ライチョウのこと②
2019.7.12付朝日新聞
⛰️中央アルプスのライチョウのことを本ブログに書いてから2週間と経たないうちに、ショックなニュースが入ってきました。7月1日に確認していた5羽のひなの生存が、11日に行なった調査では確認できなかったというのです(親鳥の生存は確認)。そして、『ひなは全て死んだと見られる』との見解を環境省が示しました。梅雨の低温で衰弱死したか、キツネやテンなどの天敵に捕食されたとみているそうです。合掌。
↑確認された親鳥。ひなは1羽も連れていなかった(朝日新聞DIGITALより)
実はこのニュースの前日に、私は更にショッキングな記事を目にしていました。それは、
という見出しで共同通信が発信したニュースです。長野県が、地球温暖化の影響で今世紀末までに北アルプスのニホンライチョウは絶滅する恐れがあると発表したのです。営巣場所となるハイマツや餌となる高山植物が減少することで、ライチョウの生息に適した環境が2100年までにほぼ消滅すると考えられるためだそうです。
地球温暖化が生物の生息環境に深刻なダメージを与えるということがまたひとつ、このライチョウの事例でも私たちに突きつけられた形になりました。ゴミを捨てないとか、植物を踏み荒らさないとか、個人レベルでできることとは違って、地球温暖化と言われるとなんだか途方に暮れてしまいます。
2100年なんて、多分すぐにやって来る。その頃、涸沢カールや千畳敷カールの景色はどうなっているのでしょう。森林限界を超えた場所で目にするハイマツ帯と岩稜帯の織り成す息を飲むような風景や、足下に咲く可憐なコマクサの群生を未来の登山者は見れなくなるのでしょうか。ハイマツからひょっこり現れて、登山者の疲れた体と心をなごませてくれるライチョウはニホンオオカミのような伝説の生き物になってしまうのでしょうか。
それがいつか起こりうる未来なのだとしたら、なんと寂しく哀しいことか。。
(終わり)
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