私の山道具選び①カリマーリッジ30L

f:id:arakabu625:20181112185922j:image(カリマー社HPより)

⛰️去年(2017年)の夏から山登りの真似事を始めて、すぐにもっとちゃんとしたリュックが欲しくなりました。調べると30Lくらいが日帰り登山にちょうどいいようです。その容量があれば山小屋泊りまで対応できることも知り、30Lクラスでの私のリュック選びが始まりました。

 

ネットで情報を仕入れ、モンベル石井スポーツなどの店頭で実際に背負い、店員にも色々教えてもらって自分なりの基準も少しずつできてきました。


山道具選びにはその人の経験値がはっきりと表れます。だから経験豊かな店員や友達のアドバイスがとても大事になりますね。ただ、やはり店員は商品を売りたいので、客の意向に沿った形でのアドバイスになることは少し注意が必要だと思います。

f:id:arakabu625:20181112192107j:image駅の待合室にて

今ではお恥ずかしい話になるのですが、私が最初に登山用リュックを選ぶ際に最も重要視したのは、ウェストベルトの両サイドについているポケットの大きさでした。それが私の経験値だったのです。背中や腰回りのフィッティングはもちろんチェックしましたが、よほど自分の体に合わないものでなければそれなりにフィットしているように感じました。なんせそれまで長年愛用していたリュックはメーカーこそモンベルの25Lですが、100%肩荷重で背負うタイプのモノです。ですから腰で背負うと言われる山岳用リュックのウェストベルトをギュッと締めると、どれも(おおっ!)と感動もののフィット感を感じてしまうのです。


とにかく当時の私は、スマホの出し入れがスムーズにできる大きさのポケットがウェストベルトについていることがMUST!なのでした。あきらかに優先順位がおかしいのですが。理由は一応あります。

f:id:arakabu625:20181112193050j:imageリッジと大菩薩嶺

それまで愛用していたモンベルのリュックにもポケット付きのウェストベルトが付いてはいたのですが、スマホはぎゅうぎゅうに押し込んでやっと入るかなという大きさ。そのリュックを担いで自転車での長距離旅行や富士登山などに行ったのですが、折々の風景を撮るときにスマホを出し入れするのがとても面倒でした。

 

特に自転車を漕いでるときは、ズボンのポケットだと落下が怖いし脚の動きも妨げられます。リュック本体に入れておくのは論外。だからいつもスマホの角っこがポケットからはみ出す状態で、それを落ちないようにファスナーできつく締めたりしていました。そこを改善したい、それが私の経験値に基づく新しいリュックに求める機能だったのです。

f:id:arakabu625:20181112192842j:imageリッジと三頭山へ

 

経験というのは大事です。店員にもそのことを伝えましたが、私の話を聞いた店員は全員「そうですねー」「なるほど、今どきはスマホの収納も大事なポイントですねー」なんて感じで受け応えてくれます。それこそが冒頭に私が注意しなければいけないと書いた点なのです。ポケットが大きくてスマホの出し入れがしやすいほうがいいと言っている客を店員は絶対に否定したりしません。価値観は人それぞれだと知っているので、山岳用リュック選びの優先順位はポケットの大きさよりも・・などと客に対して講釈は垂れないのです。店員にとってはポケットの大きさを気にいって買ってもらうことのほうが大事なのです。


ということで、一か月ほどいろんな店を回っては、グレゴリーやドイターやオスプレイやミレーなど、名だたるメーカーのリュックのウェストベルトのポケットに自分のスマホを入れては「う〜ん」とかやってました。変な客です。そうしてやっと出会ったのがカリマーのリッジ30Lでした。

f:id:arakabu625:20181112191604j:imageリッジと両神山

 

2016年にモデルチェンジをしたリッジのポケットはとてもでかかった。これだ!と思いました。確かオスプレイのケストラルもなんとかストレスなくスマホが出し入れできるポケットを持っていたので最後はこの2択。しかし、あらためてこの2つを担ぎ比べた時のウェストベルトの頑強さ、がっちりした守られ感がリッジの圧勝でした。「リッジに決めた!」


