

この仕組みの電車、私は九州でしか見たことがないのですが、他の地域にもあるのかな?

 

さて、本題はここからです。

福岡の電車にはそんなギミックが仕込まれているということは私も知っていました。というか、そのバタン!バタン!という音を聞いたときに思い出しました。(ああ、みんな折り返し電車の進行方向に向かって座るために背もたれを動かしてるんだな)と気付いたのです。

 

私も一瞬(背もたれ動かそうかな)と思いましたが、乗ってる時間は30分くらいだし、めんどくさいし、なにより私はその行為がちょっと大人げないなと感じてしまい、(このままでいいや)と座り続けていました。

 

始発なので、電車はまだ出発しません。すると、私の前の前の席を進行方向に変えて座っていたオッサンが(横に奥さんもいました)、いきなり私の目の前の背もたれも自分の側に引き寄せるように倒したのです。どういう状態になったかイメージできるでしょうか?つまり、オッサンはボックス席状態から奥さんと二人だけの席になり、私は突然四人向い合わせのボックス席に一人でポツンと座っている人になったのです。私はそのまったく予想外のオッサンの行為に唖然として反射的に立ち上がりました。(ちょっとあんた、それはあんまり失礼でしょ!)

 

実際は抗議の表情を浮かべながらも笑顔で「ちょ、ちょっと、それはないでしょ!」てなことをマスク越しに言ったのですが、オッサンは(この人、急に立ち上がって何を言ってるんだろう?)という感じでポカンと私を見ています。隣の奥さんも同様です。「・・・」気まずい雰囲気になり、立ち上がっていた自分が恥ずかしくなったので、それ以上追及することをやめて私も自分の背もたれをオッサン側に倒し、二人掛けに戻して反対向きに座ったのでした。

f:id:arakabu625:20201015223011j:image(釈然としないまま背もたれを動かして席を移動した直後)

 

その後、駅に迎えに来てくれた兄の車に乗り込むと、私はその話をしました。「ね、ひどいやろ?」と。しかし、兄は「それはお前が悪い。何故なら、小倉駅のあの折り返しは、座席を進行方向に変えるのが乗客の暗黙のルールなのだ」と、これまた予想外のことを言います。「特急ソニック号では小倉駅に着いたら車内アナウンスまであるとぞ。座席を進行方向に変えるようにて」と、言うのでした。

 

少々話が長くなってしまいました。しかも、状況がわかりにくくて申し訳ありませんが、今回の予想外のお話しはここまでです。この小倉駅での乗客のおかしな行動は、テレビでも取り上げられたことがあるらしいですよ。ぜひ一度実際に体験してみてください。なんだか笑っちゃいますから。

 

鹿児島本線博多方面と日豊本線を直通する列車は前述したように線形の都合上、当駅で折り返しになり進行方向が逆になる。また、鹿児島本線日豊本線を直通する特急「ソニック」は大分方面行き列車が7番のりば、博多方面行きが4番のりばから発車する。従って、大分方面行き「ソニック」は駅構内を大きく斜めに横切りながら西小倉方向へと向かう。

Wikipediaより

 

(終わり)

 

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山に答えがあるとしたら…

⛰️先日、登山家の花谷泰広さんが高校の山岳部の生徒向けにオンライン授業を行った、という記事をYahoo!ニュースなどでご覧になった方もいるかと思う。

 

花谷さんは2013年に登山界のアカデミー賞といわれる第21回ピオレドール賞を受賞した日本のトップクライマーであり、現在は若手登山家の養成や山岳ガイドのほか、甲斐駒ヶ岳の山小屋・七丈小屋の運営など様々な活動をしている人だ。

 

記事では以下のように伝えている。

花谷さんはインターハイ中止という経験から前を向く全国の高校登山部を対象に授業を行い、登山を通じて得られる考える力・生きる力について伝えた。

高校山岳部の生徒の質問に花谷さんが答えていくというかたちで授業が行われたようだが、私が最も興味を引かれたのが本稿の表題である『山に答えがあるとしたら…』に続く言葉である。

学校の勉強、受験勉強は常に答えのあること、正解に向かっています。でも、山には答えがないですよね?

