'19年1月4日 新年登り初め(武川岳)

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⛰️新しい年になりました。正月三が日をボーッと腑抜けのように過ごし、(いかん、このままでは箱根駅伝のTV観戦だけで正月休みが終わってしまう!)と3日の夜に急に焦り始めた私。あわてて奥武蔵・秩父方面の”山と高原地図”を広げ、登山口まで車でひょいと行けて、ちょちょいと登れるルートを探して見つけたのが武川岳でした。

 

武川岳は埼玉県の飯能と秩父にまたがる、標高1,051mの山です。私は一昨年一人で登りに来ましたが、その時は正丸駅を起点に伊豆ヶ岳からいったん山伏峠の登山口に下り、そこから登り返して武川岳へ。さらに焼山や二子山を経て芦ヶ久保駅に下山というロングコースでした。ようやく駅に着いたときは日も暮れかけていて、ヘトヘトになった記憶があります。

 

今回は名栗元気プラザというところに車を停めて、往復のコースタイム3時間弱のルートをちょちょいと登って帰るという計画。8時過ぎに我が家を出発し、一般道で片道70kmほどの道のりを約2時間で登山口に到着しました。

 

◼️山頂へ

一度登ったことのある1,000mほどの山であっても、初めてのルートは楽しいものです。《武川岳へ》の標識に従って車道から林道へ、林道から登山道へと、徐々に山の懐に分け入っていく感じがとてもワクワクします。


f:id:arakabu625:20190117130127j:image車道沿いの標識に従い、

f:id:arakabu625:20190117130209j:image林道へ

f:id:arakabu625:20190117203250j:imageさらに小さな標識に導かれ、

f:id:arakabu625:20190117130311j:image林道からいよいよ登山道へ

 

最近私は山へ温度計を持ち込むようになりました。山での気温の変化に敏感になろう、気温の低下に慎重になろう、と思うようになったからです。この冬から少し本腰を入れて雪山へチャレンジすることにしたので、寒さを客観的に把握した方がいいかなということで。

買ったのは、登山関係のブログで時々見かけるこれです。バイメタル方式で、振るとカチカチ音がします。その温度計を覗くと、登山口手前で3℃でした。

f:id:arakabu625:20190117204325j:imageエンペックス 温度計 サーモマックス50

 

針葉樹の植林地帯を登り、しばらくして広い尾根道に出ました。冬枯れの雑木林がいい感じです。
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葉っぱを落とした木々の間から、左手には奥多摩方面の山並みが、右手には武甲山が見えていました。

f:id:arakabu625:20190118122537j:image左手には奥多摩

f:id:arakabu625:20190118122620j:image右手には武甲山

 

冷たい山の空気と上昇する自分の体温が完全に調和しているように感じます。寒くないし暑くない。やっぱり冬の山歩きは楽しいなあ。

 

ほどなくして武川岳の山頂に着きました。車を降り、車道に《武川岳》の標識を見つけてから1時間と10分の道のりでした。

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とてもいい天気です。

眺望は一部しか開けていませんが、山頂はそこそこ広く、ベンチが4つほどありました。先行者は3人。一組の初老の夫婦と中年の男性登山者がそれぞれ昼食中のようです。私も空いているベンチに腰かけて、おにぎりとクリームパンをほおばりました。

f:id:arakabu625:20190119102252j:image旨かった、レアチーズクリームパン

 

すると、隣のベンチにいた初老の夫婦のご主人のほうが「あなたはどちらから登ってこられたんですか?」と私に聞いてきました。「いやね、兵ノ沢の氷柱はどんな様子かなと思ったもので」

今の時期、芦ヶ久保の兵ノ沢地区で氷柱祭りみたいなことをやっているのは私も聞いたことがあるのですが、まだ実物を見たことはありません。ご主人はその様子を尋ねてきたのでした。秩父路三大氷柱のひとつに数えられているそうです。今度見に行ってみよう。

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芦ヶ久保の氷柱(webより)

 

