´20年8月15日 真夏の谷川岳で登山再開!(前編)

f:id:arakabu625:20200815170610j:image(トマの耳山頂にて)

⛰️お盆の週の夏休みに、一人で谷川岳を登ってきました。猛暑のなか、久しぶりの登山はまあまあ大変でしたが、やっぱり山はいいですねえ。

谷川岳(たにがわだけ)は群馬・新潟の県境にある三国山脈の山である。日本百名山のひとつ。周囲の万太郎山仙ノ倉山・茂倉岳などを総じて谷川連峰という。

wikipediaより)

コロナ禍により縦走部の活動は3月の蓼科山以降ずっと自粛。私自身これが5ヶ月ぶりの山登りとなります。この間、外出自粛や在宅勤務が続いたせいで少し体調を崩していたのですが、夏休みの解放感が私の背中を押してくれたみたいで、ようやく(山に行こう!)という気持ちが沸き上がってきました。

 

久しぶりの登山に谷川岳を選んだ理由は、今年1月にアイミ君と雪山講習会で冬の谷川岳(登ってませんけど)を経験して、なんとなく土地勘みたいなものができていたこと。浦和の自宅からでも在来線を使って日帰りができそうだったこと。そして、なんといっても『魔の山』『死の山』なんていう恐ろしい異名を持った谷川岳という山の魅力に惹かれたからです。

 

魔の山谷川岳

世界にはエヴェレストを筆頭に8,000mを超す高峰が14座あります。8,000mを超えた場所は人間が生息できるところではないという話はよく耳にしますが、この14座での遭難死者数の合計はこれまでに600数十名を数えるとのことです。に対して、谷川岳での遭難死者数は昭和以降だけでも優に800名を超えています。これ、すごくないですか?

 

もっとも、遭難者の多くは一ノ倉沢などの岩壁ルートからの登頂によるものです。そう、谷川岳は日本でも有数の岩登りのメッカなのです。なので、今回私が登った天神尾根のような一般的なルートはほとんど危険な箇所はありません。

 

登山家・森田勝をモデルにしたといわれる夢枕獏の山岳小説《神々の山嶺》を私は谷口ジローの漫画版で読みましたが、そこに冬の一ノ倉沢の岩登りがいかに過酷で危険かが詳しく書かれています。

f:id:arakabu625:20200825214832j:image(映画化も)

 

土合駅すごい!

今日の私のスケジュールは以下の通り。

  • 5:28 北浦和→8:37 土合
  • 9:20 谷川岳ロープウェイ
  • 9:30 登山スタート:天神平登山口→谷川岳(トマの耳・オキの耳)→14:30 天神平登山口《コースタイム5H》
  • 14:40 谷川岳ロープウェイ
  • 15:34 土合→18:27 大宮(知人と合流。かんぱーい!)

 

北浦和から在来線(36駅)を乗り継いでたっぷり3時間。ついに土合駅に到着しました。

f:id:arakabu625:20200825070014j:image(8:37 土合着)


この土合駅の下り線のホームは地下81mのトンネルの中にあり、日本一のモグラ駅として有名です。実は今回の山行目的の半分は、この土合駅の地中深い下りホームに降り立つことでした。起点となる駅に着いただけでこんなにワクワクするなんて、やっぱり谷川岳はただ者ではありません。

f:id:arakabu625:20200824173815j:image(下りホーム)

 

薄暗いホームに降り立った瞬間、「さむっ!」と思わず声に出るほど気温が下がっていました。さすがに日本一のモグラ駅だけのことはあります。少し歩くと地上に通じる階段が見えてきました。

f:id:arakabu625:20200824174340j:image(462段)

 

谷川岳登山は土合駅の地下ホームから始まる》と聞いたことがありますが、階段の一番下から見上げると、その言葉も頷けます。すごい迫力です。すぐに縦走部のメンバーにも『土合駅、一見の価値あり!』と写真を添えてLINEを送りました。

f:id:arakabu625:20200827213119j:image土合駅の外観)

 

駅から20分ほど歩いて谷川岳ロープウェイ乗り場に到着。ロープウェイは定員22名のところ、コロナ対策で上限10名に絞られていました。(これが後々私にえらい災難となって降りかかって参ります)

さらに、こんな張り紙が。

f:id:arakabu625:20200828122501j:image(最終15時?)

ここ数日、関東では午後に激しい雷雨がゲリラ的に発生していましたが、どうやら今日もその恐れがあるらしいとのこと。そのため、通常17時までの営業を今日は15時で終了するとのお触れです。私の計画は14時半の下山&ロープウェイ乗車でしたので、まあ大丈夫そうです(これも後々災難の遠因となってしまいますが)。

【耳より情報】

ロープウェイ往復料金2,100円のところ、モンベルカードを見せると100円割引です。

 

■登山開始

ロープウェイの終点《天神平》からは天神尾根をたどって往復コースタイム5時間の道のりとなります。群馬県ゆるキャラのぐんまちゃんに見送られて、予定通り9時半に出発しました。

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f:id:arakabu625:20200828125225j:image(天神平から谷川岳の双耳峰を臨む)

 

今年1月にアイミ君と一緒に雪上訓練の講習を受けた場所がこの天神平です。その時は2m以上の積雪に被われていて、夏の景色とは全く異なるのですが、たぶんこの辺りの森のなかで雪洞を掘って一泊したんだと思います。

f:id:arakabu625:20200828124307j:image(この辺りかな)

f:id:arakabu625:20200828124457j:image(雪洞にて。寒かった!)

 

ちょうど5ヶ月ぶりの山登りとなりますが、体力的にはこの1ヶ月ほど自転車を乗り込んできていたので、不安はありませんでした。
f:id:arakabu625:20200828125153j:image(登山道)

 

登り始めてしばらくすると、登山道を覆っていた樹々の背丈はみるみる低くなり、ギラギラ照りつける真夏の太陽をさえぎるものがなくなってきました。いきなり暑い、熱い💦今日も平地は35℃以上の猛暑日予報ですが、この登山道も標高はそれほど高くないので相当猛暑です。

f:id:arakabu625:20200828200454j:image(10:24 暑かった…)

 

今日は日焼けを避けるために長袖の速乾Tシャツを着てきたのですが、バケツで水をかぶったように袖の先までぐっしょりと濡れ、風がないので乾く間もありません。 標高はまだ1,600mくらいのはずですが、なぜ森林限界を超えたような低木ばかりになったのでしょうか。その理由は下山後に観たNHK日本百名山で説明されていました。

 

谷川岳一帯は日本海側からの冬の季節風の影響を強く受ける、天候の変化がめまぐるしい山域です。日本でも有数の豪雪地帯であり、高木が育ちにくい環境にあります。そのために高山帯に達していないにもかかわらず、高山帯的な景観が形作られるというわけです。これを《偽高山帯》というのだそうです。

 

登山道は途中から岩場が多くなってきました。それほど危険な個所はなかったと思うのですが、あまりの暑さに何度か立ち眩みのようにフラッとする瞬間があってヒヤリとします。これは危ない。もしもそのまま貧血気味に意識を失えば、それがたとえ一瞬のことであったとしても、転倒・滑落の大怪我につながりかねません。これは縦走部のみんなにも伝えようと思いました。

 

(すいません、ここで前編終わりです。大して盛り上りもないまま後編に続きます)

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