 答えがあるとしたら、無事に下山することです。一歩間違えると死を伴う結果が起こりうるのが山登り。山に限らず、海、川など自然を相手にしていると、天気や仲間の体調で状況は常に変化したり、予期せぬことがたくさん起こったりします。ですからその都度、自分で考え、行動しなければならないのです。

 

山に答えがあるとしたら、それは無事に下山すること。

この言葉を改めて肝に銘じ、これからも山を楽しんでいこうと思う。

 

(終わり)

今回は引用ばかりですいません。記事がご覧になりたい方はこちらからどうぞ。

https://the-ans.jp/bukatsu/130289/

 

´20年9月26日~27日 あなどれない山、那須岳!

f:id:arakabu625:20201007165428j:image(出発!)

⛰️暑さもようやく収まってきた9月末の土日を使い、栃木県の北端に位置する那須岳日本百名山)に行ってきました。半年ぶりに縦走部フルメンバー(といっても4人ぽっちですが)での山行となります。

 

コロナ禍による自粛ムード一色だった世の中は少しずつ活動を再開。私たちも「ぼちぼちいいんじゃないの?」ということでGoToキャンペーンの波に乗った団体行動再開ですが、はてさてどんな山旅となりましたことやら。以下、ご一読いただけますと幸いでございます。

 

那須岳

那須岳(なすだけ)は、栃木県那須郡那須町にある茶臼岳の別称。那須塩原市那須郡那須町福島県西白河郡西郷村にまたがる成層火山群の総称でもある。

Wikipediaより)

那須岳とは言うが、例によって那須岳という名前の山は存在しない。茶臼岳を主峰とし、それに朝日岳と三本槍岳、さらには黒尾谷岳と南月山を加えた五山を総称して那須岳那須連山)と呼ぶらしい。日本百名山的には茶臼・朝日・三本槍の三山を那須岳としているようだ。

 

まあ、そんなことはどうでもいいか。那須岳と言えば活火山、紅葉、そして温泉。今回は紅葉にはまだ早いので、縦走部としてはロープウェイを使って軽く山巡りをして、あとは温泉三昧じゃ!という感じのノリである(少なくとも俺はね)。

 

以下が今回の計画だ。

《1日目》

《2日目》

 

土曜日の早朝6時半に浦和駅に集合し、俺の車で一路那須を目指す。天気は、悪い……😭 「あとは台風次第だね」なんて言ってたら、本当に週の始めに台風が発生し北上してきた。直撃は免れたものの、なんだか今日は一日中ハッキリしない天気で、夕方からは☂️マークがついている。久しぶりの山だというのにやれやれだ。

f:id:arakabu625:20201007175347j:image(トホホ💧)

 

9時過ぎにガス煙る《那須ロープウェイ山麓駅》に到着。駐車するのに手間取って9時20分の便に間に合わず、次の40分発に乗り込んだ。

f:id:arakabu625:20201007160513j:image(9:20山麓駅。周囲はガスガス)

f:id:arakabu625:20201007160635j:image(念のためにレインウェアを着込む)

 

■茶臼岳山頂へ

濃い霧のなか、山頂駅を10時前に出発した。ここはすでに標高1,684m、茶臼岳の9合目にあたる。山頂までの標高差は230mほどだ。

f:id:arakabu625:20201007162152j:image(9:55 出発~)

 

俺が先頭になってゆっくりと登る。「このペースで速くない?」と後ろのまりちゃんに声をかける。実はまりちゃんは大怪我からの復帰間もない体だった。4月に駅のホームでスッ転んで大腿骨骨折という大怪我を負い、入院していたのだ。すでに5ヶ月以上経っているとはいえ、俺たちは残念ながらもう若くない。果たして骨はちゃんとくっついているのだろうか?

 

さらに怪我人は続き、アイミ君である。彼はこの2週間ほど前に一人でテント泊装備を担いで八ヶ岳を縦走しているとき、バランスを崩してふくらはぎに肉離れを起こした。そのため縦走を途中で断念し、足を引きずりながら下山。泣きながら(多分😁)茅野駅に向かったのであった。今回は茶臼岳の周りで遊んでるわ、とかなんとか言っていたがどうするんだろう?

