´20年3月14日~15日 蓼科山でリベンジ登頂!
(無事登頂!)
⛰️北八ヶ岳の北端に独立峰のようにして立つ火山の蓼科山(2,531m、日本百名山)。去年に続いて今年も縦走部で行ってきました。私は何が楽しみって、下山後のペンションでの宴会が楽しみでしょうがないったらありゃしない。
■アイミ君リベンジ!
一年前にも登った蓼科山へ、今年も向かったのには理由がありました。前回はアイミ君がお腹を壊してまさかの途中リタイア。一人だけ山頂に立てませんでしたので、今回はそのリベンジというわけです。
(前回の登頂の様子)
いつものように新宿駅南口のモンベル前に集合して、私の車で6時半頃出発しました。暖冬なので雪がどの程度積もっているのか心配ではありましたが、逆に登山口までの道路は大丈夫だろうと安心していました。ただ、今日は降雪予報なんですよねー。ちょっと気になります。
■生まれて初めてのチェーン
高速を下りる前から雪が降り始め、茅野市街を抜けて山の方へ標高が上がるにつれて雪は本降りになってきました。目指す女乃神茶屋登山口は標高1,720mの場所。道にはうっすら雪も目立ち始め、いつしかFFでノーマルタイヤの私のフリードでは完全に走行不可能な雪道になってしまったのです。
スリップし始めた車をなんとかチェーン脱着場まで寄せて、アイミ君と片方ずつのタイヤにチェーンを取り付けました。ほぼ、ぶっつけ本番です。うまくいくでしょうか。
(ヒーコラ💦)
何を隠そう、私にとっては生まれて初めての雪道運転でしたが、なんとか無事に女乃神茶屋登山口の駐車場に到着。30台くらいは停められるはずの場所に、先行車はわずかに3台のみで、そのあとも後続の車が現れることはありませんでした。
10:04(降りしきる雪の中で準備を進める)
12本爪アイゼンも装着して登山口に向かっている途中で、私はみんなを振り返り心の中の不安を口に出しました。
「三組しか先行パーティーがいないような悪コンディションで、俺たちが山に入って大丈夫なんだろうか?」
しかし、その答えをみんなから聞く前に、振り返った拍子にアイゼン同士を引っ掛けて派手にスッ転んでしまった私。
「アハハ、どうやらダメって言われてるみたいね」と誰かの笑い声が聞こえました。
■山頂へ
山頂までは800mの標高差。私の計画では約3時間の道のりを登り始めました。最初は足元に笹が生い茂るなだらかな勾配でしたが、4~50分もするとシラビソの森になり勾配もきつくなってきました。
(笹が生い茂る登山道)
厄介だったのは、雪の積もり方が浅いので、アイゼンが深く雪に食い込まずに岩でズリズリ滑ることです。滑ってこけそうだし、足を捻りそうだし、岩とアイゼンが擦れて不快な金属音はするしで、なかなか大変。
標高が上がると少し雪も深くなってきて、ようやく歩くのが楽になってきました。
(黙々と登る)
ずっと雪が降り続いていたので、みんな着ているジャケットのフードを目深にかぶっていたのですが、次第に頭から顔・首回りが蒸れてきて割りと大変でした。
■私のハードシェル
そうだ、いい機会なので、私が雪山で愛用しているアルパインジャケット(いわゆるハードシェル)をご紹介させていただきましょう。
バーグハウスの《EXTREM 5000 PZ SHELL JKT(エクストレム シェルジャケット)》という商品です。ゴアテックスの3レイヤーで、C-ニットと言われるサラサラした肌触りの裏地です。生地感はレインウェアなんかに比べると多少ゴワゴワしていますが、用途的にしょうがないところでしょうか。
昨シーズンの雪山デビューの際に、浦和の好日山荘の店長に勧められて購入しました。定価38,000円(税抜)が確か30%オフだったと思います。けれど、雪山初心者には少し大袈裟な装備かなということで、結局昨シーズンは着用しなかったんですけどね。
初着用は今シーズンの谷川岳での雪山講習のとき。それ以来、黒斑山や八ヶ岳(天狗岳)、今回の蓼科山などでも使って、もう雪山では手放せなくなりました。
(今回の蓼科山でも大活躍)
ハードシェルですので中綿が入っているわけではありません。ですので保温性はないのですが、防風・防水は完璧です。もうひとつ上のランクにゴアテックス・プロという素材を使ったプロ仕様のハードシェルが各社から出ていますが(バーグハウスにもあります)、まあ一般的な雪山ではたとえ厳冬期であってもこの通常のゴアテックスで十二分でしょう。