あともう一つ大事なポイントがありました。山岳用のリュックのフィッティングには「背面長」というものが重要な指標になってきます。簡単に言えば背中の長さです。背面長が変えられる機能を持ったリュックもありますが、リッジは固定でした(多くのリュックがそうです)。その代わり、リッジには三つの背面長サイズが用意されていました。背面長はリュックのフィッティング作業を行なうときにまずチェックする部分です。私の背面長は50cmちょいといったところでしたが、リッジはそれまで背面長42cm(タイプ1、主に女性向け)、47cm(タイプ2、背の高い女性、一般的な男性向け)の2タイプしかラインナップがありませんでした。それが2016年の新モデルから背面長50cmのタイプ3がラインナップに加わっていたことも私がリッジに決めた理由の一つになっていました。しかし、困ったことに店頭にタイプ3がないのです。

f:id:arakabu625:20181112193940j:imageリッジと筑波山


お店でリッジのタイプ2(背面長47cm)を背負って、店員にちょうどいいですねーなんて言われても、頭の中で背面長が合ってないという意識があるのでどうにもしっくりこない。「背面長合ってなくないですか?」と聞いても、「ほらっ」とリュックのウェストベルトの根元を下にぐっと下げて「実際はこんなふうに荷重がかかるんですよ」なんて言い返されます。これも経験という話なのですが、私はその時「何をするんだ。いい加減なフィッティングだな」と店員の話など聞く耳を持っていませんでしたが、今なら言えます。あの店員の言うことは多分正しかった。


店頭で探すのも面倒だと思い、ネット販売でタイプ3が10%引きで売っていたのを見つけ、ポチりました。色は新モデルになって復活したカリマー社のイメージカラーであるカリマー・ブルーです。こうして、ようやく山登り用のリュックを買うことができたのでした。

f:id:arakabu625:20181112192523j:imageリッジが届いた!

 

その後、結局一年も経たずに買い替えてしまった私が言うのもなんですが、カリマーリッジ30Lはとてもいいリュックでした。ネットでも「名機」としてその評判は揺るぎないものがあります。つたない経験しかない私のインプレッションは次の通りです。

 

①作りに安っぽさがない

これは、その後多くの同クラスのリュックを見てきた私の実感ですが、リッジは30Lという小容量クラスの中では感心するほど手抜きがありません。まず、使っている生地が丈夫そうで安心感があります(詳しい材質はよくわかりませんが😅)。サイドのコンプレッションベルトもグレゴリースタウト35Lと比較して妥協がありません。

雨蓋も上に延ばすことができます。私のグレゴリーはバルトロでは伸縮可能ですが、スタウトは固定です。とにかく、「30Lクラスはこんなもんでいいだろ」っていうところがないのです。リッジを知った後では他メーカーの30Lクラスにはそれを強く感じてしまいます。

f:id:arakabu625:20181112192631j:imageリッジと塔ノ岳へ

 

②小物の収納ポケットが多い

最初にリッジを使ってしまった人は不幸です。なぜならリュックを買い替えたときに、収納ポケットの少なさがストレスになるかもしれないからです。山岳用のリュックですからそんなに多くのポケットがあるわけではないのですが。まず本体の両サイドにちょっとマチのある縦長のポケットが付いています。私と同じリッジを使っているアイミ君は私がそのポケットから手袋を出しているのを見て「そんなところにも入れるところがあったんだ」と驚いてましたが、確かにオーナーでさえ気がつかないような感じですがしっかりモノは入ります。奥にマチがあって、私は膝サポーターや傘、ゲイター、ホッカイロなどを入れていました。もうひとつは表側の全面が収納ポケットになっています。真ん中縦にファスナーが付いていて、上下どちらからでも開け締めができるようになっています。この部分はグレゴリーのスタウトもズールもネットになっていて、モノは突っ込めますがあくまで仮置き的な収納だと思います。リッジはこのポケットに手袋や地図、タオルなどをタップリ入れるスペースがありました。仮置きはバンジーコードをその上に付ければいいだけです。

f:id:arakabu625:20181112190444j:image便利なバンジーコード

 

③本体の収納量も多い(たぶん)

比較対象がなかったので断言はできませんが、リッジの本体収納量は数値以上のものがあるように思います。そのように書いている経験豊富な方のブログも散見できますし、専門店の店員からも同じような話を聞きました。今私が持っているグレゴリーのスタウト35Lとリッジ30Lで同じくらいの実質容量のような気もしますが、重複して持っていた時期がないので確かではありません。

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ということで、私は背面長と体型のアンマッチからくるのか残念ながらフィットしませんでしたが、今でもお勧めの小容量リュックです。

 

終わり