 

かように満身創痍、崩壊寸前の縦走部であった。(みんな頑張れよ、なんせ今回は温泉ホテルの豪華宴会つきだからな~!)

f:id:arakabu625:20201008112958j:image(霧のなかを行く)

 

登り始めてすぐに全員レインウェアを脱いだ。暑くてたまらない。時折細かい霧が頬を濡らすが、全然大丈夫だ。そうして、スタートから40分ほどで一つ目の山、那須岳の主峰・茶臼岳(1,915m)の頂上にたどり着いた。

f:id:arakabu625:20201008113845j:image(10:38 茶臼岳山頂にて)

 

この茶臼岳は那須連山のなかでは唯一の活火山で、晴れていれば山腹からもうもうと立ち昇る水蒸気を見れたはずだが、今日は硫黄の匂いがわずかにしただけだった。

 

朝日岳

少しの休憩の後、登ってきたルートとは反対方向に一旦下り、ここからコースタイムで1時間半ほど先にある次の朝日岳を目指す。茶臼岳までの混雑とはうって変わり、行き交う登山者の数がめっきり減ったようだ。

f:id:arakabu625:20201012000023j:image(荒涼とした登山道が続く)

 

峰の茶屋跡という避難小屋(トイレ無し)を過ぎ、剣ヶ峰と呼ばれるピーク手前あたりから道が険しくなってきた。

f:id:arakabu625:20201012100255j:image

f:id:arakabu625:20201012001101j:image(なかなか手強い登り)

f:id:arakabu625:20201012001238j:image(切り立った断崖を進む)

 

鎖を持たないと少し怖くなるような崖が続いたり、(えっ?那須岳ってこんななんだっけ?)と先頭を行く俺は予想外なルートに楽しくなってきていた。後で知ったことだが、那須連山の外輪山にあたる朝日岳は周囲の山と比べて急峻な山容となっているらしい。(那須岳って結構あなどれない山だったんだなあ)なんて思いながら俺は歩いていた。

 

最後の急登を登りきり、本日二峰目となる朝日岳(1,896m)山頂に到着。ほぼコースタイム通りだ。

f:id:arakabu625:20201012004150j:image(12:02 周囲はガスでなにも見えない)

 

登ってきた道を戻り、朝日岳の肩で昼食をとることにする。この頃には少し風が出てきて寒くなったので全員またレインウェアを羽織った。景色も見えないし寒いし、なんだか喋ることもなくて黙々とパンを頬張る。今朝家を出るときに沸かしたモンベルアルパインボトルのお湯がまだ熱い。そのお湯でコーンクリームスープを作って体を温めた。

f:id:arakabu625:20201012005134j:image(12:27 黙々と昼ごはんを終える)

 

■三本槍岳へ

こんな天気のなかで景色を楽しむこともできず、さらに下山口から遠ざかる方向に歩き続けるのは辛いものがあるが、今日は泊まりだしまあいいかと再び歩き始めた。本日最後の目的地・三本槍岳はまだ70分も先だ。

 

ケルンの建つ小ピークを越え、

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清水平と呼ばれる湿地帯を進む。

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天気さえ良ければ、いずれも素敵な景色が広がっていたんだろうと思う。

 

ぬかるんだ樹林帯の道を歩き疲れた頃に、ようやく三本槍岳(1,917m)の頂上に到着した。ここが那須岳の最高地点となる。
f:id:arakabu625:20201012102534j:image13:46

ん?標識の上に何かあるぞ。

f:id:arakabu625:20201012103109j:image

それは美しく紅葉した山モミジの葉だった。先行の登山者はこの赤く染まったモミジの葉っぱをどんな気持ちで標識の上に差したんだろう。そのときの心持ちを考えると俺は少し心が和んだ。彼(もしくは彼女)は、次にやって来る登山者がこの小さな秋を見つけたときのことを想像してウフフとほくそ笑んだだろうか。それとも、登山道で拾ったモミジの最高の飾り場所を見つけて、一人満足してこの山頂を後にしたのだろうか。俺はふと梶井基次郎の『檸檬』という古い短編小説を思い出した。

 

■下山

やっと今回の目的だった那須岳三山を踏破した。さあ帰ろう。俺たちには今夜温泉と宴会が待っている。ここまで幾分か重かった足取りが、帰り道では嘘のように軽くなった気がした。途中で一瞬ガスが晴れて目の前に美しい景色が広がった。朝から霧のなかに居ることに慣れてしまっていたが、「やっぱりここはきれいな場所だったんだ」と忘れていた悪天候を改めて呪った俺たちであった。

f:id:arakabu625:20201012110607j:image(帰りもあなどれない道が続く)

 

