'19年11月9日 秋の扇山・百蔵山で鍋&ケーキ!

f:id:arakabu625:20191110225640j:image(みんないい笑顔)

⛰️10月初めに涸沢で早々と紅葉を堪能した私たち縦走部でしたが、あれから1ヶ月が経ってようやく関東近郊の低山にも秋の気配が漂い始めました。

 

秋と言えば《鍋》。去年買った金色のマイ鍋もまだ一度しか出番を与えられておらず、私は首を長くしてこの季節を待っていたのですよ。

f:id:arakabu625:20191110232031j:image(去年の高水三山にて)

 

■鍋だ!しかし、どこで?

次は近くで日帰り鍋ね、ということは涸沢の帰りにすでに決まっていましたが、行く山がなかなか決まりません。10月に日本列島を襲った台風19号が各地の山にも被害を与え、至るところで登山道が寸断されていたのです。

 

そんななかでアイミ君が見つけた山が山梨にある扇山でした。大月市観光協会のホームページを確認しましたが、登山禁止のお知らせも出てないし、大丈夫みたいです。

扇山(おうぎやま)は、山梨県大月市上野原市の境にある山。標高は1138メートル。山梨百名山の一つ。当山の西側の百蔵山、北側の権現山とをあわせて郡内三山という。

ウィキペディアより】

扇山のピストンだけでは物足りないだろうということで、百蔵山(1,003m)も回るルートにしました。両山ともに大月市が選定した《秀麗富嶽十二景》の山となっていますので、天気がよければ山頂からの景色も期待できそうです。

 

■登山口へ

今回の計画の概要は以下の通り。

【集合】JR鳥沢駅

【バス】鳥沢駅前9:00→梨ノ木平扇山登山口9:15(300円)

【ルート】梨ノ木平登山口~扇山~百蔵山(鍋)~百蔵浄水場登山口~JR猿橋駅

【反省会&解散】八王子

 

待ち合わせの鳥沢駅まで一番遠い私は北浦和駅6:29発の京浜東北線に乗り、マーフィーの法則の如く一番先に鳥沢駅に降り立ちました(8時37分)。することもないので、バス通りまで出てバス停に並びます。私の前にはすでに4~5人の登山者がいました。

f:id:arakabu625:20191111215249j:image(バス停にて)

次の49分着の電車が着いたようで、ぞろぞろ登山者がバス停にやって来ました。アイミ君とちかとまりもこの電車に乗っているのですが、なかなか姿を現しません。気がついたら私の後ろには登山者の長蛇の列ができていて、遅れてやってきた三人はずいぶん後ろの方に並んだはずです。

 

9時発のバスに乗り込んだ私は、出発と同時に三人にLINEしました。バスの車内があっという間に満員すし詰め状態になって、みんなの姿を確認できなかったのです。

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なんちゅうこった!

一日にこれ一本きりというバスに乗れなかったって!?と一瞬焦りましたが、臨時のバスがすぐにやって来て事なきを得ました。

 

梨ノ木平の扇山登山口で出発準備を整え、9時半頃に入山。扇山山頂まではコースタイムで1時間20分ほどの道のりです。

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f:id:arakabu625:20191112111331j:image9:25(梨ノ木平登山口)

■扇山山頂へ

杉の植林帯を30分ほども登ると、次第に周囲は広葉樹の森に変わってきました。赤や黄色に色づいた木々もチラホラ見えますが、まだこの辺は紅葉本番には少し早いのかもしれません。

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夏の間、日本アルプス八ヶ岳などの岩だらけの高山帯を登ることが多かったので、土の山道は新鮮に感じます。降り積もった枯れ葉を踏みしめながら、(やっぱこんな山歩きも楽しいなー)とあらためて思いました。

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ようやく稜線に出たようです。ここまで来れば、山頂まではあと10分ほど。
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この辺りはご覧のように見事な紅葉が広がっていました。山頂までの紅葉の稜線歩き、といったところでしょうか。もう標高は1,000mを超えています。

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さあ、山頂が見えてきましたよ。

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扇山(1,138m)山頂に到着しました。そこかしこで休憩をとっている人や早い昼ごはんを食べている人たちが居ます。景色は、残念ながら曇っていてなにも見えません。

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せっかくの《秀麗富嶽十二景》でしたが、今日は富士山のふの字も見えませんでした。


汗を拭いてのどを潤し、記念撮影をしたら、

f:id:arakabu625:20191112181123j:image(カシャッ)
さあ出発です。鍋パーティーの開催場所である百蔵山山頂に向かいましょう。

 

