´20年9月26日~27日 あなどれない山、那須岳!
(出発!)
⛰️暑さもようやく収まってきた9月末の土日を使い、栃木県の北端に位置する那須岳(日本百名山)に行ってきました。半年ぶりに縦走部フルメンバー(といっても4人ぽっちですが)での山行となります。
コロナ禍による自粛ムード一色だった世の中は少しずつ活動を再開。私たちも「ぼちぼちいいんじゃないの?」ということでGoToキャンペーンの波に乗った団体行動再開ですが、はてさてどんな山旅となりましたことやら。以下、ご一読いただけますと幸いでございます。
■那須岳へ
那須岳(なすだけ)は、栃木県那須郡那須町にある茶臼岳の別称。那須塩原市、那須郡那須町、福島県西白河郡西郷村にまたがる成層火山群の総称でもある。
(Wikipediaより)
那須岳とは言うが、例によって那須岳という名前の山は存在しない。茶臼岳を主峰とし、それに朝日岳と三本槍岳、さらには黒尾谷岳と南月山を加えた五山を総称して那須岳(那須連山)と呼ぶらしい。日本百名山的には茶臼・朝日・三本槍の三山を那須岳としているようだ。
まあ、そんなことはどうでもいいか。那須岳と言えば活火山、紅葉、そして温泉。今回は紅葉にはまだ早いので、縦走部としてはロープウェイを使って軽く山巡りをして、あとは温泉三昧じゃ!という感じのノリである(少なくとも俺はね)。
以下が今回の計画だ。
《1日目》
《2日目》
- ホテル→浦和駅 🚙💨
土曜日の早朝6時半に浦和駅に集合し、俺の車で一路那須を目指す。天気は、悪い……😭 「あとは台風次第だね」なんて言ってたら、本当に週の始めに台風が発生し北上してきた。直撃は免れたものの、なんだか今日は一日中ハッキリしない天気で、夕方からは☂️マークがついている。久しぶりの山だというのにやれやれだ。
(トホホ💧)
9時過ぎにガス煙る《那須ロープウェイ山麓駅》に到着。駐車するのに手間取って9時20分の便に間に合わず、次の40分発に乗り込んだ。
(9:20山麓駅。周囲はガスガス)
(念のためにレインウェアを着込む)
■茶臼岳山頂へ
濃い霧のなか、山頂駅を10時前に出発した。ここはすでに標高1,684m、茶臼岳の9合目にあたる。山頂までの標高差は230mほどだ。
(9:55 出発~)
俺が先頭になってゆっくりと登る。「このペースで速くない?」と後ろのまりちゃんに声をかける。実はまりちゃんは大怪我からの復帰間もない体だった。4月に駅のホームでスッ転んで大腿骨骨折という大怪我を負い、入院していたのだ。すでに5ヶ月以上経っているとはいえ、俺たちは残念ながらもう若くない。果たして骨はちゃんとくっついているのだろうか?
さらに怪我人は続き、アイミ君である。彼はこの2週間ほど前に一人でテント泊装備を担いで八ヶ岳を縦走しているとき、バランスを崩してふくらはぎに肉離れを起こした。そのため縦走を途中で断念し、足を引きずりながら下山。泣きながら(多分😁)茅野駅に向かったのであった。今回は茶臼岳の周りで遊んでるわ、とかなんとか言っていたがどうするんだろう?
かように満身創痍、崩壊寸前の縦走部であった。(みんな頑張れよ、なんせ今回は温泉ホテルの豪華宴会つきだからな~!)