峰の茶屋跡の分岐点からショートカットで駐車場のある山麓駅へ向かい、三本槍岳の山頂を出発してからちょうど2時間半で下山。今朝ロープウェイの山頂駅を出発してから6時間半の山旅を無事に終えることができた。

 

そういえば、駐車場まであとわずかというところで、大腿骨骨折の大怪我明けのまりちゃんが濡れた木道で足を滑らせて激しく尻餅をついた。医者からはくれぐれも転ばないようにと釘を刺されていたので一瞬全員が凍りついたが、まりちゃんがゆっくり立ち上がりながら「だ、大丈夫みたい」と言ったのでホッと胸を撫で下ろす場面があった。ちなみに、まりちゃんが転ぶ直前、ちかちゃんと「あとは温泉入ってビール飲むだけやねぇ」などと話していたのを聞き逃さなかった俺は、「気が緩んだからじゃ」と宴会のときに一言釘を刺したが、「あれは転ぶ随分前だった!」と激しく反論されてしまった。なんにしても大事にならなくて良かった良かった。

 

■温泉♨️、宴会🍶🍺

f:id:arakabu625:20201012114620j:image(かんぱーい♪)

今夜は部屋に食事が運ばれてくるというので、「じゃあ缶ビール買っていこうか」と提案したが、「なに言ってるの、生でしょ生!」と女性陣に却下されてしまった。

 

こうやって4人全員で山に登り、乾杯するのは3月の蓼科山以来だ。まさかのコロナでまさかの半年ブランクを経ての乾杯はひとしおで、やっぱり『生』は旨かった。今年の夏はみんなで白馬岳にいこう、白馬山荘に泊まろうなんて計画してたのに、まさかこんなことになるとはね。

 

酔いもほどほどに回ってきた頃、「来年の夏は白馬岳行けるようになってるかなあ」と誰かが言った。「きっと行けるよ。みんなで行こうな」と、10月に抜け駆けして一人で白馬岳に行こうと高速バスと山小屋を予約していたが大雪渓の崩落が激しくて登山道が通行止めになって計画を中止したアイミ君に聞こえるような大きな声で俺が言った😁

 

さて、もうひとっ風呂浴びてくるか!

 

(終わり)

 

おまけ
f:id:arakabu625:20201012120959j:image(山バッジ)

f:id:arakabu625:20201012121115j:image(あなどれない山・朝日岳

 

おしまい

 

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乙女椿(おとめつばき)のこと

f:id:arakabu625:20200915175821j:image2018.3.21撮影

🌺我が家の駐車スペースと隣接して、古い二階建てのアパートが建っている。以前は一人暮らしのおじいちゃんが一階に住んでいたが、今は空き家だ。そのアパートの狭い庭に一本の乙女椿が植わっている。今回はその乙女椿のお話。

 

◇◆◇◆◇◆

 

樹高2.5mほどのその乙女椿がつけた花を初めて見たときは、(これが椿?まるで薔薇のようだ)と驚いた。そもそもこれまで椿の花をじっくり眺めたことがなかったというのもあるが、心底その美しさに見とれてしまったことをよく覚えている。私がこれまで椿に抱いていたイメージは《侘び、さび》《和風》《お茶花》といったものだったが、この乙女椿の花はどうだ。派手さと上品さと、和と洋が絶妙にバランスされた、まるで芸術品のようじゃないか。

f:id:arakabu625:20200915181142j:image2016.4.3(見とれる…)

 

毎年花が咲くと写真に収め、少しだけいただいて備前焼の一輪挿し(徳利だけど)に活けてきた。スマホの画像データフォルダーで「花」と入れて検索したら、これまで私が撮り貯めていた膨大な画像の中から他の花に混じってこの乙女椿の写真がたくさん出てくる。開花する時期が年によってまちまちなのか、データの日付は2月から4月まで幅があったが、どの年の乙女椿も大変美しい。

f:id:arakabu625:20200915181236j:image2018.4.1(活けるとまた映えるなぁ…)

 

この乙女椿は我が家の駐車スペースのフェンスに寄りかかるようにして枝葉を広げていて、陽の光は我が家側から差し込むので花芽は全部こちらに向けてつく。つまり、満開の乙女椿を愛でることができるのは私と私の家族だけなのだ。(実質、私一人だけのために咲いていると言っても過言ではない!)