地図を見ながら「百蔵山までコースタイムで2時間10分かな」と私が言ったら、全員から「え〜〜〜っ!」と大きな声が上がりました。「そんなにかかるの〜〜💧」と恨めし気に私を見ます。以前同じルートを歩いたことのあるアイミ君も「1時間くらいと思ってたよ〜〜」などと落胆の声をあげているではないですか。もちろんみんな私を責めてるわけではないのでしょうが…(お前らみんな、ろくに地図も見ずに勝手なことばかり言いやがって〜〜)と心のなかで毒づいたのは言うまでもありません😁。

f:id:arakabu625:20191112182157j:image(扇山山頂でまりちゃんにもらった扇形のバウムクーヘン

 

■百蔵山山頂へ

扇山からはどんどん下りました。ホントに(まだ下るの?)というくらい下ってばかりだったような気がします。実際は百蔵山も1,000m以上の標高のある山ですから、登り返しがそれなりにあったはずなのですが、あまり印象に残ってないんだよなー。

f:id:arakabu625:20191112184104j:image(ひたすら下る)

 

いい加減お腹も減ってきた12時40分頃、扇山山頂から1時間と45分で百蔵山の山頂に到着です。

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百蔵山に向かう途中で少し陽が射してきたので、もしかしたら富士山見えるかもと期待していたら、薄ぼんやりではありますが雪を被った富士山が雲の上に頭を出していました。

f:id:arakabu625:20191112185133j:image(やっぱりいいなあ)

 

富士山が見えるよ、とちかちゃんに声をかけたら「えっ?どこどこ?」と一向に富士山を見つけられません。多分下の方を探してるんだろうなと思って「もっと上の方を見てみ」と言ったらすぐに見つけることができました。「最近3,000mくらいの所から富士山見てたから低いとこ探してたわ」とは少し調子に乗ったちかちゃんの弁。

 

私はこのとき、大昔に読んだ谷口ジローの漫画を思い出していました。欧州留学から船便で帰ってきた森鴎外が洋上で富士山を眺める場面があるのですが、船が相模湾に入ってくると甲板では「富士山だ!富士山が見えるぞ!」と歓声が上がります。その声に鴎外も目を凝らすのですが、鴎外は富士山を見つけられません。そう、富士山は鴎外の想定を遥かに越えた高さにポッカリ頭を出していたのです。船長が「もっと上を」と鴎外に教え、ようやく富士山を見つけた鴎外はその目線の高さに「うわっ」と驚く場面が谷口ジローの精緻な筆致で描かれていました(古い記憶なのであやふやです)。

 

そこにある富士山を見つけられないちかちゃんを見て、とっさにもっと上を見てみと言ったのはこの場面を覚えていたからです。頭だけ出している富士山は、往々にして私たちの想定を超える目の高さにあるということをこの漫画で知りました。

 

■鍋

さあ、いよいよ鍋です。まずは山頂の標識から少し離れた日陰にシートを広げました。私もそそくさとリュックから鍋を取り出して、ミニテーブルの上にセットします。料理はちかとまりの二人にお任せですが、今日は鳥塩鍋と聞いてました。〆にラーメンも用意してくれるらしい!

f:id:arakabu625:20191112211648j:image(鍋だ)

f:id:arakabu625:20191112211945j:image(鍋だ)

f:id:arakabu625:20191112212110j:image(鍋だ)

f:id:arakabu625:20191112212154j:image(鍋だ~😃)

しつこくてすいません。

 

美味しい鍋を堪能したら、次はケーキが出てきました。アイミ君の5○歳の誕生日を祝うケーキです。

f:id:arakabu625:20191112222738j:image(凄っ!)

当のアイミ君本人が淹れてくれたコーヒーと一緒に、どちらも大変美味しく頂戴しました。

 

■下山

百蔵山の山頂でたっぷり1時間。鍋とケーキとコーヒーを頂いて大満足の時間を過ごした私たちは、14時ちょうどに山頂をあとにしました。実はみんな膀胱も満タン近くなっています。トイレのあるらしい浄水場の下山口までコースタイムで約1時間。さあ、もうひと頑張りするとしましょう。

 

下山口からの帰りはバスを使わず、歩きで猿橋駅まで戻ってきました。

f:id:arakabu625:20191112224539j:image15:39(猿橋駅

中央本線ではアイミ君と二人で爆睡し、八王子ではお決まりの、

f:id:arakabu625:20191112225009j:imageカンパーイ!!

 

夏の間は北アルプス南アルプス八ヶ岳などの遠征が続いた縦走部でしたが、こうした関東近郊の山歩きもまた楽しいものです。今回はその事を再認識した山旅でした。

 

今年もう一回くらい鍋の出番あるかなー(ないかなー)。

 

(終わり)

我が家の本棚の奥の方に件(くだん)の谷口ジローの漫画を見つけました。案の定、いくぶん記憶違いのところもありましたが、めんどくさいのでもう訂正しません。それはこんな場面です。

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f:id:arakabu625:20191112230910j:image坊ちゃんの時代、第二部「秋の舞姫」より

 

(おしまい)

ここまでお読み頂きまして、大変有難うございました。

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