ライチョウのこと

f:id:arakabu625:20190703071431j:image北岳で出会ったライチョウ

⛰️今朝(2019年7月3日)届いた朝日新聞の一面に、木曽駒ヶ岳ライチョウのことが写真付きで載っていました。

 

昨年50年振りに中央アルプス木曽駒ヶ岳ライチョウが目撃された話は当ブログでも簡単に紹介させていただきましたが、その雌の個体が5羽のひなをふ化させたという記事です。

f:id:arakabu625:20190706154725j:image(2019.7.3付け朝日新聞朝刊より)

 

羽毛のDNA鑑定によると、木曽駒の個体は乗鞍岳北アルプス)から飛来したらしいということで、その個体が生んだ無精卵を乗鞍岳で採取した有精卵に取り替えていたんだそうです(環境省もいろんな取り組みをしてるんだなー)。その有精卵から今回めでたく5羽のひな鳥が誕生しました🐣。50年振りに生まれた中央アルプス産のライチョウということですね。

 

ということで、あらためてライチョウのことを少しググってみました。

 

国の特別天然記念物にして絶滅危惧種ライチョウは、古い文献では《らいの鳥》という呼称が多く見られるようですが、いつの頃からか《らい》に《雷》の字が当てられて《雷鳥》となったそうです。雷が落ちそうな天気の悪い日によく目撃されるからかもしれません。私たち縦走部が初めてライチョウを見たのは去年の夏、燕岳から常念岳への縦走途中の標高2,700mのハイマツ帯でした。その時は天気が悪いどころか、台風🌀が来てましたけど😅。

f:id:arakabu625:20190714111109j:image北アルプスで出会ったライチョウの親子)

 

現在の日本での推定生息数はわずかに1,700羽ほど。北アルプスを中心に、南アルプス御嶽山辺りが主な生息地です。その昔は八ヶ岳や白山にも多く生息していたとか。中央アルプスでは木曽駒ヶ岳ロープウェイが開通してから瞬く間にその姿を消したという悲しい事実がありました。ロープウェイができたことでわんさか押し寄せるようになった観光客や登山者が下界からいろんなバイ菌を運んできたり、その残飯を狙ったカラスがやって来たり、人がハイマツ帯を踏み荒らしたりということが原因とされているようです(耳の痛いことですね)。その他には、温暖化に伴ってキツネや鹿やサルが生息域の標高を上げてきたこともライチョウ減少の一因と考えられています。

 

私はこれまでに三度ライチョウに出会っています。いずれも去年の夏のこと。一度目と二度目は嵐の北アルプス・燕岳~常念岳縦走路の途中、つがいと親子のライチョウに連続して出会いました。三度目は単独で登った南アルプス北岳で、北岳山荘から山頂に向かう稜線でした。その時は親鳥と5羽のひな鳥が私の回りを取り囲むように歩き回って、信じられないような素敵な時間を過ごしました。

f:id:arakabu625:20190703214709j:image北岳ライチョウ

トレランをやっている会社の後輩に北岳での出来事を話したら、彼もちょうど同じ頃に北岳と向かい合う仙丈ケ岳を走っていたらしく、そのとき稜線で5羽のひな鳥を連れたライチョウに遭遇したんだそうです。「僕が見たライチョウと同じやつですよ、絶対!」と信じて疑わない様子に笑ってしまいました。果たして本当に仙丈ケ岳から飛んできたのでしょうか?

 

今、国内のいくつかの動物園でライチョウの人工繁殖が試みられています。トキやニホンコウノトリの二の舞にならないようにということですね。実は身近なところでは上野動物園でも行われていて(現在6羽いるらしい)、今年から時間限定で一般公開していることがわかりましたので、いつか行ってみようと思っています。【詳しくはコチラ】

 

以上、今朝の新聞記事に触発されて、ライチョウのことを少し書いてみました。

 

(終わり)

 


ライチョウ雷鳥)》の英語名はサンダーバードだと思っていましたが、全然違いました。たぶんそう勘違いしている人は多いんじゃないかと思います。この原因はJR西日本のせいだ!とネット上で叩かれていました。私もそう。だって、北陸方面を走る《特急雷鳥》の愛称はサンダーバードだったはずです。JR西日本では『単なる雷鳥の直訳です』と説明してるみたいですけどね(詳しくはネットでお調べください)。サンダーバードとはアメリカ大陸の先住民族の伝説に出てくる鳥のことで、ライチョウは《ターミガン》というんだそうですよ。

 

(おしまい)