(霧のなかを行く)
登り始めてすぐに全員レインウェアを脱いだ。暑くてたまらない。時折細かい霧が頬を濡らすが、全然大丈夫だ。そうして、スタートから40分ほどで一つ目の山、那須岳の主峰・茶臼岳(1,915m)の頂上にたどり着いた。
(10:38 茶臼岳山頂にて)
この茶臼岳は那須連山のなかでは唯一の活火山で、晴れていれば山腹からもうもうと立ち昇る水蒸気を見れたはずだが、今日は硫黄の匂いがわずかにしただけだった。
■朝日岳へ
少しの休憩の後、登ってきたルートとは反対方向に一旦下り、ここからコースタイムで1時間半ほど先にある次の朝日岳を目指す。茶臼岳までの混雑とはうって変わり、行き交う登山者の数がめっきり減ったようだ。
(荒涼とした登山道が続く)
峰の茶屋跡という避難小屋(トイレ無し)を過ぎ、剣ヶ峰と呼ばれるピーク手前あたりから道が険しくなってきた。
(なかなか手強い登り)
(切り立った断崖を進む)
鎖を持たないと少し怖くなるような崖が続いたり、(えっ?那須岳ってこんななんだっけ?)と先頭を行く俺は予想外なルートに楽しくなってきていた。後で知ったことだが、那須連山の外輪山にあたる朝日岳は周囲の山と比べて急峻な山容となっているらしい。(那須岳って結構あなどれない山だったんだなあ)なんて思いながら俺は歩いていた。
最後の急登を登りきり、本日二峰目となる朝日岳(1,896m)山頂に到着。ほぼコースタイム通りだ。
(12:02 周囲はガスでなにも見えない)
登ってきた道を戻り、朝日岳の肩で昼食をとることにする。この頃には少し風が出てきて寒くなったので全員またレインウェアを羽織った。景色も見えないし寒いし、なんだか喋ることもなくて黙々とパンを頬張る。今朝家を出るときに沸かしたモンベルアルパインボトルのお湯がまだ熱い。そのお湯でコーンクリームスープを作って体を温めた。
(12:27 黙々と昼ごはんを終える)
■三本槍岳へ
こんな天気のなかで景色を楽しむこともできず、さらに下山口から遠ざかる方向に歩き続けるのは辛いものがあるが、今日は泊まりだしまあいいかと再び歩き始めた。本日最後の目的地・三本槍岳はまだ70分も先だ。
ケルンの建つ小ピークを越え、
清水平と呼ばれる湿地帯を進む。
天気さえ良ければ、いずれも素敵な景色が広がっていたんだろうと思う。
ぬかるんだ樹林帯の道を歩き疲れた頃に、ようやく三本槍岳(1,917m)の頂上に到着した。ここが那須岳の最高地点となる。
13:46
ん?標識の上に何かあるぞ。
それは美しく紅葉した山モミジの葉だった。先行の登山者はこの赤く染まったモミジの葉っぱをどんな気持ちで標識の上に差したんだろう。そのときの心持ちを考えると俺は少し心が和んだ。彼(もしくは彼女)は、次にやって来る登山者がこの小さな秋を見つけたときのことを想像してウフフとほくそ笑んだだろうか。それとも、登山道で拾ったモミジの最高の飾り場所を見つけて、一人満足してこの山頂を後にしたのだろうか。俺はふと梶井基次郎の『檸檬』という古い短編小説を思い出した。
■下山
やっと今回の目的だった那須岳三山を踏破した。さあ帰ろう。俺たちには今夜温泉と宴会が待っている。ここまで幾分か重かった足取りが、帰り道では嘘のように軽くなった気がした。途中で一瞬ガスが晴れて目の前に美しい景色が広がった。朝から霧のなかに居ることに慣れてしまっていたが、「やっぱりここはきれいな場所だったんだ」と忘れていた悪天候を改めて呪った俺たちであった。
(帰りもあなどれない道が続く)
峰の茶屋跡の分岐点からショートカットで駐車場のある山麓駅へ向かい、三本槍岳の山頂を出発してからちょうど2時間半で下山。今朝ロープウェイの山頂駅を出発してから6時間半の山旅を無事に終えることができた。
そういえば、駐車場まであとわずかというところで、大腿骨骨折の大怪我明けのまりちゃんが濡れた木道で足を滑らせて激しく尻餅をついた。医者からはくれぐれも転ばないようにと釘を刺されていたので一瞬全員が凍りついたが、まりちゃんがゆっくり立ち上がりながら「だ、大丈夫みたい」と言ったのでホッと胸を撫で下ろす場面があった。ちなみに、まりちゃんが転ぶ直前、ちかちゃんと「あとは温泉入ってビール飲むだけやねぇ」などと話していたのを聞き逃さなかった俺は、「気が緩んだからじゃ」と宴会のときに一言釘を刺したが、「あれは転ぶ随分前だった!」と激しく反論されてしまった。なんにしても大事にならなくて良かった良かった。
■温泉♨️、宴会🍶🍺
(かんぱーい♪)
今夜は部屋に食事が運ばれてくるというので、「じゃあ缶ビール買っていこうか」と提案したが、「なに言ってるの、生でしょ生!」と女性陣に却下されてしまった。
こうやって4人全員で山に登り、乾杯するのは3月の蓼科山以来だ。まさかのコロナでまさかの半年ブランクを経ての乾杯はひとしおで、やっぱり『生』は旨かった。今年の夏はみんなで白馬岳にいこう、白馬山荘に泊まろうなんて計画してたのに、まさかこんなことになるとはね。
酔いもほどほどに回ってきた頃、「来年の夏は白馬岳行けるようになってるかなあ」と誰かが言った。「きっと行けるよ。みんなで行こうな」と、10月に抜け駆けして一人で白馬岳に行こうと高速バスと山小屋を予約していたが大雪渓の崩落が激しくて登山道が通行止めになって計画を中止したアイミ君に聞こえるような大きな声で俺が言った😁
さて、もうひとっ風呂浴びてくるか!
(終わり)
おまけ
(山バッジ)
(あなどれない山・朝日岳)
おしまい
ここまでお読み頂きまして、大変有難うございました。本ブログに関して、ご意見・ご感想などございましたら、下記アドレスまでメールをお願いいたします。お気軽にどうぞ。
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