'19年10月5日~7日 秋の涸沢テント泊の旅、奥穂高岳も登るど~!(3日目)

f:id:arakabu625:20191012205922j:image(いつかきっと思い出の一頁になる)

秋の涸沢テント泊の旅(2日目)からの続きです。

■朝の出来事

3日目の朝は、夜が明ける前から時おり強い風がテントに吹き付けてきた。その度にフライが激しくバタつき、本体が大きくたわむ。起床予定の5時前にはその間隔が短くなり、これは外での朝ごはんは無理だなと判断。ちかまりとアイミ君のテントまで行き、外から「朝ごはんはそれぞれのテントの中で済まそう」と声をかけた。

f:id:arakabu625:20191012124327j:image(朝のカールは厚い雲に覆われていた)

 

テーブルがないとテントの中での調理がやりにくいだろうと思い、ミニテーブル(SOTO Field Hopper)を持って再びちかまりのテントに行って声をかけたが、中でバーナーを使うのが怖いからヒュッテに行って作るという返事だった。

 

風は相変わらずテントを揺らすほどに吹き付けてくる。収まったかと思ったら、またブワーッという感じで。テントの布切れ一枚に守られている感を強くしながら荷物をリュックに詰めているときだった。

「おーい、誰かー、飛んだぞー!」

と大きな声がした。

(ちかとまりのテントが風に飛ばされた!)そう直感した俺は慌ててテントの外に出て二人のテントを探したが、案の定ない。

(!!!)

いや、違う。ちかまりのテントはこっちだったと右の方を見たら、白いテントがそこにあった。(良かった~~~💦)

 

俺が敬愛するアウトドアライターの高橋庄太郎さんが、本や雑誌でテント設営のノウハウをよく語っているのだが、その中で「僕はテント場で風船のように飛んでいくテントを何度も見た」という話が忘れられない。この『風船のように飛んでいくテント』が完全に俺の頭の中に映像化されてしまっているのだ。だからこの時もちかまりの白いステラリッジがピュ~ッと飛んでいく情景がすぐに頭に浮かんでしまったというわけだった。何はともあれ、無事で良かった。

 

■出発

テントの撤収も終わり、再び重いリュックを背負ってテント場を出た。ヒュッテに向かう途中にあるテント受付小屋の前に、例のコンパネと呼ばれるベニヤ板が積まれている。(これの数をもっと増やして欲しいなあ)横目で見ながらそう思った。

f:id:arakabu625:20191012124233j:image(1日500円也)

 

出発前、お別れの涸沢をバックに自撮りで一枚📸。今朝はかなり冷える。

f:id:arakabu625:20191012125008j:image7:32

f:id:arakabu625:20191019160022j:image(3人もパチリ)

 

7時半過ぎ、昨日までとはうって変わって人もまばらな涸沢ヒュッテを俺たちは後にした。予定より30分遅れだが問題ない。さあ、帰ろう。

 

上高地

今回の山行計画では下りの涸沢~上高地間を5時間20分でみていた。計画通りにいけば13時には上高地に着く。そのあと、16時15分出発の高速バスまでに日帰り温泉とプチ宴会を楽しもうという算段だ。

 

わずかに軽くなっているはずの大型リュックを背負い、登ってきた道を下っていく。先頭を行く俺はなるべくペースを抑え、後続者に何度も道を譲った。やっぱり女性にはいきなり15kgの荷物は負担が大き過ぎると思ったからだ。登りの反省である。本谷橋までの道を下っていると、ちかちゃんが「私、この道全然覚えてないや」と言っていた。やっぱりあの登りのときは意識が朦朧としていたのかもしれない。何事もなくて良かったと、今更ながら胸を撫で下ろした。

 

本谷橋に到着。アイミ君にお願いして遠めから狙ってもらった一枚、カシャッ📸
f:id:arakabu625:20191012134055j:image(本谷橋にて)photo by Aimi

 

横尾を過ぎ、徳沢でお昼にした。前回の槍ヶ岳のときと同じくカレーをビールで流し込む。旨い!

f:id:arakabu625:20191012134839j:image横尾 10:47

f:id:arakabu625:20191012135037j:image徳沢 11:52

 

明神まで来たら、もう上高地は目と鼻の先だ。

f:id:arakabu625:20191012135253j:image明神 13:08

 

河童橋の手前に広がる小梨平キャンプ場のお風呂を借りて3日間の汗を流し、きれいな体になって河童橋に帰り着いた。

f:id:arakabu625:20191012140119j:image到着~🎉

 

少し予定よりも遅れたが、まだ時間はある。バスに乗る前にビールと腹ごしらえだ。みんな、バスターミナルへ急げ!

f:id:arakabu625:20191012140431j:image15:41 本日最後のカンパーイ

 

最後は少し慌ただしかったが、こうして縦走部4人全員の初めての涸沢を巡る山旅はフィナーレを迎えた。

 

個人的には、40年前に広島で初めて知った『からさわ』をこの目で見て感じることができたことがとても嬉しかった。3日間を涸沢で過ごしたメンバーひとりひとりの胸のうちにも、それぞれの想いが芽生えたことだろう。

 

東京に戻った翌日、グループLINEでは皆が今回の山行を総括するような簡単な感想を書いていたが、全員がなにがしかの強い《達成感》を感じていたのがとても興味深かった。その中の一人、まりちゃんがLINEに残したコメントを以下に再掲して、今回の山行記録を終わりたい。(本人には了解済みである)

 

皆さま、お疲れさまでした❗
奥穂高岳なんて、私には無理なんじゃないか、無謀なんじゃないか、トイレ問題は…等々、不安だらけの今回の涸沢テント泊でしたが、奥穂高岳にも登ることが出来て、トイレも無事にやり過ごせて、今はすごく心地よい達成感に浸ってます😂
色々ありましたが、とても楽しい3日間でした。ありがとうございました。

 

(終わり)

 

長い長い山行日記、ここまで読んでいただきまして、どうも有難うございました。それではまた、近いうち!

 

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