'19年7月26日~28日 目指せ槍ヶ岳!(1日目 )

f:id:arakabu625:20190731195601j:image(ついに姿を現した槍ヶ岳

⛰️行ってきました。生まれて初めての上高地、そして槍ヶ岳。テレビや雑誌で見るだけだったあの場所も、行こうと決めて仕事の休みを取り、それなりのお金を使いさえすれば行けることはわかっていましたけど。まあ、なかなかねぇ。

 

ということで、縦走部としては1年ぶりとなる北アルプスです。今回目指す山はその北アルプスの象徴と言っても過言ではない槍ヶ岳(3,180m、日本百名山)。いくつかあるルートの中で最も安全かつ安心して登れるという槍沢ルートで臨みます。さて、2泊3日(+1日車中泊)の山旅の顛末やいかに?

よろしければご一読のほど、お願いいたします。

 

■前夜

山に登る前から山行は始まっている。妻という名の沢を渡り、家庭サービスという名の藪をこぎ、主婦業という名の鎖り場をよじ登り、会社という名の岩場を乗り越え、やっとの思いで山頂に立った者だけが待ち合わせの場にたどり着けるのだ。

 

木曜日の夜10時過ぎ、いつもの待ち合わせ場所・新宿駅南口モンベル前に車で到着した俺は、近くのマクドナルドで俺を待っていた縦走部の3人に声を掛けた。

「お待たせ」

俺の声に振り向いたメンバーは、誰もがすでに3,000m級の山をひとつ制覇したような晴れやかな顔をしている。さあ、とうとうこの日がやって来た。縦走部で槍ヶ岳に登るのだ!

 

■沢渡へ

新宿駅前から沢渡(さわんど)の駐車場まで約250㎞の道のりだ。初台から首都高に乗り、そのまま夜の中央自動車道をひたすら長野へと向かう。釈迦堂PAでアイミ君に運転を代わってもらい、長野自動車道への分岐を通過した頃には後部座席のちか&まりも寝入ったようだ。そして、日付も変わった夜中の2時前、ようやく沢渡の第三駐車場に到着した。

f:id:arakabu625:20190731173923j:image沢渡

 

後部座席をフラットにしてちかとまりの寝るスペースを作り、俺とアイミ君はそれぞれ運転席と助手席を倒して2時間ほど仮眠をとる。上高地行きのバスの始発は5時だ。

 

上高地から槍沢ロッジへ

4人ならタクシーもバスと変わらないくらいの運賃で行けると知り、タクシーを使うことにした。降りたところは上高地の手前にある観光スポットの大正池。今回の山旅はこの大正池をスタート地点とする。朝の6時過ぎ、朝もやに煙る大正池の畔に立って、みんなどんなことを考えていたんだろう。

f:id:arakabu625:20190730222316j:image大正池

 

大正池から小一時間ほどで上高地に到着。まだ人もまばらな河童橋を渡り、雲の切れ間に穂高の峰々を山座同定してから次の経由地である明神へ向かった。

f:id:arakabu625:20190730223500j:image7:13 河童橋のちか&まり

f:id:arakabu625:20190731072502j:image奥穂高岳、見えるかな

 

明神まではちかちゃんの提案で梓川の右岸を歩いたが、帰りに通った左岸のなんの変哲もない道と比べると変化に富んだいい道だったように思う。

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明神では穂高神社の奥宮を参拝し、明神池を散策した。(有料、300円也)
f:id:arakabu625:20190731073352j:image8:35 明神池

f:id:arakabu625:20190731075956j:image明神館

 

明神から先は左岸をひたすら歩く。途中の草むらに何かがいるのかあるのか、人だかりができている。覗き込むと小さなヤマネがいた。へぇ、逃げないもんなんだね。

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ヤマネ以外は単調な道が続き、前日までの睡眠不足がたたったのか、しばらくの間眠くて眠くてしょうがなかった。もしかしたら所々でホントに眠っていたんじゃないかというくらい、この辺りのことは覚えていない。

