'19年2月16日 赤城山でトイレダッシュ!🏃‍♀️💨

f:id:arakabu625:20190218204150j:image駒ヶ岳山頂にて

⛰️縦走部で赤城山に行ってきました。個人的には先月の単独行に続き、二回目の赤城山になります。前回から(雪よもっと降れ~)と祈りながら、雪山用の靴と12本爪アイゼンとピッケルを購入してこの日に備えました。さて、新しい雪山道具たちはどんなデビューとなりましたことやら、よろしければご一読のほどお願いいたします。

 

◼️まるで登山列車

東京方面から公共交通機関を使って赤城山へ向かう場合に、お勧めの電車がありますのでご紹介しましょう。神奈川方面から東京・埼玉を経由して群馬の高崎に入り、終点の前橋まで乗り換えなし。線は東海道本線上野東京ライン高崎線両毛線と名前を変え線路を変えて一路終点の前橋駅までひた走ります。しかし、どの時間帯でもというわけではありません。

 

今回私たちは。部長のちかちゃんが横浜駅(5:53)→アイミ君が上野駅(6:26)→まりちゃんが赤羽駅(6:36)→最後に私がさいたま新都心駅(6:49)と次々にこの電車に乗り込んで、前橋駅に8:33到着。そのまま駅前を8:45に出発する赤城山行きの直通バスに乗り換えて登山口にたどり着きました。登山電車《ホリデー赤城号》とでも名前を付けたくなるようなこの電車(ルート)は、お金さえ出せば上越新幹線で高崎までひとっ跳びできる楽々コースのオプション付きです。

 

■山頂へ

バスを終点の赤城山ビジターセンターで降り、準備を済ませてセンターを出発したのが10時半頃。先月に一人で来た時はかなり凍結していた登山口に向かう道路も、今回は道路端に雪は積もっているものの、車道はほとんど凍結が見られません。歩いていると、冷たくて強い風が顔に吹き付けてきます。見上げると山頂は流れる雲の中に隠れ、上はさぞや強風が吹いているんだろうと心配になりました。

 

f:id:arakabu625:20190218201335j:image黒檜山登山口に到着

今日はアイミ君と私が雪山用の靴に12本爪アイゼン。女性陣は夏靴のままですが、ちかちゃんがグリベルのベルト式12本爪、まりちゃんはモンベルの10本爪軽アイゼン(前爪あり)と前回の北横岳よりもパワーアップしています。私もついにスカルパの冬靴とグリベルのワンタッチアイゼン、そしてブラックダイヤモンドのピッケル初卸し!

f:id:arakabu625:20190218201739j:image足元アップ

 

赤城山の最高峰・黒檜山は最初からわりと急登が続きます。みんな慣れない前爪付きのアイゼンを装着しているので、先頭を歩く私は努めてゆっくり歩くことを心がけたつもりでしたが、後ろからついてくるメンバーはどう感じたでしょう。登り始めてすぐに私のストックが勢い余って後ろに流れ、石突むき出しの尖端がすぐ後ろを登ってきていたちかちゃんの顔をかすめました。幸い何事もなかったのですが、今思い出してもゾッとする出来事でした。急登の坂では自分のストックが後ろの人の顔辺りに位置する場合があります。これからも気を付けようと肝に銘じました(ちかちゃん、驚かせてごめん)。

 

いきなりの急登だったので、ちか&まりの脱ぎ脱ぎタイムもすぐに訪れました。二人を待っている間に私はストックをしまい、いよいよ背中のピッケル(ブラックダイヤモンド・レイブン65cm)を取り出します。さきほどすれ違った下りの女性がピッケルを携えていたのを見かけて、背中を押されたのです。

f:id:arakabu625:20190219121712j:image猫岩で休憩。後ろに大沼

 

初めてのピッケルは黒檜山の急登でなかなか使い勝手のいいものでした。締まった雪にザクッとピッケルを刺して2歩3歩と進み、4歩目の前にピッケルを抜いてまたその先にザクッと刺します。これの繰り返しですが、すぐに慣れました。急登の雪道でバランスを取るのにとても有効です。また、バランスを取る杖としてだけでなく、ピッケルを操ることでいい感じのリズムも生まれてくることに気がつきました。

 

息をハァハァと吐きながら、ひたすらピッケルを刺して雪の登山道を登っているうちに、私はピッケルが特別な道具でもなんでもないこと、山登りの身近な相棒なんだということを実感していました。昔は一年中ピッケルを持って山に入っていたんですもんね。山バッジには必ずピッケルがかたどられているのもうなずけます。現代の登山では雪山以外でピッケルを使うことはまずないと思いますので、ピッケルを使う登山を経験できただけでも雪山をやってみて良かったなと感じた次第です。

 

◼️山頂

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12時33分、ようやく黒檜山の山頂に到着しました。登山口から1時間30分、予定から20分押しです。

f:id:arakabu625:20190219123517j:image(モザイクやめました)

