´20年8月15日 真夏の谷川岳で登山再開!(後編)
(前編からの続きです)
■山頂へ
トマの耳もオキの耳も最初は登山道からよく見えていましたが、少しずつ雲が出てきたようで、いつの間にか山頂部は雲の中に隠れてしまいました。
10:43
(笹が覆い尽くす山肌)
調べてみると、谷川岳は典型的な非対称山陵としても有名な山のようでした。西側はこのようにたおやかな笹原の斜面が広がり、東側は雪が削り出した断崖絶壁になっています(一ノ倉沢など)。
行く手に山小屋が見えてきました。あれが《肩の小屋》でしょう。標高1,900mに建つ、谷川連峰縦走の拠点となる山小屋です。ここまで天神平からの標高差約600m。今日初めての大休憩をとり、スポーツドリンクをグビグビ飲みました。
(11:18 肩の小屋)
さあ、ここまで来れば山頂まではあともう一息です。と言ってる間に着きました。谷川岳の二つの山頂のうちの一つ、トマの耳(1,963m)です。天神平から2時間足らずの道のりでした。
(11:26 トマの耳)
残念ながら、周りはガスに覆われてなにも見えません。本来なら360度の大パノラマが広がっているらしいので、残念でした。
ちなみに、このトマの耳は「手前の耳」、オキの耳は「奥の耳」がなまったものだと聞きました。さらに面白い話がありまして、この山の元々の名前は《二つ耳》というものだったのですが、国土地理院が地図を作るときに隣の山と間違えて谷川岳と表記したことで、谷川岳の名を冠することになったんだそうです。隣の山はいい迷惑ですね。
トマの耳では写真だけ撮って、すぐにオキの耳を目指しました。ガスって山頂は見えません。ガスが出ていなければ、右と左で非対称山陵の様子がよくわかったはずなのですが。
(オキの耳から戻ってくる登山者たち)
ほどなくしてオキの耳(1,977m)山頂に至りました。
(11:44 オキの耳)
おにぎりを二個頬張り、一息ついたらすぐに腰を上げます。こういうとき、一人の登山はちょっと寂しいですね。やっぱり誰かと登頂の喜びを分かち合いたいと思ってしまいました。
(オキの耳、山頂の様子)
■下山
12時を回りました。さあ、帰りましょう。ここまで2時間半。下りは2時間で、天神平のロープウェイ乗り場に14時ってところかな?今日のロープウェイは15時が最終ということですが、大丈夫そうですね。
下りではストックを使いました。実はさっきから膝が痛くて痛くて…。コースタイム5時間だし、最近自転車で下半身鍛えてるし、今日は「楽勝!」となめてたら、平地と変わらない暑さと日射しで熱中症一歩手前になるわ、膝はガクガクするわ、時々意識失いそうになるわで、5ヶ月ぶりの登山は予想外に体にダメージがきてます。ストックに体重の半分以上をかけて、膝の痛みをごまかしながら下りました。
(天神平が小さく見える)
やっとのことで天神平のロープウェイ乗り場まで戻ってきました。時間は14時ちょうど。見込み通り、オキの耳から2時間の道のりでした。
(14:01 天神平着)
ロープウェイ乗り場の横にあった水場(靴の洗い場?)で頭から水を浴びて、クールダウン。生き返りました。下の写真がその水場ですが、私を真似して水を浴び始めたこのオヤジの向こうに小さく見えている建物は、ここ天神平スキー場のレストハウスです。
恐ろしいことに、この時すでにロープウェイを待つ列がここから建物の中の階段を通って、なんとこの遥か下のレストハウスまで伸びていたのでした。
■走れ!メロメロ💦
「えっ?ええっ?えええーっ?」
薄暗い階段をドンドン下りますが、ロープウェイを待つ列の最後尾がなかなか現れてきません。列は一旦外に出て、下の方に見えていたレストハウスの中にまで続いていました。さらにレストハウスの中で列は一周してるし。なんてこった😱💧
(14:18 レストハウスで並ぶ)
こんな時も一人だと寂しいもんですね。トイレにも行けやしない。とにかく、乗らなくちゃいけない電車は土合駅発15時34分。これに乗り遅れたら次はなんと2時間と42分後です。シャレになりません。ざっくり15時までにロープウェイに乗ることができればぎりぎり間に合いそうな気がしますが、この列です。現在時刻は14時18分…
(縦走部のメンバーに入れたLINE)
なんでこんなことになったのか。やはり、ロープウェイの営業時間が短縮されて15時が最終になった影響が大きいと思われます。天神平は登山目的ではない観光客も沢山やって来てましたが、その人たちが早めに帰り支度をして集まってきたのでしょう。しかも、例のコロナ対策で乗車人数が普段の半分以下(22人→10人)に抑えられているため、ロープウェイは3分間隔でやって来るのですが、この大勢の人数を処理しきれないのです。
(ああ、もうダメ)と半ば諦めかけましたが、LINEでバス便もあることを教えてもらい、少し安心。結局、私がロープウェイに乗り込んだのは15時を5分ほど過ぎたあたりだったでしょうか。ロープウェイを降りてから土合までダッシュすれば、もしかしたら間に合うかもしれません。
「うりゃ~~!」🏃🏃🏃💨💨💨
はち切れそうになっていたトイレを済ませ、足と膝の痛みも忘れて土合駅まで走りました。ロープウェイの駅方向から下ってくる車に何台も追い抜かれ、「駅までですか?お乗りなさい!」と声をかけてくれる奇跡も起きず、何度か挫けそうになりながらも土合駅にたどり着き、34分の電車に飛び乗りました。
(めでたし、めでたし)
■終わりに
コロナ禍のなか、こうして久しぶりの登山をなんとか無事に終えることができました。次の日から大腿四頭筋の筋肉痛と右膝の痛みが何日か続きました。加えて、下りでストックを突き過ぎたのか、両腕も痛くなって、59歳という年齢を思い知らされることになりました。
自転車と山登りは使う筋肉が違うんだなあということ。2,000mに満たない山の真夏の登山は熱中症に気を付けようということ。そして、単独行は少し寂しいなということなどなどが新たな気づきでしょうか。
さあ、いよいよ次は縦走部のメンバー全員での活動を再開します。東北自動車道を北上して那須岳を目指す予定ですので、どうぞご期待ください!!
(終わり)
✳️おまけ
今回の登山の起点となった土合駅について、補足情報を二つほど書かせていただきます。
一つ目はこれ。
地上へと続く462段の階段脇にあった岩だらけのスペースです。
染み出てくる地下水を逃がす水路かなと思っていましたが、大外れでした。なんとこのスペースはエスカレーターを設置するためのものだそうです。もちろん、今はそのような計画は跡形もなく消え去っていますが。
二つ目は写真はありません。
あまりに長いこの階段の途中には休憩のためのベンチがあると聞いていたので、どんなもんかと思っていました。しかし、直前にアイミ君から「ベンチに座ってると下から白い手が出てくるらしいよ」という全く不要な情報が寄せられたため、ベンチを視野に入れることすら恐くて通り過ぎました。
以上の二つです😁
(おしまい)
ここまでお読み頂きまして、大変有難うございました。本ブログに関して、ご意見・ご感想などございましたら、下記アドレスまでメールをお願いいたします。お気軽にどーぞ。
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