お昼を食べ終わって山頂からの風景をスマホで撮っていたら、いきなりスマホがシャットダウンしてしまいました。
(ああ、まただ…)

f:id:arakabu625:20190119102407j:imageシャットダウン直前

 

初めてこの症状が出たのは10月の木曽駒の山頂でした。次が11月の金峰山のこれまた山頂(これで3回目、全部山の頂上っていうのが面白い)。木曽駒は雪が舞うほどの寒さで、夜明け前の金峰山の山頂も周囲の岩が凍りつくほどの寒さでした。原因は、気温の低下でバッテリーの電圧が低下したためです。スマホは電圧が低下するとバッテリー残量が無くなったと判断して、機器を保護するために強制的にシャットダウンするのです。

 

私以外の縦走部のメンバーのスマホは木曽駒でも金峰山でも全然大丈夫でしたので不思議に思ってネットで調べたら、私のファーウェイは低温にとても弱いという記事がたくさん出てきてがっくりしました。しかし、いくら真冬とはいえ武川岳の山頂でもシャットダウンしたのは少なからずショック。ベンチに置きっぱなしだった温度計を見たら、冬の陽光に照らされていたせいか、10℃近くを示しているというのに。

 

来週は縦走部のメンバーで北八ヶ岳の北横岳を登る予定です。北横岳は雪山の入門編として人気の山ですが、とは言え2,400mを超える初の本格的な雪山です。マイナス15℃や20℃になることもあるというし、寒さ対策は最重要課題。そんな場所で私のスマホは大丈夫なのでしょうか…。

 

◼️下山

誰ともすれ違わずに登ってきた道を下ります。相変わらずシーンと静まりかえって、枯れ葉を踏む自分の足音だけが聞こえてきます。今朝起きたときは寒くてなかなか布団を出られなかったけど、山に来て良かったなーなんてことを思いながら登山口を目指して下りました。

 

今日のウェアリングのことを少しお話しします。今朝はミレーのアミアミ(半袖)の上にベースレイヤーとしてポリエステルの長袖ランニングシャツを着てみました。いつもはアミアミの上にジオラインのMWを着るのが私の冬の定番なのですが、これを着ないとどうなるんだろうというのを試してみたかったのです。これから雪山をやるにあたって、ウェアリングも一つ一つ理詰めで選べるスキルを身に付けたいなと思いまして色々実験しています。大層なことではないんですけど。

 

実は、下り始めてからずっと両腕の汗冷えを感じていました。肘から手首までの間、ミレーのアミアミがカバーしていない部分、つまりポリエステルのランニングシャツが直接肌と接しているところだけが冷えています。理由は簡単。速乾素材のポリエステルのシャツが肌から気化熱を奪っているのです。3シーズンはこれで良いのですが、雪山ではちょっとまずいかも知れません。マイナス20℃でこの冷えは。

 

アミアミがカバーしている部分はどうして冷えを感じないのでしょうか。アミアミは少し嵩があるので、かいた汗を一旦そこに保水するのです。そして、その水分を緩やかに上のベースレイヤーに移していきます。なので冷えを感じにくい。さらに、アミアミの一つ一つに空気の層を作ることで保温性も持つことができるのです。

 

一旦保水してから緩やかに乾いていく(上の層に水分を移していく)という、汗冷え対策に効果的な機能を持つ天然素材がメリノウールです。ですから、冬のベースレイヤーにウール素材が推奨されることが多いのでしょう。気を付けることは一つだけ。アミアミにしてもメリノウールにしても、その保水・乾燥能力を超える汗をかけば冷えを感じます。ポリエステルなどの速乾素材との使い分けはそのあたりがポイントになるのだと思います。

 

あっという間に登山口に着きました。道端に停めていた車も無事のようです。

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さて、来週はいよいよ北横岳。家に帰りついたら、もう一度雪山の装備を見直すことにしましょう。

2019年もよろしくお願いします。

 

終わり

 

(おまけ)

今回もワックス加工を施したアルパインクルーザー2000を履いていきました。

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おしまい