山頂はそこそこ強い風が吹いていましたが、心配していたほどではなかったので、絶景スポットと案内されている展望地に移動して昼食をとることに。

f:id:arakabu625:20190220121323j:image雲が多めで絶景とはいかない感じ

 

風を避けられる窪地を探して荷物をおろし、めいめいで簡単な昼食をとりました(私はクリームパンとチョコパンと紅茶)。

 

ここからは一旦黒檜山を下り、大ダルミを経て駒ヶ岳へと登り返します。そして駒ヶ岳の登山口へ下山するというのが今回の私たちのコースです。コースタイムでちょうど1時間半の行程でした。ビジターセンター発15時15分のバスに乗るためにはそんなにのんびりできませんが、私たちが山頂を後にしたのは13時15分。バスが出るまであと2時間、大丈夫かいな?。

f:id:arakabu625:20190220123623j:image13:15 絶景スポットを出発。グラサン女子

 

前回は膀胱が破裂しそうだったので素通りをした黒檜山大神にもお参りをし、《ここから60歩で絶景スポット》というそそられる標識の景色も目に納めて、黒檜山の急坂を下りました。と、このあたりからここまで快調だった私のスカルパの右足小指に痛みが出始めました。中で擦れているようです。実は、今回ガチガチの靴底と頑丈なスエード革で被われた冬靴を履くにあたって私が取った対策は二つありました。一つは靴下をスマートウール社製のマウンテニアリングという極厚タイプにしたことです。カモシカスポーツで試し履きしたときにも履いていた、分厚くてすごくクッション性の高い靴下です。靴と一緒に買いました。

二つ目の対策は(対策と言えることではないのですが)、ひもを緩めに結んでいました。夏靴の時のようにぎゅ~っと締め上げるのがなんだか怖くて。そのせいで、登り始めたときから踵も足先周りも靴の中で少し動いているなーというのは感じていましたが、何事も経験だと思ってそのままにしていたのです。たぶんこの痛みはその影響でしょう。立ち止まるほどの痛みではなかったので、結局下山し帰宅するまでそのままにしていました。

 

14時4分、駒ヶ岳山頂(1,685m)に到着。

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ここから登山口までコースタイムで45分となっていましたが、前回30分かからずに下りた実績があるので、もうバスに間に合わないという心配はなくなりました。一安心です。あとはひたすら下るだけ。

f:id:arakabu625:20190220135405j:image青空が出てきた

 

◼️トイレダッシュ…

その後、駒ヶ岳の登山口まで無事に下山を果たし、お疲れのハイタッチを交わそうとしたら、まりちゃんが切羽詰まったような声で言いました。

「トイレが限界。いや、もう限界過ぎた」

肩をわなわな震わせて、「どこ?トイレはどこ?」とすごい形相です。

「ビジターセンターまでここから5分くらいかな」

「わかった。どっち?」

外したアイゼンとストックを掴んで、まりちゃんが足早に歩き始めました。リュックを降ろしてアイゼンを片付けているアイミ君とちかちゃんをその場に残し、私もアイゼンとピッケルを手に抱えたままその後を追いかけます。すぐに道路の右側に公衆トイレが見えてきました。

「あれは?」

「あれは冬季閉鎖中!」

また少し行くと、今度は左手に蕎麦屋が見えてきました。

「あれは?」

「あれは蕎麦屋!」

この時まりちゃんはこの蕎麦屋に駆け込むことを考えたそうですが、私が「ほら、あの突き当りがビジターセンター!」と50mほど先に見えてきた建物を指し示すと「わかった」とまりちゃんのスピードが上がりました。追い付けないと判断した私は、まりちゃんが抱えていたアイゼンとストックを奪い取り、「行け〜〜〜っ!!」と叫んで、道路に倒れ込んだのでした(ウソです)。

 

◼️その帰り🚃💨

すべてが無事に終わり、予定通りのバスに乗り込んで帰途につきました。前橋駅から乗った両毛線の電車で、通路を挟んで向かいに座っていたアイミ君の足の間にリュックが立っています。リュックの背中にはワカンが、そのワカンの裏に緑色のヒップソリが、そしてサイドにはピッケルが括り付けられていました。どれも未使用、新品のままです。それを私の横で見つめていたまりちゃんが「今日も使わなかった。まさしく陸(おか)クライマーだわ」さっきの鬼気迫る表情とはうって変わって涼やかな顔をして、まりちゃんはクックッと笑っていました。

 

18時33分、反省会のために大宮で全員途中下車し、駅近くの居酒屋へ。

f:id:arakabu625:20190220134938j:image18:49 かんぱーい

今日も無事に帰って来れて良かった。もう1回くらい雪山行こうな!

 

終わり

 

(おまけ)

f:id:arakabu625:20190220135254j:imageマイ、ピッケル⛏️

f:id:arakabu625:20190220135615j:imageマイ、シューズ

 

おしまい