f:id:arakabu625:20200915182133j:image2018.3.21(フェンス越しに…)

 

ところが、2018年の夏に事件が起きた。空き家だったアパートの一階を近所の電気工事会社が借りて、椿が植わっている庭が資材置き場になった。そして、いつのまにか乙女椿の木がバッサリと切られてしまったのだ。

 

「すいませーん。お宅に木が張り出していてご迷惑だったでしょ。この前植木屋さんに頼んで切ってもらったんですよ」と社長の奥さんに声をかけられて、私は初めて乙女椿が伐採されていたことに気が付いた。樹高は今までの半分以下、1mもないくらいまでに切り詰められている。私は《絶句!》した。

 

失意のままその年の冬が終わり、明くる2019年3月のこと。見るも無残に背の低くなった乙女椿は、しかし数えるほどだが私の膝くらいの高さで無事に花を咲かせてくれた。葉の陰に隠れてひっそりと咲いていたので、私はしばらく気づかなかったほどだ。

f:id:arakabu625:20200915182824j:image2019.3.9(おお、咲いてくれてたのか…)

 

(いかん、やっぱりこのままではまずい。早くあれを成功させなければ!)

 

実はもう何年も前からこの乙女椿の挿し木にチャレンジしていたのだが、失敗が続いていた。(フェンス越しに眺めるだけではもう我慢できん、なんとしても我が家に嫁として迎えいれたい!)そんな感じに思っていた。
f:id:arakabu625:20200915183639j:image2016.6.25(しかし、失敗が続く…)

 

もうあきらめかけて、ここ何年かは止めていたのだが、この事件をきっかけに昨年再チャレンジ。しかし、またも失敗。何故だ?なぜなんだ?

 

そして今年、再び事件が起きた。

 

7月のある日のこと、測量会社の人が我が家を訪ねてきた。

「お隣のアパートの土地の測量をしますので、境界を接しているお宅に立ち合いをお願いしております」

「えっ?アパート取り壊して、何か新しく建つんですか?」と心配して尋ねる私。

「うちは測量を依頼されているだけなので、よくわかりません。ただ、一般的には土地を更地にして売る、もしくは建て替えるということでしょうね」と、測量会社の人が言った。

 

(まずい、今度は根こそぎ持ってかれる。もう今年がラストチャンスだ!)

 

たぶん6月頃だったと思うが、すでに今年も挿し木にトライはしていた。目の届かないところだとついつい水やりを忘れてしまうので、今回は玄関ドアの横に置いてみる。これなら毎日様子を伺えるし、ちょうどいい感じの日陰だ。しかし、慣れとは恐ろしいもので、玄関を出入りするたびに目に入っているはずなのに何日も水やりを忘れることがあったりする。水はけをよくするためにホームセンターで買った川砂を使っているので、水加減が少し難しいのだ。

f:id:arakabu625:20200916112308j:image2020.7.11(ラストチャレンジ中…)

 

(俺の乙女椿が撤去される。今回は失敗が許されん!)などと毎日思っていたわけではないが、そんなこんなで暑い夏が過ぎていった。

 

そして、9月。昨日のことだ。しゃがんで、挿し木の様子をじっくり眺めてみた。まだ葉っぱの緑を保ってはいるが、ところどころ茶色くなっているし葉っぱ全体に艶がない。花芽と思しき芽も膨らんできてないし、(今年もまただめかなー)とため息をつきながら、試しにひとつ抜いてみた。そしたらなんと根が出ていた。

f:id:arakabu625:20200916112501j:image2020.9.15(葉っぱに艶がない…)

f:id:arakabu625:20200916112556j:image(根が出てる~😂)

 

「やった!!!」

 

初めての発根である。何年越しの発根だろう。ここまで長かったなあ、ホント。しかし、まだ油断は禁物。ネットで調べてみても、この先の成功率は50%前後のようだし、鉢上げのタイミングも発根したらすぐにというものから1年後というものまで様々だ。何を信用していいか皆目見当がつかない。

 

ネットの情報を吟味した結果、とりあえず当面はこのままにして、10月に一部を鉢上げし一部は来春まで待つことにしようと決めた。

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

果たして乙女椿は無事に根付いてくれるのか。まだまだ先は長そうなので、この項は一旦ここまでとしたい。変化があれば《今日の独り言》欄で報告させていただきます。

m(_ _)m。

 

(続く予定)

 

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