谷川岳での滑落停止訓練や、天狗岳での強風と冷たい雨、今回の蓼科山でのしつこく降り続ける湿り気を帯びた雪、などのような過酷な条件の時にハードシェルを身にまとっていると、《安心感》というか《守られ感》が全然違います。森林限界を超える雪山に行くときは、準備したい装備の一つだと実感した今シーズンでした。
(ハードシェルに守られて山頂へ)
■再び、山頂へ
登山口から山頂付近までは分岐もなく、迷いようもない一本道になっているのですが、急な勾配の区間が割りと多かったと思います。
(急登)
ちか&まりは途中でジャケットの下を脱いで体温調節していました。私は首元のジップの上げ下げと、脇の下のピットジップを開けることで内部の蒸れを逃がします。そうこうするうちにお腹が減ってきました。
12:34(雪を避け、樹の下で立ったまま昼食)
昼食休憩から40分ほどでやっと樹林帯を抜けました。溶岩でおおわれた山頂部は吹きっさらしのために積雪が薄くなり、雪の下の岩をガリガリとアイゼンで踏みながら、滑らないように進みます。
13:31
雪に埋もれた《蓼科山頂ヒュッテ》が見えてきました。去年は屋根の上がわずかに見えていただけでしたから、やっぱり今年は雪が少ないようです。
(もうすぐ山頂だ)
降り続く雪で踏み跡もよくわからなくなっていましたが、ハッキリと山頂の標識か見えていたので道に迷うことはありません。
(あと少し)
そして、13時54分。登山口からたっぷり3時間半以上かかって、私たちは蓼科山山頂(2,531m)にたどり着きました。今年は一人のリタイアも出ずに、縦走部4人全員での登頂です。
13:55(やったね!)
残念ながら去年に引き続き山頂からの視界はゼロですが、楽しみはまた来年以降に取っておけばいいだけの話。今回は気象条件が悪かっただけに、「なかなかアドベンチャーな山登りだったね」とお互いの無事を喜び合いました。
おやおや、最近インスタに載せるためにカッコつけた写真をねだるアイミ君が、山頂でもポーズつけてますよ。
(リベンジできてよかったな!)
■下山
さあ、登ってきた道を戻りましょう。まだ半分しか終わっていません。慎重に慎重に。
(ひたすら下る)
所々雪の下に隠れている岩にてこずりながら下ります。何度も転んだちかちゃんが「もうアイゼン外しちゃおうかな」と言っていましたが、誰も賛成しません。アイゼンがなければ多分その3倍は転んだことでしょう。
下りの後半では、これも最近の雪山での恒例となったまりちゃんの膀胱満タン騒ぎがありました。騒ぐのではなく、逆に無言になるのですが😅。後日談ですが、ちかちゃんが転んでストップする度に(ああ、もうダメだ…)と絶望の縁をさまよっていたそうです。
なにはともあれ、ちかもまりもよく頑張ったね!
登山口の駐車場に帰り着いたのが16時半過ぎ。もちろん、駐車場には雪に埋もれた私たちの車だけしかありませんでした。
■宴会だ~
さて、次は個人的に山登りよりも楽しみにしていた宴会です。一旦茅野市街まで戻り、スーパーで今夜の宴会用の食料とお酒とおつまみと明日の朝食を調達しました。(私はこの買い出し宴会が大好き😍)
18時過ぎに白樺湖の湖畔に建つペンションに素泊まりでチェックインして、ゆっくりお湯に浸かり、待望のビールで「カンパーイ!」
(クーッ、これこれ😂)
3月が誕生月だったちか&まりのお誕生会と私の退職壮行会も兼ねた楽しい宴会で、いつもよりも多めに酔っ払ってしまった私でした。
■翌朝
次の日の朝は見事な快晴(確か去年もそうだったな)。白樺湖の向こうに諏訪富士の名に恥じない蓼科山が見えています。
(いい天気)
高速の諏訪南インターに向かう途中では、南から北までの八ヶ岳の全貌を見ることもできました。
(南八ヶ岳)
(蓼科山)
昨日は一日中雪が降り続いて何も見えませんでしたが、今日はこんなにも素晴らしい景色を見ることができました。それも縦走部の3人の仲間と一緒に。こうして今、この時のことを思い出しながらブログを書いていても、嬉しい気持ちになります。
いつまでもこの仲間とこんな山旅ができたらいいなあ、なんて。なんだかそんなことを思わせてしまう、日曜日の朝の八ヶ岳の姿でした。
(終わり)
おまけ
(ピンバッジ)
(ちかちゃんとアイミ君)
(まりちゃん)
(泊まったペンション)
(白樺湖をバックに)
おしまい
ここまでお読み頂きまして、大変有難うございました。本ブログに関して、ご意見・ご感想などございましたら、下記アドレスまでメールをお願いいたします。お気軽にどーぞ。
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