 

10時丁度に徳沢に到着。昼ごはんにはまだ早いので、みんなでソフトクリームを食べた。

f:id:arakabu625:20190731075827j:image10:00 徳沢園

 

まだまだ先は長い。けれど、俺たちはまだ元気だ。再び左岸の遊歩道を歩き始めるとまた眠くなったが、1時間ほどうつらうつらしながら歩いていたら次の経由地の横尾に到着した。

 

横尾は俺たちが向かう槍ヶ岳方面と涸沢方面、そして穂高の峰々と対峙するように屹立する蝶ヶ岳方面の三つの分岐点だ。ここまで来ると上高地に散策目的でやって来る観光客もほとんどいなくなり、登山者だけの世界になる。心なしか少し居心地の良さを感じた。

f:id:arakabu625:20190731142840j:image11:29 横尾大橋。橋を渡れば涸沢方面だ

f:id:arakabu625:20190731155011j:image槍まで11㎞。標高差は1,560m

 

横尾山荘では昼食に山菜うどんを食べた。

f:id:arakabu625:20190731143319j:image横尾山荘

 

今日は平日の金曜日ということもあって、上高地からここまで人混みに閉口するようなこともなく歩いてこれた。明日には人がドッと増えるのかな、いや台風が来てるからそうでもないかな。などと書いたら思い出した。

そうだ、台風が来ていることを書き忘れていた!

 

出発の前日、突如日本の南にある低気圧が台風に発達して、土日の関東から近畿方面に大雨をもたらすなんていうニュースが飛び込んできた。

f:id:arakabu625:20190731145036j:image出発の日のネットニュース💧

 

去年の夏の北アルプスでは、やはり台風の襲来を受けてテント泊を中止にし、暴風雨の中泣きながら2,700mの稜線を6時間歩き通した。あの悪夢の再来なのか?最新の情報では低気圧はすでに台風6号となり、槍ヶ岳の頂上にアタックをかける土曜日(27日)にはこの辺りも暴風雨圏内に入るという。

「行けるとこまで行こう」

「無理せんとこうね」

上高地あたりに遊びに行くつもりで~」

「もう、天気を気にするのやめた」

などなど、縦走部内では事前にこのような会話が交わされていたのであった。これはポジティブ思考と言えばいいのか、諦観の極致というやつなのか。

 

12時過ぎに横尾を出発。ほどなくして道は高原の散策路から登山道に様変わりしてきた。槍沢沿いをひたすら登っていくので、槍沢に注ぐ大小様々な沢を何度も渡った。

f:id:arakabu625:20190731161401j:image12:44

 

一の俣を過ぎるあたりから登山道の勾配も増してきたが、俺たちはまだまだ元気だ。

f:id:arakabu625:20190731162029j:image13:00 一の俣

 

一の俣から30分ほどで、今日の宿《槍沢ロッジ》に到着。今朝大正池から歩き始めて、たっぷり7時間掛かったことになる。元気なのだが、俺は2ヶ月ぶりの山登りだったせいもあって、足の指がずいぶん痛くなっていた。

f:id:arakabu625:20190731162955j:image13:36 槍沢ロッジ到着!

 

ロッジでは風呂に入って(槍沢ロッジには風呂があるのだ!石鹸もシャンプーも使えないが、それがどうした)汗を流し、2時間近く昼寝をした(もう眠くて眠くて)。夕方の5時からは晩ごはんでカンパーイ!

f:id:arakabu625:20190731172330j:imageこんな夕食

f:id:arakabu625:20190731172140j:imageアイミ君はなんでお茶だったんだろう

 

台風6号が近づいている。ロッジに貼られていた明日の天気予報はやっぱり雨。「明日は晴れるといいね」なんてことは誰も言わず、全員爆睡したのだった(もう、みんな眠くて!)。

 

(目指せ槍ヶ岳!1日目、ここまでです)

目指せ槍ヶ岳!2日目、に続きます。